新型コロナ 専門家
“実際の感染状況 反映していない可能性”

2023年1月4日

新型コロナの新規感染者数は、1月4日までの1週間では前の週と比べて、全国で0.68倍と減少傾向となっていますが、専門家は実際の感染状況が反映されていない可能性があり、注意が必要だと指摘しています。

現在の感染状況について、感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「年末年始の時期は、多くの医療機関が閉じていて検査数が少なく、今の数字が現状を表しているとは思えない。行動制限がない年末年始で旅行者や外で飲食する人の数は、過去2年よりかなり多かったはずで、今後、一定の時間がたって感染者の報告が急増しないか、注意深く推移を見る必要がある」と話しています。

さらに全国的にインフルエンザが流行期入りしたことについて「懸念されていた新型コロナとインフルエンザの同時流行が起きていると考えるべきだ。過去2年、インフルエンザの流行がなく免疫が落ちているため、感染者数はかなり増えてくる可能性がある。症状だけでコロナとインフルエンザを区別することはできず、発熱などの症状があれば、まずはコロナを疑って検査キットなどで自主検査し、陰性ならインフルエンザを疑って、必要があれば受診するなどの対応が必要だ。医療がひっ迫するおそれもあり、解熱鎮痛剤や検査キットをあらかじめ用意しておくなど事前に備えを進めてほしい」と指摘しました。

そして、仕事や学校の再開時の注意点として、濱田特任教授は「発熱など体調が悪ければ、できるかぎり休んでほしい。長期休暇のあと体調不良で休むことは言いだしにくいと思うが、感染拡大を防ぐために職場や学校の側も『体調悪ければ休暇を』というメッセージを積極的に伝えてほしい」と述べました。