新型コロナ 世界からの報告
恐怖や孤独を訴える相談
世界で増加 コロナ感染拡大で

2021年11月18日

新型コロナウイルスの感染が広がって以降、恐怖や孤独を訴える相談件数が世界的に増加していたことが、ヨーロッパの研究グループの調査で分かりました。調査からは、経済的な支援が行われた時期に相談件数が減少したことも明らかになり、政府による支援策の重要性を裏づける形となっています。

ヨーロッパの研究者でつくるグループは、フランスやアメリカ、中国など19の国と地域で、2019年から2021年にかけて、行政などが設ける相談窓口に寄せられた問い合わせの内容、800万件を分析しました。

その結果、相談件数は各国で感染拡大が始まってから6週目をピークに高い水準となり、感染が広がる以前に比べて35%増えたということです。

相談内容は「恐怖」や「孤独」が多くを占め、各国で感染が広がり、経済活動が停止に追い込まれる中、多くの人が厳しい精神状態に置かれていたことが浮き彫りとなりました。

またドイツとフランスでは、厳しい行動制限の措置がとられた時期に自殺に関する相談が増え、政府による支援策が行き届いてからは、減少に転じていたということです。

研究グループは調査結果について「公的な補償は経済的に厳しい状況を和らげるだけでなく、幅広い効果があることを示している」とし、政府による支援は人々の精神状態の安定にもつながるとして、その重要性を裏づける形となっています。