政策比較ウクライナ・ロシア・NATO

「ウクライナ・ロシア・NATO」について、バイデン氏とトランプ氏それぞれの主張は。

バイデン大統領
バイデン大統領

ウクライナ支援継続必要と強調

トランプ前大統領
トランプ前大統領

ウクライナ支援で微妙に変化
NATOのあり方見直す考え

政策の詳細

バイデン大統領
バイデン大統領

ウクライナへの軍事支援について、2024年3月に行った一般教書演説の中で「歴史が見ている。アメリカが手を引けば、ウクライナは危険にさらされる。ヨーロッパも危険にさらされる。自由な世界が危険にさらされ、われわれに危害を加えることを望むものたちを勇気づけることになる」と述べ、支援の継続の必要性を訴えた。

6月には、イタリアで開かれたG7サミットにあわせて、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、今後10年にわたり兵器生産能力の拡大への支援や情報機関の協力などを通じてウクライナの安全の確保を目指す2国間の安全保障協定に署名した。

NATOについては加盟国が攻撃を受けた場合、加盟国全体への攻撃とみなして反撃などの対応をとる集団的自衛権の行使を定めた条約の第5条を「神聖な義務だ」と繰り返し述べている。

2月の会見で「私が大統領であるかぎり、プーチンがNATOの同盟国に対して攻撃をすればアメリカはNATO加盟国の領土を守り抜く」と訴え、同盟国としての役割を果たしていくと強調している。

トランプ前大統領
トランプ前大統領

事実上の公約「アジェンダ47」の中で「兵器も備蓄も空っぽだ。“いかさまバイデン”はアメリカを第3次世界大戦に引きずり込もうとしている」と述べて、ウクライナ支援の継続に消極的な姿勢を示してきた。

しかし、アメリカ議会で緊急予算がまとまらず、追加の軍事支援が滞っていた4月、有償の支援であれば、支援の継続を認める考えを示し、支援をめぐる主張は微妙に変化している。

ロシアとウクライナとの戦闘については「すべての銃撃を止めなければならない」として具体的な方法は示していないが、戦闘の速やかな停止が必要だと主張している。

NATOについては、アジェンダ47の中で「われわれはみずからの政権下でNATOの目的と任務の根本的な見直しを始めたが、そのプロセスを完了させなければならない。西洋文明にとって最大の脅威はロシアではない」と述べ、NATOのあり方を見直す考えを強調している。

また、NATO加盟国の多くが、アメリカに防衛を依存しているなどと批判し、相応の費用的な負担がなければ加盟国が攻撃を受けても防衛しない構えを示している。