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2021年5月17日判決建設アスベスト集団訴訟

どんな
裁判か

  • 建設現場でアスベストを吸い込み病気になったとして元作業員と遺族が訴えた集団訴訟
  • 最高裁第1小法廷は国と建材メーカーの賠償責任を認めた
  • 全国の集団訴訟で初の最高裁判決で、被害者の救済が前進することになった

建設現場で働いていた元作業員たちが、建材のアスベストを吸い込み肺がんや中皮腫などの病気になったとして、国と建材メーカーに賠償を求めた集団訴訟。2008年から全国の裁判所に相次いで起こされ、原告は1200人余りにのぼり、一連の集団訴訟のうち、横浜・東京・京都・大阪の4地裁に起こされた裁判について、最高裁が初めて判決を言い渡しました。
最高裁第1小法廷は「国は1975年にはアスベストを使う建設現場に危険性があることや、防じんマスクを着用する必要があることを指導監督すべきだった。アスベストを規制しない違法な状態が1975年から2004年まで続いた」と指摘し、国の賠償責任を認めました。

また、個人で仕事を請け負ういわゆる「1人親方」についても「人体への危険は労働者であってもなくても変わらない。労働者に当たらない作業員も保護されるべきだ」と指摘し、国の責任を認めました。
一部の建材メーカーの賠償責任も認めましたが、メーカーごとの責任の範囲や賠償額については、高裁で審理し直すよう命じ、一部の原告はさらに裁判が続くことになりました。

被害者救済が前進

アスベストによる健康被害をめぐっては、建設現場で働いていた500人から600人が毎年、アスベストが原因の病気で労災認定を受けていて、健康被害を訴える人は増え続けるとみられています。原告の弁護団長は最高裁判決を受けて政府が示す和解案を受け入れる方針を明らかにし、被害者の救済が前進することになりました。

この裁判についての最高裁判所の資料はこちら(資料①資料②資料③資料④
(NHKサイトを離れます)

審査対象の裁判官たちの判断は

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