新型コロナ 世界からの報告
上海 新たな感染者3000人下回る
SNSでは強制的な隔離に批判も

2022年5月10日

新型コロナウイルスの感染拡大で厳しい外出制限が続く中国の上海では、5月9日の新たな感染者がおよそ1か月半ぶりに3000人を下回りました。一方、SNS上では、住民の隔離に関する当局の厳しい対応に批判の声もあがっています。

上海市当局は5月9日、一日の感染者が、無症状の人が2780人で、症状のある人が234人だったと発表しました。

症状のある感染者には、当初は無症状でその後、症状が出た人も含まれ、これを差し引くと、新たな感染者は2858人としています。

一日の感染者数が3000人を下回るのは、厳しい外出制限が本格的に始まる前の、2022年3月26日以来、およそ1か月半ぶりです。

一方、上海では外出制限が各地で続いているほか、SNS上では「濃厚接触などをしていなくても、感染者と同じマンションという理由で当局が住民を強制的に隔離施設に移送している」という批判が出ています。

また、憲法を専門とする上海の大学の教授が、SNS上で「住民を強制的に隔離施設に移送するのは違法だ」と批判したところ、その後、投稿は削除され、アカウントも使用停止の措置が取られました。

当局は5月10日の会見で、マンションのキッチンやトイレを共同で使用している場合などは、隔離対象になる可能性があるとして、引き続き厳しい対応を続ける姿勢を示しました。

その一方で「現場でリスクを適切に判断し一律な対応は行わない」と説明し、批判の広がりに神経をとがらせているとみられます。