都知事選 掲示板が足りない…クリアファイルで貼る異例の対応

今回の東京都知事選挙は過去最多の立候補者数となりました。

都の選挙管理委員会が都内1万4000か所余りに設けた選挙ポスターの掲示板の枠は最大48人分で、これを上回る事態となりました。

このため都の選挙管理委員会は届け出順49番以降の候補にクリアファイルを支給してポスターを貼ってもらい、それを掲示板の下端か、環境上それが困難な場合は右や左の端、または上端の、外側に掲示する形に画びょうなどで固定してもらう異例の対応をとりました。

ただ、ポスター掲示板の枠が足りなくなるのではないかという懸念は告示の前からありました。

都選管「許容範囲の対応だと判断」

今回、告示前に枠の増設をせず、異例の対応となったことについて都の選挙管理委員会は「立候補者数が48人を超えるかどうかの見極めに注力した結果、49番以降の候補には手間をかけてしまうが、許容範囲の対応だと判断した。『事前の準備の検討が足りなかったのではないか』という指摘は受け止めたい」と説明しています。

過去の国政選挙で追加枠確保したケースも

総務省によりますと過去の国政選挙では公示より前に立候補者数が掲示板の枠を上回ることが予想されたため、追加で枠を確保したケースがあるということです。

専門家「対応しておく必要があったのではないか」

地方政治や選挙に詳しい法政大学大学院の白鳥浩教授は、ポスター掲示枠の確保について「民主主義を守る上で最低限、必要なことだ。立候補者数が50人を超える可能性は事前にわかっていたわけであり、その対応をしておく必要があったのではないか」と話していました。

また過去最多の候補者数となった背景について白鳥教授は「売名やビジネス目的で立候補した人が多数いることも大きな要因のひとつだ。公職選挙法はSNSで広告収入があることなどを想定して、つくられていない。選挙期間中のSNSの広告収益を止めてもらったり、ポスター掲示板や政見放送の、営利目的の利用を禁止したり、ルールづくりを行うことが必要だ」と指摘しています。