2021年6月24日
東京都のモニタリング会議で、専門家は都内の新規陽性者数の増加比が大きく上昇していて、感染の再拡大の予兆が見られると指摘しました。そのうえで、変異ウイルスの影響を踏まえると急激な感染拡大の可能性があると危機感を示しました。
会議のなかで専門家は、都内の感染状況と医療提供体制をいずれも4段階のうち最も高い警戒レベルで維持しました。
新規陽性者の7日間平均は、6月23日時点でおよそ418人となり、およそ376人だった1週間前・6月16日時点の111%でした。
新規陽性者数の増加比は先々週が80%、先週が97%と100%を下回っていたのが、今週は111%となり2週続けて大きく上昇していて、専門家は「感染の再拡大の予兆が見られる」と指摘しました。
そのうえで、年末から年明けにかけての「第3波」では、新規陽性者数の7日間平均が今回とほぼ同じ400人前後でおよそ3週間推移したあと、爆発的に感染が再拡大したとして、変異ウイルスの影響を踏まえると第3波を超える急激な拡大の可能性があると危機感を示しました。
そして、これまで以上に人の流れを抑え感染防止対策を徹底し、急激な再拡大を阻止しなければならないと指摘しました。
一方、6月23日時点で入院患者は1301人、重症の患者は44人と、いずれも減少しました。
ただ、専門家は医療機関はおよそ1年半にわたり治療に追われているうえ、現在は多くの人材をワクチン接種に充てていて負担が増しているとして、新規陽性者の急激な増加で医療提供体制のひっ迫が危惧されると指摘しました。
総括コメント 「感染状況悪化に強い危機感」
都のモニタリング会議では都内の感染状況と医療提供体制について専門家が評価・分析し、その結果を「総括コメント」として毎週公表しています。
このうち、感染状況は2020年11月19日に4段階のうち最も高い警戒レベルに引き上げられました。
「総括コメント」では、6月4日の会議から「再拡大の危険性が高いと思われる」と指摘されています。
さらに「総括コメント」を補足する具体的なコメントでは、2週間前、6月10日の会議で「新規陽性者数が十分に下がりきっていない」、1週間前、6月17日は「新規陽性者数は下げ止まっている」と指摘されていました。
そして、6月24日「感染の再拡大の予兆が見られる」と指摘され、都内の感染状況が悪化していることに強い危機感が示されました。