兵庫県 井戸知事
「まん延防止措置」対象地域拡大を検討

2021年4月14日

兵庫県の井戸知事は、県内での感染の急拡大を受けて、現在、神戸市など4つの市が対象となっている「まん延防止等重点措置」の地域に伊丹市や宝塚市、それに明石市などを加えることを検討する考えを示しました。

兵庫県内では4月14日、これまでで最も多い507人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。

これについて、井戸知事は「感染者数が急上昇しているのが実情で、医療体制が危機的な状況であることは間違いない。これからも厳しい状況が続く可能性がある」と述べて、強い危機感を示しました。

そのうえで「感染者が急上昇している地域の実情をよく分析したうえで『まん延防止等重点措置』の範囲も検討課題として、吟味していく」と述べて、現在、神戸市など4つの市が対象となっている「まん延防止等重点措置」の地域に伊丹市や宝塚市、それに明石市などを加えることを検討する考えを示しました。

県は4月15日、緊急の対策本部会議を開いて検討することにしています。

一方、井戸知事は3回目の緊急事態宣言を発出するよう国に要望するかについては「さらなる規制の強化を要請するかの判断には時期尚早だ」と述べて、慎重な考えを示しました。

感染等対策室長「医療崩壊が目前 感染対策に協力を」

兵庫県感染等対策室の山下輝夫室長は記者会見で、1日の感染者数としては過去最多の507人の感染が確認されたことを受けて「想像よりもはるかに感染拡大のスピードが速い、重症患者の増加も速い。危惧していた医療崩壊が目前に迫っており、このままでは多大なる犠牲を払うことになる」と述べ危機感をあらわにしました。

そのうえで山下室長は「今、広がっているのは変異株で感染力も強い。距離を取る、不急の外出は避けるなど今までとやることは同じでも、今まで以上に行動を厳格に変容していただかなければならない。医療現場は血のにじむ努力をしており、県民は心を一つにして感染対策に協力してほしい」と強い口調で呼びかけました。