【被害状況 15日】石川県で222人死亡安否不明者22人(14時)

石川県によりますと、15日午後2時の時点で、県内であわせて222人の死亡が確認されているということです。また、安否が分かっていない人として、22人の氏名や年齢などを公表し、広く情報の提供を求めています。

各地の被害について、随時更新でお伝えしています。

《石川県》

222人死亡 重軽傷者1025人 (14時)

珠洲市で99人
輪島市で88人
穴水町で20人
能登町で7人
七尾市で5人
志賀町で2人
羽咋市で1人となっています。

このうち、「災害関連死」の疑いは、
珠洲市の6人
能登町の5人
輪島市の3人のあわせて14人となっています。

内閣府によると、「災害関連死」は、地震の揺れや津波などによる直接的な被害で亡くなるのではなく、その後の避難生活などで病気などが悪化したり、体調を崩したりして命が失われるケースを言います。

また、重軽傷者は、県内全体で1025人にのぼっています。

「災害関連死」年代や亡くなるまでの経緯は

県は、地震から2週間がたった15日時点で14人が「災害関連死」の疑いがあるとしています。

自治体別では、
珠洲市の6人、
能登町の5人、
輪島市の3人です。

このうち亡くなった人の年代や性別などを公表していない珠洲市を除く、能登町と輪島市で災害関連死の疑いがあるとされる8人の年代は、
▽40代が1人、
▽70代が2人、
▽80代が2人、
▽90代が2人、
▽100歳代の1人となっています。

8人の性別は
▽男性が3人、
▽女性が5人です。

自治体や遺族などに取材したところ、避難所で体調が悪化したとみられる人が8人中4人にのぼりました。

このうち、能登町の避難所で生活していた80代の男性は、今月9日の夜、体調を悪化させて病院に搬送されその後、急性心不全で亡くなりました。

遺族によりますと、男性は心臓や肺に持病があり、避難所で十分に暖をとることができず、眠れない状況が続いていたということです。

また、能登町の避難所に身を寄せていた90代の女性は今月11日、朝食の最中に食事をのどに詰まらせて病院に搬送され、その後、亡くなったということです。

一方、年代や性別などを公表していない珠洲市で、NHKが市内の病院に取材したところ、県の集計に入っているかどうかはわからないものの、被災して死亡した人の中に
▽90代の女性が地震のあとの避難所生活で薬が服用できなかったとみられるケースや、
▽80代の男性が避難生活でふだん食べていた流動食を摂取できなくなり、誤えん性肺炎を発症したとみられるケースがありました。

8年前の熊本地震で犠牲になった人のうち8割近くが「災害関連死」で亡くなっていて、今回の地震でも避難の長期化が懸念されるなか、「災害関連死」をどう防ぐか大きな課題となっています。

安否不明者22人 (14時)

石川県は、15日午後2時の時点で、家族や親族などからの情報をもとに、自治体を通じてまとめた安否が分かっていない人、あわせて22人の名前、住所、性別、年齢を公表しました。

自治体ごとの内訳は、
輪島市が18人、
珠洲市が4人です。
年齢は、わかっている人で36歳から97歳となっています。

県は、この中には、転居などで連絡が取れないものの無事だった人が含まれている可能性があるとして、広く情報の提供を求めています。

連絡先は石川県危機対策課、076-225-1306です。

避難者 390か所で1万6742人 (14時)

石川県によりますと、県内の市や町が設ける避難所に避難している人は、15日午後2時の時点で、390か所で1万6742人となっています。

自治体別にみると、
金沢市が9か所で335人
七尾市が28か所で1718人
小松市が1か所で4人
輪島市が149か所で6355人
珠洲市が49か所で3170人
羽咋市が2か所で103人
かほく市が2か所で29人
白山市が1か所で45人
津幡町が1か所で30人
内灘町が3か所で128人
志賀町が41か所で1150人
宝達志水町が1か所で24人
中能登町が2か所で52人
穴水町が43か所で1800人
能登町が58か所で1799人

