新型コロナ 世界からの報告
WHO事務局長
“中国の「ゼロコロナ」政策 持続可能と思えず”

2022年5月11日

WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は5月10日、中国が続けている、新型コロナウイルスの感染を徹底して抑え込む「ゼロコロナ」政策について「持続可能とは思えない」として、別の対策に移行することが必要だとの考えを示しました。WHOが各国の新型コロナ対策を評価するのは異例です。

中国の習近平指導部は、新型コロナウイルスの感染を徹底して封じ込める「ゼロコロナ」政策を続けていて、感染拡大が続く上海では市内各地で厳しい外出制限が続けられています。

こうした中国の「ゼロコロナ」政策について、WHOのテドロス事務局長は5月10日の記者会見で「持続可能とは思えない」と述べました。

そして「ウイルスは進化し感染力が強まっているため、対策を変えていくことが重要だ」として、感染拡大の初期とは違う状況を踏まえて、別の対策に移行することが必要だとの考えを示し、中国の専門家ともやり取りの中でそうした考えを伝えたことを明らかにしました。

このほかWHOで危機対応を統括するライアン氏も「新型コロナ対策と、社会や経済に与える影響のバランスをとる必要がある」と述べ、人権や人々の生活への影響を考慮すべきだという考えを示しました。

WHOが、各国の新型コロナ対策を評価するのは異例です。

官房長官「在留邦人や日本企業への支援 しっかり行う」

松野官房長官は午前の記者会見で「中国では新型コロナへの対応として当局が厳しい外出制限措置などを実施し、市民生活や経済活動に影響が出ている。こうした状況を受けて日本政府としても、現地の日本大使館や総領事館を通じて邦人援護や日本企業の活動に対する支援を行ってきた。今後とも状況を注視しつつ、在留邦人や日本企業への支援をしっかりと行っていく」と述べました。