新型コロナ 世界からの報告
カナダ 緊急事態法 初の発動
ワクチン接種義務化の抗議デモで

2022年2月15日

カナダのトルドー首相は、新型コロナウイルスのワクチン接種の義務化に抗議するデモが各地で続いていることを受けて、事態を収束させるため、政府に一時的に特別な権限を与えることを可能とする緊急事態法を発動したと明らかにしました。

地元メディアによりますと、この法律が発動されるのは初めてだということです。

カナダでは、アメリカとの国境を越えて移動するトラックの運転手に新型コロナウイルスのワクチン接種を義務づけたことをきっかけに政府に対する抗議活動が各地で続いていて、活動に参加したトラックで国境の橋や道路が封鎖され、物流が滞るなどの影響が出ています。

こうした中、カナダのトルドー首相は2月14日の記者会見で「われわれには国境の橋を通れるようにしておく責任がある。違法で危険な行為を続けさせるわけにはいかない」と述べ、事態を収束させるため、政府に一時的に特別な権限を与えることを可能とする緊急事態法を発動したと明らかにしました。

地元メディアによりますと、この法律の発動は1988年の制定以来、初めてだということで、警察の権限を強化して危険な抗議活動をより厳しく取り締まれるようになるほか、道路を塞ぐ車両の強制的な撤去などが可能になるということで、実際に事態の打開につながるかが焦点となります。