NEW2018年07月05日

あのタイプの車の販売 どうなった?

日本自動車販売協会連合会などの業界団体は、5日、ことし上半期の車種別の新車販売台数を発表。ランキングの上位10車種には、おなじみの軽自動車やハイブリッド車が入りました。かつてランキングを席けんしていたあのタイプの車の名前は、今回も見られませんでした。

やっぱり維持費が安い軽自動車が人気なんですね?

上半期に最も売れた車は、ホンダの軽自動車「N-BOX」。新型車が投入された去年9月以降、10か月連続で月間の販売ランキングのトップを守ってる。自動ブレーキなどの安全装備が充実しているしね。それに、2位のスズキ「スペ-シア」や5位のダイハツ「タント」もそうなんだけど、背が高い「トールワゴン」と呼ばれるタイプで、後部座席のドアがスライド式なのが特徴。軽自動車だけど、空間を広く利用できるのも人気の理由の1つという感じかな。

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軽自動車を除く乗用車でみると、トップは日産の小型車「ノート」なんですね。

そう。これまではトヨタの「プリウス」や「アクア」などがトップだったんだけど、初めて「ノート」が上回った。「ノート」の販売台数のおよそ7割は、ハイブリッドタイプ。軽以外でも燃費のよい車を選ぶ傾向が続いているというわけ。

今に始まったことではないですけど、セダンタイプの車はランキングに顔を出していませんね。去年、トヨタが“セダン復権”をうたって「カムリ」の新型車を投入したし、ホンダもセダンタイプの「シビック」を復活させましたよね。

そうね。でも10位以下を見ていくと、セダンは20位の「カローラ」が最高。苦戦していると言えるかもね。30年前の1988年のランキングをみると、「カローラ」や「クラウン」など上位10車種はすべてセダンか、セダンタイプのある車種が名を連ねていた。その後、ランキングから、セダンの名前がなくなっていっちゃったんだけど。

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どうしてセダンは売れなくなったのですか?

それにはいろいろな理由がありそう。昔は乗用車と言えば「セダン」だったけど、時代の変化で、小型車や軽自動車など、デザインより燃費のよい経済的な車が好まれるようになった。それに独立したトランクスペースがあるセダンは車内の空間が広くない。ファミリー向けには室内空間が広くて、たくさん乗れるミニバンとか、ワゴンタイプなどに人気が移っていったというわけ。

最近はSUVという車種が人気ですよね。

確かにそうね。上半期のランキングでも、19位にトヨタの「CーHR」が、23位にホンダの「ヴェゼル」が入っている。車高が高くて運転しやすいし、荷物スペースも広いから、家族旅行やキャンプにもでかけやすいしね。海外でもよく売れているから、各社とも開発に力を入れてるんだって。

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ホンダ「ヴェゼル」

自動車メーカーもドライバーのニーズをつかむのが大変そうですね。

そうね。最近は、世界的に電気自動車の存在が大きくなっているし、将来的には自動運転の車がメジャーになってくるかも。トヨタはことし1月に、コンセプトモデルで箱形のバスのような車を発表して関係者を驚かせたんだって。10年後にどんな車が主流になっているのか予想するのは難しいですね。