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モデル安斉星来さん「夢をばかにされた経験が…」
18歳が新成人について考えた

2022年3月2日

「つらい時にこそ周りを笑顔にできるような大人になりたい」

その理由について尋ねると、夢をばかにされたり自分らしさを否定されたりすることが少なくないからだといいます。

そして「ことばじゃなく結果で見返したい」という一面も。

この春から成人になる安斉さんに、大人になるってどういうこと? 夢や人生、憧れの人について聞きました。
(成人年齢取材班:野田麻里子・浅川雄喜)

安斉星来さんってどんな人?

安斉星来さんは、現在、高校3年生、モデルで俳優です。
名前は「せいら」と読みます。

去年8月にインターネットテレビサービスの番組でデビューし、ファッションショーやスポーツメーカーの広告出演など活躍の場を広げています。

動画共有アプリ「TikTok」では、デビュー以来フォロワーが24万人を超え、特に若い人たちを中心に注目を集めています。

インタビューの日、安斉さんは18歳になり、ことし4月に新成人になります。

18歳の誕生日 どんな気持ちですか?

ファンの方からも「おめでとう」と言ってもらえて嬉しかったです。

自分の中でも、17歳と18歳は何か違う感じがしていて、なんだか大人になったのかもと思ったりもします。

でも両親に「きょうで私、大人だよ、(もうすぐ)成人だよ」と話したら、「あ、そうだね~」という感じで、やっぱり親にとってはまだまだ子どもなんだなと思いました。

成人年齢が引き下げられることは知っていましたか?

知っていました。

ニュースで見たり、周りの大人の人たちから「もうすぐ18歳?成人だね」と言われたりして知りました。

友達とも「やっと18歳になったね」と話したりもしています。

どう受け止めていますか?

飲酒や喫煙ができないので、何が変わったのかよくわからないという声も聞きますが、やはり「成人」という文字、意味は大きいと思います。
ついに大人の仲間入りをしたのかなと。

でも実際は20歳にならないと実感がないのかも知れませんね。

今までずっと20歳で成人だったので、私たちの世代もそうですが、しばらくは、実感できないのかもしれません。

成人したら何をしてみたい?

1人暮らしに興味があります。

家具やインテリアが好きなので、よく家具やインテリア雑貨を見に行きます。

実はすでに1人暮らしを始めたら、「この家具をここに置く」とか「部屋はこういう感じにする」とか全部決めているんです。

私の準備はできているんですけど、両親に話をしたら「寂しいからまだもう少し家にいてほしい」と言われました。だから1人暮らしはもう少し先になるかもしれません。

TikTokフォロワーは24万人超 何を大切に?

自分らしさを大切にしています。

TikTokは動画を投稿できるので、自分の好きな服や洋楽を通じて、いちばん、自分らしさを発信しやすいSNSです。

実はフォロワー数はそこまで意識していません。

ただSNSは今まで苦手でした。投稿するのが苦手というか、むしろ嫌でした。

でも、2021年8月にデビューして見てくれる人が増えて、メッセージをくれる人、ファンの人たちがいるから頑張らないと、頑張ろうという気持ちになりました。

クリックすると動画が再生されます

“自分らしさ”を大切にするって?

誰かのまねではない、自分らしさという部分はとても大切にしています。

親が、自分を信じることを大事にするように育ててきてくれたことも影響しているのかもしれません。

実は、人生のモットーにしている部分もあります。

私の座右の銘は「最大の復讐は最大の成功だ」ということばです。

実は、中学3年生とか高校1年生のころに、将来のことなどで「人生どうでもいいや」とか「ああもう無理だ」というふうにネガティブに考えてしまう時期がありました。

そんなときにこのことばに出会って、考え方を切り替えられるようになりました。

何が原因でネガティブ期に?

