11月の貿易収支
5か月連続黒字も輸出額は前年比減少幅拡大

2020年12月16日

11月の日本の輸出額は、去年の同じ月を4.2%下回りました。新型コロナウイルスの感染が世界的に再び拡大しているためアメリカ向けの輸出などが減少に転じたためです。

財務省が発表した貿易統計によりますと、11月の日本の輸出額は、去年の同じ月を4.2%下回って6兆1136億円でした。

地域別に見ますと、アメリカへの輸出は航空機部品などが減って2.5%下回り、3か月ぶりに減少に転じたほか、アジア向けでは重油や軽油などの鉱物性燃料や鉄鋼などが減って4.3%下回り、2か月ぶりに減少しました。

また、EU=ヨーロッパ連合向けの輸出は、自動車などが減って2.6%の減少となっています。

中国への輸出は、銅などの非鉄金属や自動車などが伸びて3.8%増加しましたが伸びは鈍化しています。

新型コロナの影響で減少が続いている日本の輸出額はことし5月を底に持ち直しの動きがみられ、10月はほぼ前年並みの水準まで回復していましたが、財務省は、世界的に感染が再び広がっていることなどから減少幅の拡大につながっているのではないかとしています。

一方、11月の輸入額は、去年の同じ月を11.1%下回る5兆7469億円となり、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、3668億円の黒字で5か月連続の黒字でした。