大阪府が「医療非常事態宣言」
病床ひっ迫 医療崩壊のおそれ

2021年4月7日

大阪府内で新型コロナウイルスの感染が急拡大し、重症患者用の病床のひっ迫度合いが高まっていることを受けて、大阪府は、このままの状況が続けば医療崩壊につながるおそれがあるとして、府として医療非常事態宣言を出しました。

大阪府内では新型コロナの感染が急拡大し、重症患者用の「病床使用率」が66.5%に達するなど、ひっ迫度合いが高まっています。

これを受けて、大阪府は4月7日午後、対策本部会議を開き、吉村知事は「これまでにない速度で感染の急拡大が続き、重症化も早くなっている。明らかに変異株の影響が確実に出ている。医療体制が非常に厳しい状態になっており、医療非常事態宣言を出したい」と述べました。

また、感染の急拡大で重症病床の使用率が、4月7日にも70%を超える可能性があることや、変異ウイルスに感染した人はまだ少ないものの、短期間で重症化する傾向があることなどが報告されました。

そして、会議では、このままの状況が続けば医療崩壊につながるおそれがあるとして、独自の指標「大阪モデル」で赤信号を点灯させるとともに、府として医療非常事態宣言を出しました。

そのうえで、府民に対し、会食は4人以下でマスクを着用することや、歓送迎会や宴会などは控えるよう、改めて強く求めるとともに、大阪府内の全域で不要不急の外出や移動を自粛するよう要請することも決めました。

大阪府 追加での病床確保を緊急要請

大阪府は、新型コロナウイルスの重症患者用の病床について、感染の急拡大で、現在確保している224床では不足するおそれがあるとして、大学病院などに対し、追加で病床を確保するよう緊急に要請しました。

要請では、重症患者用の病床について、▽府内の5つの大学病院に対し、関連病院も含め、合わせて30床程度を追加で確保するよう求めているほか、▽重症患者を受け入れているそのほかの病院に対しても規模に応じて、合わせておよそ40床の確保を求めています。

また府では、現在1766床を確保している軽症や中等症の患者の病床についても、今後、不足するおそれがあるとして、患者を受け入れている各病院に対し、合わせておよそ350床を確保するよう、緊急に要請する方針です。

さらに、二次救急を受け入れている病院に対しても、救急搬送された患者の感染が判明した場合は、そのまま入院させて治療を行うよう要請する方針です。