1都3県 緊急事態宣言の扱い 首相
「もうしばらく時間かけたい」

2021年3月16日

1都3県の緊急事態宣言の扱いについて、菅総理大臣は、病床の使用率などの客観的な数字を参考にしながら、専門家の意見を聴いて判断するとして「もうしばらく時間をかけたい」と述べました。

3月21日が期限となっている首都圏の1都3県の緊急事態宣言をめぐり政府は、3月18日にも感染症などの専門家でつくる諮問委員会を開いて意見を求めたうえで、解除すべきかどうか判断する方向で調整を進めています。

これに関連して菅総理大臣は、東京都内で記者団に対し「まず発症数や病床の使用率などの客観的な数字を参考にしながら専門家の先生方の意見を聴く中で判断していきたい。もうしばらく時間をかけたいと思っている」と述べました。

官房長官「宣言の運用はこれまで『1都3県を全体として対応』」

加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「緊急事態宣言の解除に向けた感染状況について、1都3県の知事がそれぞれ発言していることは報道で承知しているが、宣言の運用にあたっての1都3県の取り扱いは、これまでも1都3県を全体として対応してきたので、政府としては、そうした経緯も踏まえて検討していくことになる」と述べました。

田村厚労相「新規感染者は解除のレベル 問題は医療提供体制」

田村厚生労働大臣は、閣議のあと記者団に対し「新規感染者数は、十分に解除のレベルではあるが、問題は医療提供体制だ。安定的に『ステージ3』に入ってきているかどうか、専門家会議などでも判断してもらいながら決定したい」と述べました。

そのうえで変異ウイルスの検査体制について「『少なくとも陽性者の5%から10%は検査してほしい』と申し上げているが、変異株が出たところは、さらに率を上げてほしい。『日本でも、いつかは変異株のほうが多くなってくるだろう』と指摘されており、なるべくそれを遅らせつつワクチンや医療提供体制を整備したい」と述べました。

西村経済再生相「感染再拡大防ぐ体制も見極め判断」

西村経済再生担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、1都3県の状況について、医療提供体制は改善しているものの、新規感染者数は横ばいか、微増傾向にあると指摘しました。

そして諮問委員会では、感染状況の指標に加え、変異したウイルスを検出する検査や、無症状者への幅広い検査など、感染の再拡大を防ぐ体制も見極めたうえで判断するという考えを示しました。

一方、宣言を解除した地域で無症状者を対象に実施しているPCR検査について、3月14日までに8100余りの検査キットを配布し、結果が出た1600件余りのうち、陽性は6件だったことを明らかにしました。

西村大臣は「1日1万件程度を目指して検査を増やしていく。1都3県でも準備が整い次第、できるだけ早く開始し、再拡大の兆しをつかみ、感染を封じ込めていく」と述べました。