【詳しく】なでしこジャパン パリ五輪出場決定 北朝鮮に勝利

サッカー女子のパリオリンピックアジア最終予選は28日夜、東京・国立競技場で第2戦が行われ、日本代表のなでしこジャパンは北朝鮮に2対1で勝って2大会連続のオリンピック出場を決めました。

記事後半では、試合の詳しい経過もお伝えしています。

なでしこジャパン 競り勝ってパリ五輪へ

日本と北朝鮮が対戦するパリオリンピックアジア最終予選は、ホームアンドアウェー方式で行われ、2試合の合計得点が多い方がパリオリンピックの出場権を獲得します。

24日、サウジアラビアで行われた第1戦は0対0で引き分けたため、第2戦は勝った方がオリンピック出場の大一番となり、東京・国立競技場には2万人を超える観客が訪れて声援を送りました。

日本は第1戦から先発メンバーを2人入れ替え、ディフェンダーを3人並べる「スリーバック」にシステムを変更して臨みました。

高橋はな選手が先制ゴール

試合は前半26分、田中美南選手のヘディングシュートがクロスバーに跳ね返されたこぼれ球を高橋はな選手が押し込んで先制しました。

また、前半終了間際にはゴールキーパーの山下杏也加選手が相手のシュートをゴールライン上でかき出す諦めないプレーを見せて1対0で試合を折り返しました。

藤野あおば選手が追加点

後半に入ると日本は押し込まれる時間が続きましたが、32分に清水梨紗選手が右サイドを突破してクロスボールを上げ、20歳の藤野あおば選手が頭で合わせて2点目を奪いました。

日本はこのあと1点を返されましたが、最後まで粘り強く守って、それ以上の追加点は許さず、2対1で勝って2大会連続6回目のオリンピック出場を決めました。

前回は開催国枠での出場で、日本が自力でオリンピック出場を決めるのは、準優勝した2012年のロンドン大会以来です。

《監督・選手談話》

池田太監督「選手たちがタフに戦ってくれた」

池田太監督は「選手たちがタフに戦ってくれて、自分の持っているものをすべて出してくれた。タフな環境で勝ちきれたことは間違いなく選手を成長させてくれる。パリオリンピックでは一番いい色のメダルを目指して全員で戦うので一緒に戦ってください」と笑顔を見せながら話していました。

熊谷紗希主将「正直にひとこと ほっとしている」

キャプテンの熊谷紗希選手は「正直にひとこと、ほっとしている。初戦でうまくいかなかったがチームとして修正できた。最後押し込まれたが、しっかり点をとって勝ち切れたことは次につながる」と安どしていました。そして「この最高のチームでもっともっと長くやりたいとチームには伝えて、それがパリで実現する。日本の皆さんとパリをつかめて良かった。大会までは時間があるので、そこに向かって成長できるチームになり、パリでは金メダルを目指して、また全員で頑張りたい」と今後の抱負を話しました。

高橋はな選手と藤野あおば選手

先制点 高橋はな「チームのみんなのおかげで勝てた」

高橋はな選手は「パリオリンピック出場を決めることができてほっとしている」と話しました。そして「先制ゴールはいいところにボールがきたので押し込むだけだった。その後は苦しい時間帯も続いたし、失点も私のミスで反省点も多い。チームのみんなのおかげで勝てた」と試合を振り返りました。そのうえで、能登半島地震を踏まえて「北陸が大変な中、サッカーができるのは当たり前のことではない。感謝の気持ちを忘れずパリに向かって頑張りたい」と話していました。

追加点 藤野あおば「自分のゴールでパリを決めたかった」

貴重な追加点となる2点目のゴールを決めた藤野あおば選手は「すごくうれしいです。自分のゴールでパリを決めたいと思っていましたし、北朝鮮との初戦でシュート数が少ないのは自分でも課題だと思っていたので、きょうは積極的にゴールを狙う中で、結果に結びついて、よかったです」と話していました。

