新型コロナ「新しい波に入りつつある」
尾身会長 首相と会談後

2022年11月10日

新型コロナウイルスの感染者数が増加してきているのを受け、政府分科会の尾身茂会長ら専門家が11月10日午後、岸田総理大臣と会談しました。会談後、尾身会長は「新しい感染の波に入りつつある」と述べ、感染拡大の第8波に入りつつあるという認識を示し、11月11日開かれる新型コロナ対策分科会で、さらに拡大した場合の対策について議論する考えを示しました。

尾身会長は11月10日午後、厚生労働省の専門家会合の脇田隆字座長などとともに総理大臣官邸を訪れ、岸田総理大臣と会談しました。

尾身会長によりますと、会談では今後も感染者数の増加傾向が全国的に続き、医療体制のひっ迫が起こりえると説明したということです。

そして、医療体制の強化やオミクロン株に対応したワクチン接種を進めること、抗原検査キットを自宅で使えるようにするといった対策を進めてきたとしたうえで、換気を含めた基本的な感染対策の徹底を改めて呼びかけるよう訴えたとしています。

また、対策を取っても医療のひっ迫が起きた場合の対応について、11月11日開かれる政府の新型コロナ対策分科会で議論するとしたうえで、国民に対して分かりやすく納得感のある情報発信をすることが大事だと岸田総理大臣に伝えたということです。

会談のあと取材に応じた尾身会長は「北海道など感染拡大が明らかな地域があり、全国的にみてスピードの差はありつつも感染は拡大傾向にある。新しい波に入りつつあると言ってもいいんじゃないか」と述べ、感染拡大の第8波に入りつつあるという認識を示しました。

そのうえで尾身会長は「高齢者についてはオミクロン対応のワクチン接種が比較的順調に進んでいるが、若い人は必ずしも進んでない。今後、感染が広がっていくことは覚悟するしかないので、深刻な医療ひっ迫を抑えるためにはどうすべきかあすの分科会で議論したい」と述べました。

松野官房長官「先手先手で対応していきたい」

松野官房長官は午後の記者会見で「新規感染者数は全国的に増加傾向となっている一方、現時点ではことしの夏の感染拡大時より急激な増加にはなっていない。大規模な全国的な感染拡大につながる可能性もあることから、緊張感を持って感染動向を注視していく」と述べました。

そのうえで「感染拡大やインフルエンザとの同時流行にも備え、発熱外来や健康フォローアップセンターの拡充などに取り組み、都道府県に11月中の外来医療体制の整備をお願いしている。事前の準備や重症化リスク別の行動を促すなど、先手先手で対応していきたい」と述べました。