新型コロナ 世界からの報告
上海 外出制限続きトラック運転手不足
日本への部品供給滞る

2022年4月9日

新型コロナウイルスの感染拡大で厳しい外出制限が続く中国・上海では貨物トラックの運転手が不足し物流の混乱が深刻になっていて、日本への部品の供給が滞る要因にもなっています。

新型コロナの感染拡大に歯止めがかからない上海では厳しい外出制限が続いていて、日本で自動車の生産が一時、停止するなど影響が広がっています。

この要因の一つになっているのが物流の混乱です。現地で事業を行う日系の物流会社によりますと、コンテナの取り扱い量が世界最大で日本への輸出の拠点にもなっている上海港に貨物を届ける運転手が不足しているということです。

これは感染対策によって運転手の多くが自宅で隔離となっているうえ、勤務できたとしても陰性証明などを提出し当局の許可を得なければならないためです。

また、部品メーカーが集積する江蘇省など周辺の地域では、感染対策のため上海を通行したことがある運転手や車の立ち入りが許可されないところがあり、部品を受け取りに行くのが難しい状況だということです。

上海丸協運輸営業部の田中秋広部長は「規制が強化され、日々、状況が悪化している印象です。今後、出勤できる運転手はさらに限られてますます物流が滞ることが懸念され、先が見通せません」と話しています。

上海では一日の感染確認が2万人を超える中で外出制限の解除の時期は示されておらず、サプライチェーン=供給網の混乱が長期化することへの警戒感が強まっています。