大統領選までの長い道のり 仕組み

4年に1度行われるアメリカの大統領選挙には2つの段階がある。

1つは、民主・共和の各党が、大統領候補を絞り込んでいき、最終的な候補を決める手続き。
そしてもう1つが、党の候補者どうしが大統領の座をかけて争う本選挙だ。

目次

    どうやって党の候補者を決める?

    このうち、党の大統領候補を決める手続きは、全米の50州と首都ワシントンの特別区などで「党員集会」や「予備選挙」を行って進められる。
    (※「党員集会・予備選挙」参照)。

    候補を決める「代議員」

    「代議員」は、各州の人口の規模などに応じて割りふられる。
    候補者たちは、各州の予備選挙や党員集会の結果に準じて「代議員」を獲得していく。
    こうした「代議員」が、全国党大会で最終的に投票し、各党の大統領候補を決める。
    そして、党の大統領候補の指名を受けるには、獲得した代議員の数が、過半数に達しなければならない。

    スーパーチューズデー

    予備選挙や党員集会が集中する日が、「スーパーチューズデー」。
    大統領候補を絞り込むヤマ場となる。

    この日の結果次第では、候補者が戦い続けるのか、それとも退くのか、判断が迫られる。
    過去の選挙では、多くの場合、この「スーパーチューズデー」で候補者が事実上絞り込まれてきた。

    今回の「スーパーチューズデー」は、2020年3月3日。
    14の州で予備選挙などが行われ、代議員のおよそ3分の1が決まる。

    党の代表決める党大会

    民主党の全国党大会(2016年7月)

    各州の「党員集会」や「予備選挙」の結果を受けて、夏に行われる各党の全国党大会で、大統領候補と副大統領候補が、正式に指名される。
    そして、指名されたそれぞれの党の候補者どうしが大統領の座をかけて争う「本選挙」に臨む。

    本選挙は、2020年11月3日

    本選挙は、どんな仕組みなのか…

    民主・共和両党の候補者は、各州に割り当てられた「選挙人」を獲得していく。
    「選挙人」は、候補者に投票すると誓った人のことをさす。
    「選挙人」の総数は538人。
    大統領に選ばれるには、この過半数の270人を獲得する必要がある。

    ほとんどの州では、州全体の得票数が最も高い候補者がすべての選挙人を獲得する「勝者総取り方式」を採用している。
    このため、人口の多い重要な州をより多く制した候補が有利となる。

    「本選挙」が行われる日程は、連邦法で「11月の第1月曜日の翌日の火曜日」と定められていて、今回は2020年11月3日に行われる。

    (国際部記者 松尾恵輔)