トランプ前大統領 裁判 「評議」再開 結論に至るかが焦点

アメリカのトランプ前大統領が不倫の口止め料を不正に処理した罪に問われている裁判は、30日、トランプ氏が有罪か無罪かを12人の陪審員が判断するために話し合う「評議」が再開されました。陪審員全員が一致し、結論に至るのかが焦点です。

ニューヨーク州の裁判所で4月15日から行われている裁判で、トランプ氏は2016年の大統領選挙で不利にならないよう不倫の口止め料を支払い、その支出を隠すために弁護士費用と偽り不正に処理したとして、帳簿などの業務記録を改ざんした罪に問われています。

7週目に入った今週は、最終弁論が行われたあと、一般の市民から選ばれた12人の陪審員がこれまでの審理で示された証拠や証言をもとに有罪か無罪かを判断するため話し合う「評議」に入りましたが、初日の29日は結論には至りませんでした。

2日目の30日は、まず陪審員がトランプ氏のスキャンダルのもみ消しにかかわったなどとする検察側の証人2人の証言を改めて確認することなどから始まりました。

話し合いは非公開で陪審員だけで行われ、検察側と弁護側、それに被告のトランプ氏は、問い合わせに対応できるよう、裁判所内の別の部屋で待機します。

結論を出すためには12人の陪審員全員が一致する必要があり、評議にさらに時間がかかる可能性や、結論が出ず審理が無効になる場合もあります。

トランプ前大統領「アメリカにとって非常に悲しい日だ」

トランプ前大統領は法廷に入る前、記者団に対し「裁判所からかん口令が出されているので言いたいことをあまり言えないが、このばかげた裁判は私たちの国を大きく傷つけている。アメリカにとって非常に悲しい日だ。世界中が見ている」と述べて、起訴は不当だと改めて主張しました。

そして「長い時間がかかりそうだ」と述べて法廷に向かいました。