夢を追いかけることをばかにされるというか、「無理だろ」という感じで言われることがありました。

高校1年生のころから芸能事務所に所属していますが、それを知った人から「調子にのってるよね」と言われることもありました。

学業と仕事、友人関係をすべて両立させるために、事務所とも相談して高校3年生でデビューすることを決めていましたが、それを知らない人たちからは「売れていない」などの悪口を言われることもありました。

また、自分らしくしよう、自分らしくいようとすると、否定されるようなこともありました。

そういうことが続くと、やはり気持ちが落ち込みましたね。

今はそう感じることはありますか?

こういう仕事やSNSをしていると、やはりアンチと呼ばれる人がつくことがあります。

嫌なコメントがつくなどつらいことが重なると、とてもブルーな気持ちになってしまいます。

そんな時には「ああ無理だー」と思うことも。誰にも言わないで1人で泣くこともあります。

でも今はそんな時は、あのことばを思い出します。「最大の復讐は最大の成功だ」を。

そして、その時に思うのは、力やことばで返すのではなくて、結果で見返してやろうと。

そのためには自分がかなえたい夢をかなえるしかないと思うようにしています。

今はそういう部分でも、自分らしさを大事にしたいと思っています。

大人になるってどういうこと?

うーん、難しいですね…。

アンチの人は逆に私に興味を持ってくれているのでは?アンチの人を逆に味方にできれば根強いファンになってくれるのでは?というような思考になれるということかなと思ったりもします。大人になるということは。

あとは、つらい時にこそ周りを笑顔にできるようにもなりたいですね。

私もピンチになった時、大変な時に、まわりの大人たちに相談をしますが、適切なアドバイスをしてくれます。

たぶん、大人たちも嫌なことなどがたくさんあると思いますが、それをださずに、ちゃんと対応してくれています。

人は追い詰められた時、大変な時ほど、人間性がでることがあると思いますが、そういうときに適切に、余裕を持って対応している人を見たときに、「大人だなあ」と思ったりします。

憧れの大人はいますか?

大好きなのは、俳優のゼンデイヤさんです。芯の強い方という印象があります。

ゼンデイヤさん

アクション映画にも出ていて、彼女の影響で俳優をしたいと思うようになりました。

モデルになりたいと思うようになったのも彼女の影響があります。

ただ、かっこいいとは思いますが、内面の部分では自分らしさを忘れないようにしたいずっと思っています。

今、いちばんしたいことは?

アクション映画に出たいです。いずれは海外でも活動したいと思っています。

海外のアクション映画が大好きなので、いつかは挑戦してみたいです。

そして、夢は、日本を代表するアクション俳優になることです。いつかはかなえたいと思っています。

これから、将来のこと

今までは高校3年生、17歳の安斉星来としてメディアなどでとりあげてもらいました。

今後は、それがなくなるので、そう考えるともっと結果を残さなければなと思います。

どういう道を選択するのかも自分で決めることになりますし、すべて自分次第となっていくと思います。

でも、すごく楽しみです。
将来、どうなるかは誰にも分からないことだと思います。結果が残せるのかも含めて。

本当に、これから何があるか分からないので、毎日、新しい自分になれるかもしれないし、とても楽しみです。

4月からはEテレのNHK高校講座「公共」という番組にレギュラー出演します。番組では18歳選挙権や成人になって気をつけることなどについても詳しく考えていきます。大人になるにあたってこういうことをちゃんと 知っておくことも大切だとあらためて感じています。

安斉星来さんが出演するNHK高校講座「公共」は、4月18日から隔週月曜日 午前10時~午前10時20分に放送。 こちらのサイトからも無料動画が視聴できます。 https://www.nhk.or.jp/kokokoza/

成人年齢取材班記者

野田 麻里子

2007年入局
富山局、名古屋局、報道局総務部を経てネットワーク報道部

成人年齢取材班記者

浅川 雄喜

2009年入局
映像センター所属記者
「取材に加え最近はWEB動画の企画編集を担当しています
安斉さんの動画も制作しているのでよろしければご覧下さい」