【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(5月12日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる12日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア国防省 “ハルキウ州で5つの集落を掌握”

ウクライナ東部ハルキウ州にロシア軍の部隊が北から国境を越えて侵入し、ロシア国防省はハルキウ州で5つの集落を掌握したと発表しました。

これに対しウクライナ側は激しい戦闘が続き、ロシア軍の前進を食い止めているとしています。

ウクライナ東部ハルキウ州では10日、ロシア軍の部隊が大規模な砲撃を行うなど北から国境を越えて侵入し、ロシア国防省は11日、ハルキウ州北部の国境近くにある5つの集落を掌握したと発表しました。

国境近くのこれらの集落についてハルキウ州のシネグボフ知事は11日、激しい戦闘が続いているとし、およそ2000人の住民が避難したと明らかにしました。

その上でウクライナ軍はロシア軍の前進を食い止めているとしています。

ゼレンスキー大統領は動画での演説で「ハルキウ方面での部隊を増強している。攻撃をもくろむロシアの侵略者をせん滅する」と述べ、ロシア軍を撃退できると強調しました。

一方、ウクライナ軍は11日、東部ドネツク州などほかの地域でもロシア軍との激しい戦闘が続いているとしています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」はロシア軍がハルキウ州北部で「戦術的な足場」を確保し、さらに進軍を目指す可能性が高いと分析する一方で、今回の国境を越えての侵入はロシア軍が東部のほかの前線で進軍をねらううえで、ウクライナ軍の部隊をハルキウ州に引きつけさせる陽動作戦の思惑もあると指摘しています。

ゼレンスキー大統領“7つの集落で戦闘続く”

ウクライナ東部のハルキウ州では北から国境を越えて侵入したロシア軍の部隊の攻勢が続く一方、ロシア側によりますと隣接する西部のベルゴロド州では、ウクライナ側からの砲撃や無人機による攻撃が相次いでいるということで、国境周辺の地域では戦闘が激しさを増しています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、ロシアとの国境に近い東部ハルキウ州北部の7つの集落で、戦闘が続いていることを明らかにしました。

国境周辺の地域で戦闘の激しさ増す

ハルキウ州の知事は、ロシア軍の攻撃により、国境に近いボフチャンシクなどであわせて2人が死亡したと、12日発表しました。

一方、ハルキウ州の北に隣接するロシアのベルゴロド州の知事は、11日、SNSで、ウクライナ軍の激しい砲撃があり、女性1人が死亡したと発表しました。

また12日には、ウクライナ側の無人機を使った攻撃で電力設備が被害を受け、国境に近い地域で停電が起きているとしています。ロシア軍が10日に、地上部隊を国境を越えてウクライナ側に侵入させたあと、国境周辺の地域では戦闘が激しさを増しています。