長谷川唯「日本の女子サッカーの未来につながれば」

長谷川唯選手は「本当にうれしい。気持ちと日本らしいサッカーを見せられた。プレッシャーはあったが、まずは自分たちのためにやろうと話していた。自分たちのために楽しんでプレーした結果がチームの結果につながって、それが日本の女子サッカーの未来につながればいいと思っていた。それができてよかった」と充実した表情で話していました。

GK山下杏也加「ゾーンに入っていたのかな」

前半終了間際にゴールライン上のボールを間一髪でかき出す値千金のプレーを見せたゴールキーパーの山下杏也加選手は「ボールが抜けてきた瞬間に自分の体勢もよくて『まだいける』と思った。ボールの動きがちょっとスローに見えたので、ゾーンに入っていたのかな」と振り返りました。後半、失点した場面については「得点した北朝鮮の選手も見えていたし、そこしかないと分かっていたコースに決められてしまったので、ふがいない思いがある。しっかり修正してもっといい選手になりたい」と反省の思いも口にしました。

北朝鮮 リ・ユイル監督「大変申し訳ない気持ち」

北朝鮮のリ・ユイル監督は「両チーム全力を尽くして大変すばらしい内容だったと思うが、勝利をおさめることができず、非常に残念だ」と振り返りました。

前半終了間際に日本のゴールキーパー山下杏也加選手にゴールライン上でシュートをかき出されたきわどいプレーをめぐって報道陣からVAR、ビデオ・アシスタント・レフェリーが必要だったかと問われると「今回は非常に重要な一戦で、技術的にVARが導入されていれば大きな助けになったと思う」と話しました。また「ホームの日本をかばうような判定が見受けられたのではないか。釈然としない部分もあるが、あくまでも主審の判断にのっとって最後までフェアプレーを心がけた」と述べました。

最後に北朝鮮のサポーターへのメッセージを求められると、涙でことばを詰まらせながら「日本全国から声援を送ってくれた同胞の皆さんにいい結果をもたらすことができず、大変申し訳ない気持ちでいっぱいだ。これからもっといいプレーを見せられるように努力していきたい」と話しました。

《試合データ》

【得点】
▽日本 前半26分 高橋はな
▽日本 後半32分 藤野あおば
▽北朝鮮 後半36分 キム・ヘヨン

【シュート数】
日本 12(前半6 後半6)/北朝鮮 7(前半4 後半3)

【ボール保持率】
日本:56.5%/北朝鮮:43.5%

==試合詳細==

《先発メンバー》

日本代表「なでしこジャパン」

前回の第1戦の先発メンバーから2人が変更となり、ディフェンダーに北川選手、フォワードに上野選手が起用されました。

【GK】1.山下杏也加
【DF】2.清水梨紗/3.南萌華/5.高橋はな/13.北川ひかる
【MF】4.熊谷紗希/10.長野風花/14.長谷川唯/15.藤野あおば
【FW】8.上野真実/11.田中美南

北朝鮮代表

【GK】1.パク・チュミ
【DF】2.リ・ミョングム/3.リ・クムヒャン/15.ウィ・ジョンシム/16.パク・シンジョン/20.リ・ヘギョン
【MF】9.チュ・ヒョシム/10.リ・ハク/12.チェ・クムオク/14.ホン・ソンオク【FW】7.スン・ヒャンシム

両国の国歌斉唱

試合会場の国立競技場には「なでしこジャパン」を応援する大勢の観客が駆けつけました。一方、北朝鮮のサポーターもゴール裏に固まってユニフォームと同じ赤色の服を着て応援しています。試合前には両国の国歌が演奏されました。

18:34

【試合開始】

パリオリンピックの出場権をかけたアジア最終予選第2戦の日本 対 北朝鮮は午後6時34分に日本のキックオフで始まりました。

なでしこ「スリーバック」に変更 熊谷が最終ラインに

なでしこジャパンは第1戦からフォーメーションを変更しディフェンダーを3人並べる「スリーバック」で臨んでいます。第1戦で、中盤の守備的なポジションを務めたキャプテンの熊谷選手が最終ラインに下がりました。

