新型コロナ 世界からの報告
カナダ 接種義務化への抗議デモが拡大
東部で非常事態宣言も

2022年2月12日

カナダでは、国境を越えて移動するトラック運転手へのワクチン接種の義務化に抗議するデモが各地に拡大しています。
アメリカとの国境の橋が、一部通れなくなるなど物流にも影響が出ていて、東部オンタリオ州の首相は2月11日、非常事態を宣言しました。

カナダの首都オタワでは、政府が新型コロナウイルスの感染拡大の防止策として、アメリカとの国境を越えて移動するトラックの運転手にワクチン接種を義務づけたことに対し、1月末からトラック運転手や市民による大規模なデモが続いています。

オタワでは、2週間が過ぎた今も多くのトラックが議会周辺の道路をふさいで、市民生活に影響が出ているほか、オタワのあるオンタリオ州とアメリカ側を結ぶ橋の一部が通れなくなり、物流が滞ったことから自動車メーカーの現地工場が減産を余儀なくされる事態ともなっています。

こうした状況を受け、オンタリオ州のフォード首相は2月11日「これは抗議行動ではなく不法占拠だ」と述べて、非常事態を宣言するとともに道路の通行の妨害などに対しては最高で10万カナダドル、日本円にして900万円余りの罰金か1年の禁錮刑を科すと警告しました。

また、トルドー首相も州の方針を支持する考えを示しましたが、トラック運転手などは断固としてデモを続ける構えで、混乱が収まる見通しはたっていません。