地震 被害の全体像は 復旧状況は 1か月をデータで【2月2日】

能登半島地震の発生から1か月が経過しました。

石川県内では被害の把握やライフラインの復旧は進んでいるのか。

被災地の現状を県の発表などをもとに時系列に読み解きます。

(最新の数字は、いずれも2日午後2時時点のものです)

【道路の復旧】

国土交通省のまとめによりますと、能登半島の主要な幹線道路では、緊急車両などの通行や救援ルートを確保するための緊急復旧が9割で終わりました。

一方で、沿岸部を走る国道249号線や県道38号線は斜面の崩壊やトンネルの崩落など大規模な被害が出ていて、内陸から沿岸部にくしの歯状にルートを設ける作業が続けられています。

今回の地震では土砂災害や地盤の変動による被害が大きく、復旧に時間がかかっているということです。
今後の本格的な復旧には数年かかるところもある見込みです。

【孤立】

2日の時点で孤立状態は実質的に解消しています。

一方で、道路の通行などが難しい集落にみずからの意思で残っているのは輪島市の3つの地区であわせて10人となっています。

【死者】

あわせて240人の死亡が確認されています。

自治体別では次のようになっています。
▽輪島市 103人▽珠洲市 101人▽穴水町 20人▽能登町 8人▽七尾市 5人▽志賀町 2人▽羽咋市 1人

死者数の推移

「災害関連死」の疑い

死亡が確認された人のうち「災害関連死」の疑いは、あわせて15人となっています。

9日に珠洲市で6人確認され、その後、能登町と輪島市でも確認されました。

内閣府によると、「災害関連死」は地震の揺れや津波などによる直接的な被害で亡くなるのではなく、その後の避難生活などで病気などが悪化したり、体調を崩したりして命が失われるケースを言います。

【重軽傷者】

重軽傷者は、あわせて1181人が確認されています。

【住宅被害】

全壊、半壊、一部損壊の被害を受けた住宅の数です。
県内では4万9429棟が確認されています。

自治体別の内訳です。
▽七尾市1万1668棟▽珠洲市5533棟▽能登町5000棟▽志賀町4927棟▽金沢市4145棟▽輪島市2606棟▽穴水町2516棟、▽中能登町2266棟▽羽咋市2038棟

このほか、志賀町では床上浸水が6棟、床下浸水が5棟、確認されています。

住宅の被害把握の推移

【避難】

石川県内の市や町が設ける避難所では、あわせて1万4431人が避難生活を余儀なくされています。

1月4日をピークに減少傾向にありますが、多くの被災者が今も避難所などで厳しい生活を続けています。

石川県は自治体別の避難所の人数について当初は別の市や町から避難してきた人も含めて発表していましたが、避難の実情をより正確に伝えるためとして1月21日から分けて発表しています。

2次避難

災害関連死を防ぐとともに、当面の落ち着いた生活環境を確保するため、ホテルや旅館などに移ってもらう「2次避難」。

合わせて5178人で、「2次避難所」に避難している人の数は、初めて5000人を超えました。

【断水】

厳しい状況が続いています。

合わせて約4万70戸で断水が続いています。

輪島市、珠洲市では発災以降、ほぼ全域で断水が続いています。

自治体別では次のようになっています。

▽七尾市 約1万4100戸▽輪島市 約1万戸▽能登町 約5000戸▽珠洲市 約4800戸▽志賀町 約3600戸▽穴水町 約2000戸▽内灘町 約570戸

県はこのうち6つの市と町の水道の復旧時期の見通しを明らかにしています。

▽輪島市▽穴水町▽能登町
2月末から3月末に仮復旧の見込み

▽珠洲市
2月末から順次、仮復旧する予定 遅い地域では4月以降の見込み

▽七尾市
七尾市街、和倉地区、能登島地区を中心に4月以降となる見込み
そのほかの地域では3月末までに仮復旧する見込み

▽志賀町
おおむね2月末までに仮復旧 一部で3月末となる見込み

【停電】

北陸電力送配電によりますと、石川県の能登地方ではおよそ2100戸が停電しています。自治体別では、次のようになっています。

▽輪島市 約1200戸▽珠洲市 約750戸▽能登町 約50戸▽穴水町 約40戸▽七尾市 約10戸▽志賀町 約10戸

北陸電力送配電などは、土砂崩れなどで立ち入りが困難な場所や、建物に甚大な被害を受けるなど早期の復旧が見通せない一部の地域を除いて、停電はおおむね解消しているとしています。