【前半15分】両チーム無得点 日本 0-0 北朝鮮

前半15分を終えて両チーム得点はありません。日本は前半10分にパス回しから最後は田中美南選手がシュートを打ちましたが、相手のディフェンダーに阻まれました。さらに12分には上野選手が積極的に狙いましたが枠を捉えることができませんでした。

★GOAL【前半26分】なでしこが先制 日本 1-0 北朝鮮

前半26分、日本は高橋選手のゴールで先制しました。

日本の先制点は、北川選手のフリーキックからの攻撃で生まれました。ゴール前で競り合ったボールを上野選手が頭でつなぎ、田中美南選手のヘディングシュートは惜しくもクロスバーに跳ね返されましたが、こぼれ球を高橋選手が押し込みました。

【前半38分】熊谷が体を張った守り 日本 1-0 北朝鮮

前半38分、日本は北朝鮮のフリーキックからペナルティーエリア内でシュートを打たれましたが、キャプテンの熊谷選手が体を張ってブロックしピンチを防ぎました。

【前半45分】日本 ピンチをGK山下が好守 日本1-0北朝鮮

前半終了間際、日本は左サイドの守りを崩され、北朝鮮の選手にヒールキックでシュートを打たれましたが、ゴールキーパーの山下選手がギリギリでかきだしました。

GK山下“山下の1ミリ”SNSで話題に

「ゾーンに入っていたのかな」

ゴールキーパーの山下杏也加選手は試合後、みずからのビッグプレーをこう振り返りました。あわや同点という窮地を救った場面。相手のシュートに反応し、ゴールに向かって転がっていくボールを右手を伸ばして間一髪でライン上でかき出す値千金のプレーでした。

おととしの男子のワールドカップで三笘薫選手がラインを越えそうなボールをギリギリで折り返してゴールにつなげた「三笘の1ミリ」を思い起こさせるようなプレーで、SNS上では最後まで諦めない姿に「山下の1ミリ」などと投稿され、話題となっています。

前半 アディショナルタイムは1分の表示

【前半終了】日本 1-0 北朝鮮

アジア最終予選の第2戦は日本が高橋選手のゴールで1点をリードして前半を終えました。

19:36

【後半開始】日本 1-0 北朝鮮

日本が1点をリードして、午後7時36分、後半が始まりました。日本、北朝鮮ともにメンバー変更はありません。

【後半8分】日本1-0北朝鮮

後半、北朝鮮に攻め込まれる場面が続いていた日本は、8分、北川選手のクロスボールにWEリーグの同じチームに所属するフォワードの田中美南選手が頭で合わせましたが、枠を外れました。

【後半18分】日本選手交代 上野→清家

後半18分、日本はフォワードの上野選手にかえてミッドフィールダーの清家選手を入れました。

【後半20分】日本1-0北朝鮮

後半20分、日本は、清水選手からのクロスボールに途中出場の清家選手が飛び込みましたが、相手のゴールキーパーへのファウルをとられました。

【後半21分】北朝鮮が一気に3人交代

後半21分、北朝鮮は一気に3人を交代し、フォワードのキム・キョンヨン選手などを投入しました。

★GOAL【後半32分】藤野あおばが追加点 日本2-0北朝鮮

後半32分、日本は、長野選手のスルーパスを受けた右サイドの清水選手が相手の股を抜く巧みなボールコントロールでディフェンダーをかわしてゴール前へのクロスボールを出しました。このボールに、藤野選手が頭で合わせて2点目を奪いました。

★GOAL【後半36分】北朝鮮が1点返す 日本2-1北朝鮮

後半36分、北朝鮮は、キム・ヘヨン選手がゴールを決めて、1点を返しました。

入場者数は2万777人

試合の入場者数が2万777人と発表されました。

【後半44分】日本選手交代 田中・北川→植木・古賀

後半44分、日本はフォワードの田中美南選手とディフェンダーの北川選手にかえてフォワードの植木選手とディフェンダーの古賀選手を入れました。北朝鮮も選手1人を交代しています。

