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証言台がない? そのワケは

最高裁の法廷に入ると、驚くかもしれません。証言台がないからです。刑事裁判の被告の席もありません。証人や被告が法廷に呼ばれることはないからです。

「多くは“門前払いに”」の記事でも触れたとおり、最高裁は、制度上、法的な判断に徹する役割を担っています。証人や被告から詳しい事情を聞く必要がないという前提に立っているので、席がないのです。また、弁護士や検察官も、裁判所に対して法的な意見を述べるだけなので、それぞれの席は裁判官の方を向いています。

これに対して、地裁や高裁の法廷は、当事者どうしが対峙する形になっています。役割の違いが法廷の構造にも表れているのですね。