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2020年7月30日判決GPSでの位置情報把握は
ストーカー行為?

どんな
裁判か

  • GPS機器を相手の車に無断で取り付け位置情報を把握した行為が、ストーカー規制法で禁止された「見張り」に当たるかが争われた裁判
  • 最高裁は「見張り」には当たらないとする初判断を示した
  • ストーカー規制法にGPSに関する規定を設ける法改正につながった

福岡県の40代の男の被告は当時の妻の車にGPS機器を取り付け、約20日間、車の位置情報を取得したことがストーカー規制法違反の「見張り」に当たるとして罪に問われました。

最高裁第1小法廷は「ストーカー規制法では、『住居、勤務先、学校など、相手が通常いる場所の付近で見張り』をする行為を禁止している。GPS機器を使う場合でも相手の付近で動静を観察する行為が見張りに当たると解釈すべきだ」と指摘。その上で、GPS機器を使って車の位置情報を取得した行為だけでは見張りに当たらないとする初めての判断を示し、検察の上告を退けました。

法改正に一石

GPS機器が普及する一方で、相手の車や持ち物に取り付けて行動を把握しつきまとうなどの悪質な行為が相次いでいて、警察などへの相談も多くなっています。
しかし、判決当時、ストーカー規制法にはGPSに関する規定がありませんでした。
判決のあと、ストーカー規制法が改正され、2021年8月からは承諾無しに、GPSを使って位置情報を得たり、GPS機器をとりつけたりする行為も規制の対象になりました。

この裁判についての最高裁判所の資料はこちら(資料①資料②
(NHKサイトを離れます)

審査対象の裁判官たちの判断は