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父親の子育て「#」でつながる

お母さんやお父さんの中には、SNSで同じ子育て中の人たちの投稿を読んでいる方も多いのではないでしょうか。

私(記者)もその1人。

お母さんやお父さんが育児の日常や悩みをつぶやくアカウントをチェックする中で、気になる「#」を見つけました。

「#ゆるゆるお父さん遠足」。

これは何だろう。

調べてみると、これまで知らなかった世界が広がっていることに気付かされました。

(ネットワーク報道部記者 出口拓実)

「#ゆるゆるお父さん遠足」って何?

調べ始めてたどりついたホームページ。

読んでみると、この遠足はお父さんと子どもだけのお出かけのことだそうです。

ただ主催団体はなく、ホームページも有志で作ったとのこと。

活動の内容はというと、子どもと出かける予定を立てた、どこかのお父さんが「#ゆるゆるお父さん遠足」のことばとともに、日時や場所などをSNSに投稿します。(投稿は誰でもいいそうです)

すると、その投稿を見た別のお父さんが子どもを連れてその場に訪れ、みんなの「遠足」になるということです。

仲間の目印はリストバンドで、見つけたら気軽に声をかけて一緒に遊ぶということですが、「ゆるゆる」という名のとおり、会えても会えなくてもいいし、無理に声をかける必要もないということです。

「#ゆるゆるお父さん遠足」に行ってみた

11月下旬、私が知り合い(子育て中のお父さん)のSNSを見ていると、その中に「#ゆるゆるお父さん遠足」の投稿を見つけました。

これは行くしかない。

SNSの投稿を頼りに子どもを連れて行ってみることにしました。

このときの遠足の場所は東京・立川市内の公園。

到着すると、先に来た4組のお父さんが子どもと一緒に遊んでいました。

このうち、知り合いを除く3組は私にとっても「はじめまして」です。

つい、仕事のときのようにきちんとあいさつしようとしましたが、子どもが早速「おなかすいた。ごはん!」と言うので、まずは自分の子どもの昼食の世話で精いっぱい。

そうこうするうちに、子どもたちはすぐに打ち解けて、一緒に枝を拾ったり砂をいじったりして遊んでいます。

子どもを見守るお父さんたちも自然と合流し、気付けばそれぞれの子どもの話や日常の様子、地域の子育てイベントの情報をシェアすることができました。

無理に話をする必要もないし、自分の子どもと遊ぶだけでもいいそうですが、この日は、SNSをきっかけにしてお父さんと子どもの時間に加え大人どうしのつながりが生まれていることを感じました。

きっかけは1人のお父さんの投稿

そもそもこの取り組み。

きっかけは1人のお父さんのこんな投稿だったそうです。

tweet
「男親だけで子供連れてピクニックとか行きたい。あえて、参加表明とかせず、場所と大体の時間だけ設定してなんとなく集まって気が向いたら話しかけてみるとか。そんな感じのゆるいオフ会。公園とかにいってお父さん結構いるけど、話しかけにくいんだよね。なんとなく」。

投稿をしたのは2人の子どもを育てる「子育てとーさん」さん。

お話を聞いてみました。

「子育てとーさん」さん
「ほかのお父さんたちはどんな風に子育てをしているのだろう、同じような状況の人たちと話せたらいいのにとずっと思っていましたが、当時は子育ての催しにお父さんだけで飛び込む勇気がありませんでした。かといって、公園にいる知らないお父さんに声をかけるのもプレッシャーがあり、そんな思いもあって投稿しました」。

投稿から2か月後に初めて、都内の動物園での「#ゆるゆるお父さん遠足」を呼びかけ、合わせて5組が参加しました。

この「#」はその後も広まり、賛同したお父さんたちによって「遠足」はこれまでに各地で50回以上、開かれているそうです。

お母さんが一息つく時間も

お父さんと子どもだけでお出かけすることで、お母さんにとっては子どもと少し離れて一息つくことができます。

毎日子育てで余裕のないお母さんに、自由な時間が生まれるというよさもあるということです。

父親の子育て 当たり前に

「子育てとーさん」さんは、この遠足を通して男性の主体的な子育てが当たり前になってほしいと考えています。

「子育てとーさん」さん
「『準備はお母さんがしてお父さんは子どもを連れて行くだけ』ではなくて、準備も自分でやればちょっとした気付きになりますし、『子育ての手伝い』ではなくお父さんが主体的に子育てをするという風に少しでも変わっていけばいいなと考えていました」。

「#」から広がったお父さんたちのつながり。

全国のお父さんたちも「ゆるゆる」と気軽にやってみるのはどうでしょうか?

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