無料で自転車の最新ルールや知識が学べて、しかも受講者には特典つき。
そんな「自転車利用の先進タウン」があると聞いて、現地に行ってきました。
前回の記事はこちらです。
都内屈指の自転車ユーザーが多い街って?
それは、東京・武蔵野市。
人口15万人ほどのこの市には、三鷹駅、吉祥寺駅、武蔵境駅という若者の利用も多い3つの駅があるため、都内でも自転車ユーザーが多いことで知られています。
どれくらいかというと3つの駅だけで、自転車の乗入れ台数は2万1千台。1日に、ですよ。
都内の約600駅のうちの上位トップ10には3駅ともランクインしています。
3駅合わせて1日に約2万1千台!!
利用者が増える中で、危険な運転による歩行者への影響も問題になったため、平成20年から市と警察が共催で、中学生以上を対象にした自転車安全利用講習会を開催しています。
講習会は “特典”も人気
某日、市役所で開かれた自転車安全利用講習会に私(記者)も参加しました。
この日の参加者は30代から70代まで20名ほどでした
はじめに警察の担当者から、最近市内で発生した自転車がからんだ事故の件数や、事故が多発している場所や状況などについて、映像もまじえて詳しい解説を受けました。
市内で発生した人身事故のうち、自転車が関係する事故の割合はなんと65.5%(2022年のデータです)。
人身事故の半数以上が自転車ということでした。
特に住宅街の裏路地の交差点で、車と自転車との出会い頭の事故が多いそうです。
警察の担当者
「出会い頭の事故がなぜ起きるのかわかりますか? それは車と自転車、双方の場所と時間が一致するから起きます。つまりお互いが安全確認をして、時間をずらせば事故が起きなくなるんです」
自転車保険加入を強く推していました
続いて日本交通安全普及協会の担当者から、去年11月に改訂された最新の「自転車安全利用五則」の内容や、自転車保険加入の義務化、ヘルメット着用の努力義務などについて説明がありました。
ヘルメットの試着会もあって、参加者はスポーツタイプや帽子のようなタイプなど、いろんなデザインのヘルメットを試していました。
帽子みたいだけどこれもヘルメット
1時間半の長さを感じさせない内容で、最後に参加者には「自転車安全利用認定証」が発行されます。
これが「特典」で、この認定証は市オリジナルのもので有効期間は3年間。
以下のメリットがあります。
・「TSマーク付帯保険」という、自転車の点検整備と保険の費用に、1000円助成されます。(対象は市内在住の人)
・利用の希望者が多い公共駐輪場の定期利用枠の優先措置。(必ず利用できるわけではありません)
参加者の声は・・・
武蔵野市によりますと、講習会には平成20年からこれまででのべ4万9000人以上が受講しているということです。(令和5年1月現在)
「認定証の裏面には『おもいやり サイクリスト宣言』として自転車安全利用に関する宣言が記載されており、講習会で学んだことをいつでも再確認していただけます。
受講者のアンケートからは、『今までわかっているつもりでも間違っている行動があった。今後、自分の行動を改めたい。』とする内容が多く聞かれることから、地道ではありますが、こうした取り組みを続けていくことで行動変容につながると考えています。」
武蔵野市では、ほかにも動画で学べる自転車ルールやクイズも公開して、市民に身近に学んでもらえる機会を設けています。
複雑な自転車ルールの解説や子ども向けのクイズまで
武蔵野市のサイトはこちら※NHKを離れます
みなさんの街や団体にも、交通ルールに関するおすすめの活動や取り組みはありますか?
この記事へのコメント