新型コロナ 世界からの報告
コロナで停止 中国と北朝鮮間の貨物列車
約5か月ぶり運行再開

2022年9月26日

新型コロナウイルスの影響で、2022年4月から運行を停止していた中国と北朝鮮の間を結ぶ貨物列車が、およそ5か月ぶりに運行を再開しました。北朝鮮では、10月に朝鮮労働党の創立記念日を控える中、経済の立て直しを急いでいるものとみられます。

複数の中朝関係筋によりますと、中国東北部の遼寧省の丹東と北朝鮮北西部のシニジュ(新義州)を結ぶ貨物列車が9月26日午前、運行を再開しました。

中朝間の貨物列車をめぐっては、新型コロナ対策としての北朝鮮側の国境封鎖で、2020年から運行を停止し、2022年1月に運行を再開しました。

しかし、その3か月後の2022年4月下旬に中国側で感染が広がり、再び運行を停止していて、およそ5か月ぶりに運行を再開した形です。

関係筋によりますと、毎日運行はせず、1か月に数回の頻度で当面、運行する予定だということです。

北朝鮮は8月、新型コロナをおよそ3か月で抑え込んだとして「勝利宣言」を行う一方、中朝間の貿易量は回復せず、キム・ジョンウン(金正恩)総書記は9月、演説の中で「国民生活の安定に向けて食と消費財の問題を解決することが急務だ」と述べていました。

北朝鮮は、ロシアとの間の貨物列車についても9月中に運行を再開する見通しを明らかにしていて、10月10日に朝鮮労働党の創立記念日を控える中、経済の立て直しを急いでいるものとみられます。

中国外務省報道官「両国の友好関係の発展に貢献」

これについて、中国外務省の汪文斌報道官は9月26日の記者会見で「両国の友好的な協議を経て丹東とシニジュを結ぶ貨物輸送の再開を決定した」と述べました。

そのうえで「貨物輸送の安全で安定的な運行を積極的に保障し、両国の友好関係の発展に貢献する」と述べ、協力を強化していく考えを示しました。