都内 医療体制 警戒引下げも
「BA.2」へ置き換わり急速 警戒を

2022年3月24日

東京都のモニタリング会議で専門家は、入院患者や重症患者が減少傾向にあるなどとして、4段階ある医療提供体制の警戒レベルを最も深刻なレベルから1段階引き下げました。ただ、都内ではオミクロン株の一種で、現在広がっているウイルスよりも感染力が高いとされる「BA.2」と呼ばれる系統のウイルスへの置き換わりが急速に進んでいることから、再拡大への警戒を呼びかけています。

3月24日の会議で専門家は、4段階ある都内の医療提供体制の警戒レベルを、これまでの最も深刻なレベルから1段階引き下げました。

警戒レベルが上から2番目のレベルになるのは、およそ2か月ぶりです。

そして、医療提供体制の警戒レベルに関する分析コメントを、先週までの「通常の医療が大きく制限されている」から、今週は「通常の医療が制限されている状況である」に変更しました。

専門家は引き下げの理由について、都内の新型コロナの入院患者が23日の時点で2258人と、1週間前から559人減るなど、入院患者や重症患者が減少傾向にあることを挙げています。

ただ、入院患者や重症患者に占める高齢者の割合は依然として高い値で、医療機関では多くの人手を要しているため、動向を注視する必要があるとしています。

一方、感染状況について専門家は、4段階のうち最も深刻なレベルを維持しました。

その理由について、オミクロン株の一種で、現在広がっているウイルスよりも感染力が高いとされる「BA.2」と呼ばれる系統への感染の疑いがある人の割合が、都のスクリーニング検査では3月14日までの1週間で38.5%となり、前の週から20.7ポイント上昇していることを挙げています。

専門家は「新規陽性者は緩やかな減少傾向にあるが『BA.2』系統への置き換わりが急速に進んでいる」として、再拡大への警戒を呼びかけています。