【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(5月1日の動き)
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる1日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4月30日の動き)
ウクライナ情勢 戦況の解説記事はこちら
ウクライナ南部オデーサ州 ロシア軍のミサイル攻撃相次ぐ
ウクライナ南部オデーサ州の知事はSNSで1日、ロシア軍の弾道ミサイルによる攻撃で民間の施設が損傷するなどし、3人が死亡し3人がけがをしたと明らかにしました。
オデーサ州では今週に入って、先月29日にもロシア軍によるミサイル攻撃で5人が死亡しています。
この攻撃について、ウクライナのコスティン検事総長は30日、殺傷能力が高いクラスター弾を搭載したミサイルが使用されたとして非難しています。
ロシア ショイグ国防相「兵器の量と質を上げる必要」
一方、ロシア国防省は1日、ショイグ国防相がウクライナの前線の状況について現場の司令官などから報告を受けたと発表し、この中で「必要な攻撃のペースを維持するために、部隊に供給する兵器の量と質を上げる必要がある」と述べたということです。
ロシア軍はウクライナ東部の前線で攻勢を強めている一方、ウクライナ軍にはアメリカの追加の軍事支援が決まったことで、近く兵器が供与される見通しです。
こうした中でのショイグ国防相の発言は、ウクライナ側が兵器を増強するのに対抗して、ロシアとしても態勢を一段と強化しようというねらいがうかがえます。
98歳のウクライナ人女性が10キロ以上歩いて避難
ロシア軍が攻勢を強めるウクライナ東部の集落から98歳のウクライナ人女性が、砲弾が飛ぶなか10キロ以上歩いて避難し、保護されたとウクライナの内務省が29日発表しました。
それによりますと、98歳のリディアさんは、東部ドネツク州のオチェレティネでロシア軍に占領された地域から避難してきました。
途中で休みをとることもあったということですが、食べ物も飲み物も持たずに砲弾が飛ぶ戦闘の前線を10キロ以上つえをつきながら歩き続けたということです。
そして、ウクライナ軍が路上にいるリディアさんを見つけ、警察を通じて保護したとしています。
リディアさんは「第2次世界大戦を生き延び、そしていまの戦争も生き延びています。前の戦争で焼かれた家はありませんでしたがいまは家が燃えています」と話し集落の多くの家が焼かれるなど大きな被害が出たと訴えました。
ウクライナの警察は、避難したこの女性のことを伝えつつ、地域の住民に対し、余裕をもって避難し、命を危険にさらさないよう呼びかけています。
ロシア軍 市街地への攻撃と占領地の拡大進める
ウクライナ東部のハルキウでは30日、攻撃によって死傷者が出るなど、ロシア軍は、全土を目標にした市街地への攻撃を続けるとともに占領地の拡大も進めています。
ウクライナ東部ハルキウ州の知事によりますと30日、中心都市のハルキウに攻撃があり男性1人が死亡したほか、9人がけがをしたということです。
ロシア軍は、東部や南部などウクライナ全土を目標にした攻撃を続けていて、ウクライナのコスティン検事総長は30日、南部オデーサ州で29日にあった5人が死亡した攻撃について殺傷能力が高いクラスター弾を搭載した短距離弾道ミサイル「イスカンデル」が使用されたと明らかにし非難しました。
一方、ロシア軍は東部の前線でも攻勢を強め占領地の拡大を進めています。
ロシア軍が重視している1つがドネツク州バフムトの西側にある拠点チャシウヤルです。
アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは、29日、ウクライナ当局者の話としてチャシウヤルの掌握に向けてロシア軍が兵員2万5000人を投入して攻勢を強めていると伝えました。
高台にあるチャシウヤルをロシア軍が掌握した場合ウクライナ側の補給拠点が攻撃範囲に入るとしていて「欧米各国の支援が早期に前線に届きロシアの前進を食い止められるかは依然として不透明だ」と指摘しています。