新型コロナ 世界からの報告
上海 6月1日に外出制限を事実上解除へ
正常化進めるとアピール

2022年5月31日

新型コロナウイルスの感染対策で厳しい外出制限が続く中国の上海で、6月1日から大部分の住民の外出が認められ、制限は事実上、解除される見通しです。当局は社会の正常化を進めるとアピールしています。

中国の上海では新型コロナウイルスの感染拡大で、一日の感染者数が一時、2万人を超えていましたが、厳しい外出制限を2か月余り続けた結果、5月30日はおよそ30人となりました。

こうした中、上海市当局は、最近感染者が確認された一部の地区を除いて、現地時間の6月1日午前0時、日本時間の6月1日午前1時から、全体のおよそ9割に当たる2200万人余りの住民の外出を認める方針を示し、制限は事実上、解除される見通しとなりました。

上海市の宗明副市長は5月31日の記者会見で、住民の努力によって感染が抑えられているとしたうえで、「市内全域で正常な生産活動や住民の生活を全面的に再開させる段階だ」と強調しました。

また地下鉄や路線バスの運行をほぼ全線で再開するほか、自家用車の使用も認めるとして、社会の正常化を進めるとアピールしました。

ただ外出制限の長期化による経済への影響は深刻で、SNS上では、「2か月間をむだにしてしまった」とか、「今後、いつでも封鎖される可能性があり、勝利ではない」といった当局に批判的な意見も出ています。