“4週間後には一日3万人近く感染おそれ”
都モニタリング会議

2022年12月15日

東京都のモニタリング会議で、専門家は、感染拡大が続くと4週間後には、一日の新規感染者数が、今の倍の3万人近くになるおそれがあるとして、警戒を呼びかけました。

都は12月15日、都内の感染状況と医療提供体制を専門家が分析・評価するモニタリング会議を開き、いずれも警戒レベルを上から2番目に維持しました。

会議では、新規感染者の7日間平均は、12月14日時点で1万4290人で、前週比でおよそ120%となり、7週連続で100%を上回っていることが報告されました。

また、入院患者数も3764人と、前週比で463人増えました。

専門家は、このままのペースで感染が拡大すれば、

一日の感染者数が、
▽2週間後には今の1.4倍にあたる2万人、
▽4週間後には2倍にあたる2万9000人を上回るとの予測を示しました。

また、都が行っている変異ウイルスの検査で、11月下旬にはオミクロン株のうち主流となっている「BA.5」の割合がおよそ7割まで減少し、オミクロン株の一種で免疫から逃れやすいとされる「BQ.1.1」などの新たな変異ウイルスに置き換わりが進んでいることが報告されました。

国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「気候が寒くなり換気がされなくなることや、新しい変異株への置き換わりが進むことで、感染者が急激に増えるリスクを想定せざるをえない」として警戒を呼びかけました。

年末年始の診療・検査体制を強化へ

また会議で専門家は「新規陽性者数の増加傾向が続く中、年末年始に向けて感染が一気に拡大する可能性がある」と指摘しました。

こうしたことから、都は、年末年始の診療・検査体制を強化することにしています。

具体的には、新型コロナやインフルエンザの発熱外来について、12月29日から1月3日にかけて、12の都立病院で診療スペースを整備し、平日と同じ程度の、一日で合わせておよそ1000人を診療できる体制にするということです。

診療時間は、午前9時から午後5時までで、事前に病院への連絡が必要だということです。

また、帰省や旅行する人向けに、12月24日から1月12日にかけて、東京駅や品川駅など、移動の中心となる8つの駅やバスターミナルで、臨時の無料検査場を設けることにしています。

小池知事は「年末に向けて人の動きが活発になる中、医療機関の休診が増えることで不安に感じる都民も多いと思うが、関係者としっかり連携して万全な体制を構築したい」と話していました。