憲法改正する場合の手続きは?

憲法改正の手続き

  • 1)改正原案を発議
  • 2)改正原案提出
  • 3)国会審議 可決・発議
  • 4)国民投票の期日
  • 5)広報・周知
  • 6)国民投票
  • 7)開票
  • 8)結果の告示

1)改正原案を発議

日本国憲法は96条で「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない」と定めています。
「発議」とは、国会議員が議案を提出して審議を求めることをいいます。

2)改正原案提出

改正の手続きは、憲法のどの部分を改正するか盛り込んだ「改正原案」を国会に提出することから始まります。2通りの方法があります。

「議員提出」
国会議員が原案を、衆議院か参議院に提出します。衆議院に提出する場合100人以上、参議院に提出する場合50人以上の議員の賛同が必要です。

「憲法審査会」
衆議院と参議院に、それぞれ設けられた憲法審査会が国会に提出します。

いずれの場合も「原案」は内容によって項目ごとに区別して提出する必要があります。

3)国会審議 可決・発議

国会に提出された「原案」は、まず本会議で趣旨説明や質疑が行われ、その後、憲法審査会で集中的に審議されます。
審査会において「過半数」で可決されれば、本会議での採決です。本会議では、すべての議員の「3分の2以上の賛成」で可決となり、もう一方の院に送られます。
両院で可決されると「憲法改正案」となり、国会が憲法改正の発議を行います。

4)広報・周知

憲法改正の発議があったときは、国会議員の中から選任された委員でつくる「国民投票広報協議会」が設置されます。
この協議会は、賛否の意見を含めどのような改正が行われようとしているかの公報を作成し、国民投票の前に国民に配布します。
また、テレビ放送や、新聞広告でも広く周知することになっています。

5)国民投票の期日

「憲法改正案」の国民投票は、国会の発議のあと、60日以降180日以内の間で、国会が議決した日に行われます。
選挙と同様、期日前投票や不在者投票、在外投票の制度も設けられて、いずれも投票期間は、期日の14日前からとなっています。
期日時点で18歳以上の日本国民が投票できることになっています。

6)国民投票

「憲法改正案」の投票は、内容が関連する「改正案」ごとに、それぞれ1人1票で、投票できることになっています。
「改正案」が2つの場合は、それぞれに1票ずつ、計2票の賛否を投票することになります。
投票用紙にはあらかじめ、賛成・反対の文字が印刷されていて、いずれかを丸で囲み、投票所の投票箱に投函します。

7)開票

開票は、原則として選挙と同様の手続きで行われます。
投票用紙が白紙のものや、賛成・反対の両方の文字が丸で囲まれたものは無効となります。
一方で、国民の意思をできるだけ反映させるため、意思が明白であれば、投票を有効とするようにしなければならないことが定められています。

8)結果の告示

開票の結果が出たら、すぐに有効投票総数や賛成投票数、反対投票数などが官報で告示されます。

そして「賛成」が有効投票総数の過半数の場合には、改正が国民から承認されたことになり、総理大臣がすぐに手続きを行い、天皇が国民の名において改正された憲法を公布することになります。