後半アディショナルタイム 5分

後半のアディショナルタイムが5分と発表されました。試合は日本が2対1とリードしています。

【試合終了】なでしこジャパン勝利 パリ五輪へ 日本2-1北朝鮮

日本は北朝鮮に2対1で勝ちました。パリオリンピックの出場権を獲得です。

チケット販売“日本側が北朝鮮側を上回る”

「なでしこジャパン」が北朝鮮と対戦する28日夜の試合で、ゴール裏のいわゆる応援席のチケットが27日午後5時の時点で、北朝鮮側は用意された3000枚が完売した一方、日本側は2044枚となっていました。

日本サッカー協会は販売状況をホームページなどで定期的に更新する異例の対応でなでしこジャパンへの応援を呼びかけた結果、28日午前9時時点で日本側が3082枚販売されて北朝鮮を上回りました。また、スタジアム全体では正午時点で、およそ2万枚が売れているということです。

日本サッカー協会は、チケットが残っている場合は試合中の午後7時半まで販売を続けるとしています。

北朝鮮も高い関心を寄せているか

2月24日にサウジアラビアで行われ0対0で引き分けた第1戦について、北朝鮮では2日後の26日、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」や国営通信が重要なニュースという位置づけで結果を伝えたほか、国営テレビがハイライトシーンを放送しました。

これに先立って首都ピョンヤンでは、2月17日にキム・ジョンウン(金正恩)総書記の父、キム・ジョンイル(金正日)氏の誕生日を記念して「キム・イルソン(金日成)スタジアム」でサッカー女子の国内チームの試合が行われ、キム・ドックン首相らが大勢の市民とともに声援をおくったと報じられていました。

キム総書記は、これまで娘とともに試合を観戦するなどサッカーへの思い入れが強いとされていて、2015年の東アジアカップで女子の北朝鮮代表が優勝した際には、帰国した選手たちをみずから空港で出迎えました。さらにキム総書記は「党に贈り物をもたらした立派な娘たち」としてたたえ、ピョンヤンで凱旋パレードも行われた経緯があります。

北朝鮮のオリンピック委員会はスポーツの国際大会でメダルの獲得数を増やす方針を打ち出しており、28日の一戦で日本に勝利してパリオリンピックの出場権を獲得することで国威発揚を図りたい考えとみられます。

《第2戦 “決戦”見どころは》

サッカー女子のパリオリンピックアジア最終予選はホームアンドアウェー方式で争われ、2月24日の第1戦は、当初、北朝鮮の首都、ピョンヤンで行われる予定でした。しかし、アジアサッカー連盟が北朝鮮とほかの国を結ぶ定期便が運航されていないことなどを理由に中立地での開催を提案し、試合3日前にサウジアラビアのジッダでの開催が決まり、0対0で引き分けました。

第2戦は、28日午後6時半すぎから国立競技場で行われ、日本は、勝てばパリオリンピックの出場権を獲得します。

異例の事態となった今回の最終予選で、選手たちは長距離の移動や、短期間で寒暖差への対応を求められるなど厳しい環境に立たされ、日本は、第1戦で本来の動きを欠いていました。

中3日で行われる第2戦に向けては選手たちのコンディションの回復もポイントの1つでホームの応援を力に、本来のスピードある攻撃などを復活させることができるかが鍵となります。去年のワールドカップでヨーロッパの強豪を相手に見せた連動を取り戻すことが重要になります。

不動の右サイドバック、清水梨紗選手は、公式練習のあと攻撃のキーマンに前線の田中美南選手をあげ、同じフォワードの選手を近づけるような動きをすることで孤立させずに戦いたいと話しました。

また、中盤の守備的なポジションでプレーするキャプテンの熊谷紗希選手は、相手の両サイドを引っ張り出すことが守備を崩すうえで大事になると話しました。

《出場チームどう決まる?》

サッカー女子のアジアのオリンピック出場枠は「2」です。
最終予選では
▽日本と北朝鮮
▽オーストラリアとウズベキスタンがそれぞれ対戦します。

ホームアンドアウェー方式で2試合を戦い、合計得点が多いチームがパリオリンピックの出場権を獲得します。
並んだ場合は延長戦やペナルティーキック戦での決着となります。

