【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6月2日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる6月2日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領 アジア安全保障会議で演説

ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、アジアや欧米の防衛担当の閣僚らが参加してシンガポールで開かれていたアジア安全保障会議で演説を行いました。

この中でゼレンスキー大統領は、ロシア軍がウクライナ東部ハルキウ州などで攻勢を強めていることを念頭に「およそ100機の無人機を想像してほしい。戦争を通して、それが何百回と起きたのだ」と述べ、防空システムなどの軍事支援の継続の必要性を訴えました。

そのうえで「和平は外交によっても達成可能だ。外交は戦場でのウクライナの力強さを支えている」と述べ、外交の重要性を強調しました。

そして、みずからが提唱する和平案の実現に向けて、6月15日と16日にスイスで開かれる国際会議「平和サミット」に100以上の国や国際機関が参加を表明しているとしたうえで「団結して戦争に反対するため、あなたたちの地域の指導者、国々を招待する」と述べ、各国に参加を呼びかけました。

ゼレンスキー大統領としては、ロシアによる軍事侵攻に対して中立的な立場をとる国々も多いアジアの各国に会議への参加を訴え、ロシアへの外交的な圧力を強めたい考えです。

ゼレンスキー大統領 会見で“中国が会議への不参加働きかけ”

演説に続いて行った記者会見で、ゼレンスキー大統領は、中国がロシアの軍需産業を支援しているという指摘について、「戦争を長引かせ、世界全体にとってよくない。戦略的な間違いだ」と述べました。

さらに「中国は平和サミットに参加しないよう各国に働きかけている」と述べ、すでに会議への欠席を表明している中国が、各国に会議に参加しないよう働きかけていると主張し、批判しました。

木原防衛相とウクライナ国防相が会談

木原防衛大臣は、訪問先のシンガポールでウクライナのウメロフ国防相と会談しました。

会談の冒頭、木原防衛大臣は、「ロシアによる一連の暴挙は、国際秩序の根幹を揺るがすもので、断じて許すことはできない。いまウクライナで起こっていることは、あすの東アジアで起こるかもしれない。そういう強い危機感のもとで国際社会と結束して断固たる決意で臨んでいく」と述べました。

これに対し、ウメロフ国防相は「日本の皆様からいただいているご支援に心から感謝を申し上げる」と述べ、日本がウクライナに対し、陸上自衛隊が保有するトラックを提供したことなどに謝意を示しました。

そして木原大臣は、防衛省・自衛隊として今後も国際社会と連携しながら、できるかぎりの支援を継続していく考えを伝えました。

ウクライナのエネルギー施設に大規模な攻撃

ウクライナ軍によりますと、1日朝までのひと晩に、ロシア軍がウクライナ各地でミサイル53発と無人機47機による攻撃を行ったということです。

ウクライナのエネルギー相は1日、SNSで、東部ドニプロペトロウシク州や南部ザポリージャ州など合わせて5つの州にあるエネルギー施設に対して大規模な攻撃があったと明らかにしました。

ウクライナ最大のエネルギー会社は、2つの火力発電所に深刻な被害が出たとしています。

これに対し、ロシア国防省は1日、「ロシア軍は、ウクライナの軍需産業のために稼働しているエネルギー施設を精密兵器で攻撃した。これに加え、西側の兵器の保管庫に対しても攻撃を行った」と発表しました。

ゼレンスキー大統領「ロシア領内で欧米兵器使用は時間の問題」

ゼレンスキー大統領は、シンガポールで開かれているアジア安全保障会議に出席するのに先だって、5月31日、訪問先のスウェーデンで行った記者会見で「ロシアの領内で西側諸国の兵器を使用するのは時間の問題だ」と述べ、アメリカなどから供与された兵器で遠からずロシア領内を攻撃することになるという見通しを示しました。

ロシア軍が攻勢を強めていることを受けて、アメリカやドイツはこれまでの方針を転換し、ウクライナに対して、東部ハルキウ州の防衛強化を目的に、自国が供与した兵器でロシア領内を攻撃することを許可すると発表しています。