パリ五輪 テニス日本代表 大坂なおみと錦織圭が内定

7月に開幕するパリオリンピックのテニスの日本代表に大坂なおみ選手と錦織圭選手が内定しました。大坂選手は東京大会に続いて、錦織選手は2008年の北京大会から5大会連続でのオリンピック出場となります。

パリオリンピックで行われるテニスのシングルスの出場権は6月10日付けの最新の世界ランキングをもとに一つの国と地域から最大で男女4人を上限に上位56人に与えられます。

ITF=国際テニス連盟から通知を受けた日本テニス協会によりますと、大坂選手と錦織選手がそれぞれ男女のシングルスでオリンピックの出場権を獲得し、日本代表に内定したということです。

全仏オープン(2024年5月)

大坂選手は最新の世界ランキングで125位ですが、四大大会の優勝者に与えられる出場枠を使って出場する予定だということです。

全仏オープン(2024年5月)

また、錦織選手は286位ですが、けがなどで長期離脱した選手を救済するためのランキングで48位に入ったことから出場権を獲得しました。

大坂選手は東京大会に続いて錦織選手は2008年の北京大会から5大会連続でのオリンピック出場となります。

今後、世界ランキング上位の選手に辞退者が出た場合はシングルスの出場権を獲得する日本選手がさらに増える可能性があります。

ダブルスについても6月10日付けの世界ランキングをもとに出場権が与えられ、現段階で出場権を獲得した日本選手のペアはありませんが、今後、上位選手の動向次第で獲得できる可能性があります。

◇大坂なおみ 四大大会で優勝4回

大坂なおみ選手は大阪市生まれの26歳。ハイチ出身の父と日本人の母を持ち、3歳からアメリカに移り住みました。1メートル80センチの長身を生かした時速200キロほどのサーブや力強いストロークなどパワーあふれるテニスが持ち味です。

2013年にプロに転向したあとツアーに本格的に参戦した2016年に東京で行われたツアー大会で準優勝、その年に女子ツアーで最優秀新人賞にあたる賞に日本の女子選手として初めて選ばれました。

2018年、全米オープンで、四大大会のシングルスで日本選手初の優勝を果たすと、翌年の全豪オープンも優勝して大会後の世界ランキングでは男女を通じてアジアの選手で初めてシングルス1位になりました。

その後、四大大会では2020年の全米オープン、2021年の全豪オープンで優勝しています。

去年7月、第1子となる女の子のシャイちゃんを出産した後、今シーズンからツアー大会に復帰しました。

ことしの全仏オープンの1回戦でおよそ2年4か月ぶりに四大大会で勝利を挙げると、2回戦ではこの大会で3連覇を達成した世界ランキング1位のイガ・シフィオンテク選手相手に先にマッチポイントを握るなど復活を印象づけました。

オリンピックでの金メダルを獲得を自身の夢の1つに掲げていて、初出場だった東京大会の開会式では聖火リレーの最終ランナーを務め聖火台に火をともす大役を担いました。

◇錦織圭 リオデジャネイロ五輪で銅メダルも

錦織圭選手は島根県出身の34歳。小学生の頃に才能を見いだされ、アメリカのテニスアカデミーに留学しました。2007年秋に17歳でプロに転向し、18歳で迎えた2008年2月にはツアー初優勝を果たしました。

2014年のシーズンから元世界ランキング2位のマイケル・チャン コーチの指導を受け、徹底した反復練習によって、サーブやストロークの精度を高めるとともに、持ち味のフットワークを生かした攻撃的なテニスを身につけました。

2014年5月、日本の男子選手で初めて世界ランキングトップテン入りを果たし、その年の9月の全米オープンでは四大大会の決勝に進んで準優勝しました。その後も世界ランキングで最高4位をマークするなど、トッププレーヤーとして活躍し、2016年のリオデジャネイロオリンピックでは銅メダルを獲得しました。

近年はけがに悩まされてツアーを離脱する期間が長くなりましたが、ことしの全仏オープンで3シーズンぶりに四大大会復帰を果たし、1回戦でフルセットの末、4時間を超える熱戦を制して2回戦に進みました。