◇北朝鮮代表ってどんなチーム?(世界ランク9位)

北朝鮮はアジアで最も力のあるチームの1つで、最新の世界ランキングは9位、日本の8位に対して、1つ下です。女子のアジアカップでは過去3回優勝した実績があります。

《第1戦 振り返り(2月24日)》北朝鮮 0-0 日本

当初、予定されていた北朝鮮での開催にアジアサッカー連盟が難色を示し試合3日前になってようやくサウジアラビアでの開催が決まるという異例の事態になったとはいえ、本来のなでしこの姿はピッチにありませんでした。

チーム関係者によりますと、第1戦での日本のシュートはわずか3本にとどまりました。

日中の気温が30度を超える厳しい環境の中での試合に慎重に戦わざるをえない部分もあったかと思われますが、苦戦の一番の要因は相手の戦い方の変化に対応できなかったことです。

それまで国際舞台では前線からアグレッシブに仕掛けてくることが多かった北朝鮮がディフェンダーの人数を5人に増やす守備を重視した戦い方を選択、想定していなかった展開に日本は戸惑っていました。

引いて守る相手に前線の選手が引っ張り出される一方で、ボールを奪われた後のロングパスでのカウンター攻撃を警戒するあまり選手どうしの距離が間延びし選手が孤立するケースも多く見られました。

実際に数的不利の状況をつくられ、さあこれからという時にボールを奪われてリズムを崩す場面も多くなっていました。

《20年前の再現なるか》

実は、日本は20年前の2004年にも厳しい状況の中で北朝鮮と対戦したことがあります。勝てばこの年のアテネオリンピック出場が決まるアジア予選の準決勝、会場は当時の国立競技場でした。

当時、日本の女子サッカーは1996年のアトランタオリンピックで1勝もできずに終わったことや、2000年のシドニーオリンピックの出場を逃したことなどから人気が低迷し、国内リーグ「Lリーグ」は複数のチームが廃部となって規模が縮小されました。

アテネ五輪 アジア予選が行われた国立競技場(2004年)

こうした中で迎えた2004年のアジア予選、北朝鮮戦はまさに「女子サッカーの未来」がかかった戦いでした。

この試合、日本は右ひざを負傷しながら出場した澤穂希さんの活躍などで、それまで13年間勝ったことがなかった北朝鮮に3対0で勝ってアテネ大会出場を決めました。

アテネ五輪出場を決め喜ぶ澤穂希選手 (2004年)

これをきっかけに女子サッカーへの関心が高まり「なでしこジャパン」という愛称が発表されて、2011年ワールドカップドイツ大会での優勝やその後の「なでしこブーム」につながっていきました。

澤さんは当時を振り返って「オリンピックに行くことができないと女子サッカーはもっと注目されなくなるというプレッシャーを抱えながら全員が戦っていた。勝ったことで女子サッカーの歴史を変える試合になったと思う」と話しています。

今の日本の女子サッカーを取り巻く環境も当時と似ています。2011年のワールドカップ優勝後の盛り上がりが一時的なものに終わり、2016年のリオデジャネイロオリンピック出場を逃してから人気は下降線をたどりました。

2021年にスタートしたWEリーグの観客数も伸び悩んでいます。攻撃の中心選手の1人、田中美南選手はアジア最終予選に臨むにあたって「女子サッカーの注目度につながる試合だと思うので、去年のワールカップのように泥臭く会場中を巻き込むような試合を見せて勝ちたい」と話し、多くの選手が女子サッカーの未来につなげようと意気込んでいます。

難しい状況の中勝利をつかみ取り、再び女子サッカーへの関心を高めることができるか。北朝鮮戦は、なでしこジャパンにとって絶対に負けられない戦いとなっています。