【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6月13日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる13日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ支援 凍結のロシア中央銀行資産を活用で合意

アメリカ政府の高官は、G7各国の首脳が制裁で凍結したロシア中央銀行の資産から得られる収益を活用しておよそ500億ドル、日本円にしておよそ7兆8000億円の支援をウクライナに行うことで合意したと明らかにしました。

ウクライナへの支援は今年中に始まり、軍事や、人道支援、復興などの分野にあてられるということです。

また、G7各国の首脳はロシアがウクライナに賠償するまで資産の凍結を続けるとしています。

G7サミット開幕 ウクライナ支援でロシア凍結資産活用を議論へ

G7サミット=主要7か国首脳会議は、イタリア南部プーリア州で現地時間の13日午前11時半ごろ、日本時間の13日午後6時半ごろから始まりました。

最初のセッションはアフリカや気候変動などを議論し、そのあとは中東やウクライナ情勢について意見を交わす予定で、ウクライナをめぐる議論にはゼレンスキー大統領も一部参加します。

G7は、今回のサミットでウクライナへの新たな支援策として、制裁で凍結したロシア中央銀行の資産の活用で合意を目指しています。

資産の活用をめぐっては、アメリカが利子から得られる将来の収益も含め最大500億ドル、日本円にして7兆8000億円以上を支援に充てたいとしていますが、12日、フランス大統領府は、ことし末までにウクライナに500億ドルを支援することでG7の方針が固まったと明らかにしました。

また、今回のサミットでは、中国が軍事転用可能な物資をロシアに輸出し、ロシアの軍需産業を支援しているという懸念についても協議する見通しです。

ロシアの侵攻が長期化し欧米側で支援疲れも指摘される中、G7として、引き続きウクライナを一致して支援する姿勢を打ち出せるかが焦点となっています。

ウクライナ軍 “ロシアの地対空ミサイルシステムを破壊”

ロシア軍「S400」

ウクライナ軍の参謀本部は、ロシアが占領する南部クリミアに対して攻撃を行い、ロシア軍が保有する最新の地対空ミサイルシステム「S400」などを破壊したと12日、発表しました。

ウクライナ軍は今月10日にもクリミアでロシア軍の「S400」などを攻撃し、破壊したと発表しているほか、ウクライナ東部ハルキウ州と接するロシア西部のベルゴロド州でも今月初めに「S300」を攻撃したとみられています。

ウクライナに対しては、欧米諸国から近くF16戦闘機の供与が始まる予定で、ウクライナ側の最近の動きについて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「ウクライナ軍がロシアの防空システムを弱体化させることを目的とした取り組みであり、これに成功すれば、長期的にはウクライナが航空戦力をより効果的に活用できる可能性がある」と分析しています。

ウクライナ東部 ミサイル攻撃受け9人死亡

ウクライナの非常事態庁などによりますと、12日、ゼレンスキー大統領の出身地、東部ドニプロペトロウシク州のクリビーリフで、住宅地がロシアによるミサイル攻撃を受け、住民9人が死亡、子ども5人を含む29人がけがをしました。

ゼレンスキー大統領はSNSで「毎日、毎時間行われるロシアのテロ行為は、ウクライナがパートナーとともに防空体制を強化しなければならないことを示している」と指摘し、防空システムの強化の重要性を改めて強調しました。

また、ウクライナ軍は、ロシアによって一方的に併合された南部クリミアへの攻撃を繰り返していて、軍の参謀本部は12日朝までの攻撃で、ロシア軍の地対空ミサイルシステム2基を破壊したと発表しました。

「ロシアの日」にあわせモスクワで式典 プーチン大統領が演説

ロシアでは12日、1990年に国家として主権を宣言した記念日「ロシアの日」にあわせて首都モスクワで式典が開かれ、プーチン大統領が演説しました。

この中でプーチン大統領は「ロシアが困難な状況にあるいま、愛国心と祖国の未来に対する責任感がわれわれの社会を強固に結びつけている。その気持ちが特別軍事作戦に参加した兵士たちの支えになっている」と述べ、国民に結束を呼びかけました。