新型コロナ 世界からの報告
イタリア 接種証明の携帯義務化
反対の人たちが大規模抗議デモ

2021年10月10日

イタリアで、働くすべての人に新型コロナワクチンの接種証明などの携帯が10月15日から義務づけられるのを前に、これに反対する人たちの大規模な抗議デモが首都ローマで行われました。

イタリア政府は、新型コロナワクチンの接種を加速させ、感染の拡大を食い止めるため、働くすべての人にワクチンの接種証明または検査による陰性証明などの携帯を義務づけることを9月決めました。

違反者には出勤停止の処分や、悪質な場合は罰金も科すとしています。

義務化が始まる10月15日を前に、ローマでは10月9日、これに反対する人たちが抗議デモを行い、地元メディアは1万人以上が参加したと伝えています。

参加者たちは広場を埋め尽くし、一斉に「自由を!」などと声をあげたり、道路に座り込んで抗議の意思を示したりし、当局が放水車などを使って排除に乗り出していました。

このほか、一部の参加者は、労働組合が義務化を支持しているとして、組合の事務所に押し入ろうとするなど、騒然とする場面もみられました。

これに対しドラギ首相は「みずからの考えを表明する権利を、攻撃や脅迫をする後ろ盾としてはならない」などと非難しています。

イタリアでは、ワクチンの接種対象者のうち接種を終えた人は10月9日の時点でおよそ80%に上り、1週間当たりの新規感染者数は、最も多かった2020年11月の10分の1以下に減っていますが、イタリア政府は引き続きワクチン接種の促進に取り組むとしています。