格を上げて次のワールドカップを迎えたい

冨安健洋

サッカー #自分を奮い立たせたいとき

サッカーのワールドカップカタール大会。
日本は1次リーグで優勝経験のあるドイツやスペインを破る快進撃を見せた。

24歳のディフェンダー、冨安健洋は持ち味であるフィジカルの強さを生かして守備でチームの勝利に貢献した。

世界最高峰の1つ、イングランドプレミアリーグ、アーセナルでもまれた技術と経験を大舞台で発揮した。
チームは目標のベスト8に届かず、ベスト16で大会を終えたが、冨安の耳には「よくやった」「頑張った」とねぎらいの声が届いた。

だが、本人の受け止めは違った。

「はっきり言って悔しい大会になった。ドイツとスペインに勝って日本の皆さんは『よくやった』と迎えてくれた。だけど、目標は達成できてないし結局負けて終わっているのでそこでのギャップは感じている。まわりが思っているより悔しさが残っているし、いい大会だったとは個人的には言えない」

周囲の評価とは対照的に、冨安自身は決して満足していなかった。
大会直前に右の太ももを痛めるなど、決して万全な状態ではなかったことも不完全燃焼の理由のひとつだった。

インタビュー中は「言い訳になるから」とけがについて多くを語らなかったが「ベストな状態で臨めた試合は1試合もなかった」と振り返った。

自身初のワールドカップを「悔しい大会」と総括した冨安。
それでもその中に収穫はなかったか。

尋ねると、こう答えた。
「現在地を知ることができたということは、ひとつの収穫だと思う。このままではいけないということがわかった」

冨安は悔しさの中にも今後、目指す方向を定めることができた点を前向きに捉えていた。

「大事な場面で力を発揮できるようになることが大事だ」

大一番でのひとつひとつのプレー、その瞬間の勝負強さを鍛えるために。
冨安はワールドカップを終えてから、さっそく世界最高峰のリーグで研さんを積んでいる。課題も多いと言うが、その積み重ねが自身の成長につながると信じている。

「厳しい環境の中で、できる限りのことをやっていくというサイクルを続けていけば、勝手にレベルも上がってくると思うし、自分の求めているものに近づいていけるのではないかと思っている」

そして2026年の次のワールドカップに向けて力強く意気込みを語った。
「3年半という期間の中で自分次第でどれだけでもレベルを上げられる。格を上げて次のワールドカップを迎えたい」

サッカー #自分を奮い立たせたいとき