このほか石川県は、高齢者や妊婦など、配慮が必要な被災者とその家族を優先して旅館やホテルなど、「2次避難所」への受け入れを進めています。

▽金沢市や小松市、それに加賀市などにある旅館とホテル、あわせて26か所の2次避難所には、1083人が避難しているほか、
▽被災者を一時的に受け入れる「1.5次避難所」で、金沢市にある「いしかわ総合スポーツセンター」と「石川県産業展示館」には、あわせて239人が避難しています。

少なくとも1万9183棟の住宅被害を確認 (14時)

自治体別にみると
金沢市では全壊、半壊、一部破損があわせて2600棟
七尾市では全壊、半壊、一部破損があわせて5452棟
小松市では、半壊が5棟、一部破損が753棟
加賀市では全壊が5棟、半壊が13棟、一部破損が715棟
羽咋市では全壊、半壊、一部破損があわせて1217棟
かほく市では全壊、半壊、一部破損があわせて742棟
白山市では一部破損が59棟
能美市では半壊が1棟、一部破損が135棟
野々市市では一部破損が10棟
川北町では一部破損が2棟
津幡町では全壊、半壊、一部破損があわせて726棟
内灘町では全壊、半壊、一部破損があわせて1038棟
志賀町では全壊、半壊、一部破損があわせて2549棟、床上浸水が6棟、床下浸水が5棟
宝達志水町では全壊、半壊、一部破損があわせて544棟
中能登町では全壊、半壊、一部破損があわせて1254棟
穴水町では全壊、半壊、一部破損があわせて1000棟
能登町では全壊が352棟で、半壊、一部破損は多数となっています。

輪島市と▽珠洲市でも多数の住宅に被害が出ていますが、現在も全体状況は把握できていないとしています。

石川で59校が休校 48校で再開めどたたず

文部科学省のが15日正午時点の被害状況をまとめたところ、学校施設や文化財などの被害は1509件となり、石川県では59校が休校しています。

文部科学省が都道府県を通じてまとめた被害状況によりますと、  
▼小中学校や高校、それに大学などの学校施設は、
石川県で291校
新潟県で281校、
富山県で271校など2府9県の861校で被害が確認されています。

また、
▼体育館や図書館などの施設の被害は6県で429件、
▼国宝や国の重要文化財などは4県で219件で、学校施設とあわせると1509件の被害が確認されています。

一方、15日時点の休校は石川県で
▽小学校が30校、
▽中学校が11校、
▽高校が13校、
▽特別支援学校が3校などあわせて59校です。
このうち48校で再開のめどがたっていないということです。

停電 能登地方で約8600戸(17時)

北陸電力送配電によりますと、今回の地震の影響で、石川県の能登地方では15日午後5時の時点で8600戸余りが停電しています。

(自治体別)
輪島市がおよそ5200戸
珠洲市がおよそ2400戸
穴水町がおよそ710戸
能登町がおよそ310戸
志賀町がおよそ10戸など

8市町 約5万5500戸で断水続く

石川県によりますと、15日午後2時時点で、8つの市と町のあわせておよそ5万5500戸で、断水が続いているということです。

【ほぼ全域で断水】
輪島市でおよそ1万戸
珠洲市でおよそ4800戸
穴水町でおよそ3200戸
能登町でおよそ6100戸
七尾市でおよそ2万400戸
志賀町でおよそ8800戸

【一部の地域で断水】
羽咋市でおよそ1350戸
内灘町でおよそ860戸です。

津波による浸水被害 3つの市町で約190ha確認

林官房長官は午後の記者会見で、津波による浸水被害について「国土交通省が現時点で石川県珠洲市、能登町、志賀町の3つの市と町でおよそ190ヘクタールの浸水を確認した。浸水が生じた箇所を中心に県が管理する少なくとも7つの海岸で堤防の損壊などを確認している。引き続き、被害の全容把握に努めるとともに、損壊した堤防の早期復旧に向けて必要な県への技術的支援などを強化していく」と述べました。

石川県 全体の8割以上にあたる58の漁港で被害

石川県の馳知事は、能登半島地震による農林水産業の被害について、15日までにまとめた調査結果を発表し、全体の8割以上にあたる58の漁港で被害が出ていることなどを明らかにしました。

ただ、能登地方では調査が進まず、被害の全体像の把握には時間がかかるということです。

石川県の馳知事は、能登半島地震で15日までにまとめた農林水産業の被害について発表しました。

それによりますと、漁業では県内69の漁港のうち、全体の8割以上にあたる58の漁港で地盤が隆起して陸地になったり、製氷施設が壊れたりする被害が出ています。

また、漁船は転覆したり、沖に流されたりして、少なくとも172隻が被害を受けました。

畜産業では、農場の断水と、施設の損壊が、それぞれ43件でした。

いっぽう、農業では金沢市や小松市などの県南部の自治体で、農地でのり面の崩壊などの被害が41件、農道の被害も73件にのぼっていますが、能登地方の被害は把握できていないということです。

能登地方では調査が進まず、被害の全体像の把握には時間がかかるということです。

県は農林水産業の復旧に向けて応急的な対応を進めているということで、馳知事は、「生産者の意欲は失われていない。意見を聞いたうえで、できることから支援を進めたい」と話していました。

《富山県》

氷見と高岡で62人が避難 氷見の850戸で水道復旧せず

富山県内では15日時点で、氷見市と高岡市であわせて62人が避難し、氷見市の850戸で水道が復旧していません。

【県外犠牲者】
今回の地震では、
▽石川県輪島市に帰省していた富山市の中学1年の男子生徒と、
▽石川県珠洲市に帰省していた富山市の30代の女性が、住宅の倒壊に巻き込まれて亡くなりました。

【県内けが人】
また、県によりますと、15日時点で、44人がけがをし、このうち3人が重傷です。市町村別では、
富山市で18人
氷見市で9人
黒部市で5人
射水市で4人
高岡市で3人、
魚津市で2人
小矢部市で2人
砺波市が1人

【住宅被害】
住宅への被害は15日午後1時の時点で、氷見市で38棟が全半壊、高岡市で35棟が半壊となるなどあわせて3246棟で被害が確認され、14日から300棟余り増えました。

市町村別では
高岡市で805棟
射水市で765棟
富山市で621棟
小矢部市で580棟
氷見市で205棟
朝日町で61棟
滑川市で44棟
上市町で35棟
黒部市で33棟
砺波市で33棟
入善町で27棟
魚津市で17棟
南砺市で13棟
立山町で7棟で
舟橋村を除く14の市と町で被害が確認されています。

【断水】
また15日午前11時の時点で、
氷見市で350戸が断水し、500戸が生活用水としては利用できるものの飲めない状態となっていて、あわせて850戸で水道が復旧していません。

【避難】
避難も続いています。自主避難所を含めて
氷見市で38人
高岡市で24人
あわせて62人が避難しています。

富山 氷見 避難所での生活が長期化

能登半島地震で震度5強を観測した富山県氷見市では地震から2週間たったいまも一部で水道が復旧しておらず、避難所での生活も長期化しています。

地震の発生から2週間たちましたが、自主避難所となっている氷見市姿地区の集会所には、15日も自宅が損壊した人など、8人が寝泊まりしています。

この避難所は地区の住民たちが自主的に設けた場所で、これまで食事は自分たちで用意するなど地域の強いつながりで成り立っています。

しかし、長期化する避難生活で疲れも見られ、慣れ親しんだ地区から離れる決断を迫られる人もいて、避難所に残る人も不安な思いを募らせていました。

山本とし子さん(89)は「座布団を枕にしているので首の周りが痛くなってきました。じっとしていることが多く、足の動きが悪くなってきたような気がします」と話していました。

中谷美江子さん(74)は「避難してから2、3日は大量の食事を作ることが大変でした。私の家は大丈夫でしたが、多くの方が姿地区から離れると聞いて、さみしく思います」と話していました。

氷見市ではいまもおよそ350戸で断水し、500戸では、生活用水としては利用できるものの飲み水としては利用できない状態となっています。

市内に設けられた給水所には、雪が降りしきる寒さの中、住民が給水に訪れていました。

1日2回給水所を訪れるという松田康宏さん(68)は「蛇口をひねるとさびたような赤い水が出ます。飲み水としては使えず、食事のたびに給水所に来たり、洗濯はきれいな水が出る親戚の家にお願いしたりと大変です」と話していました。

《新潟県》

49人がけが(15日時点)

新潟県で49人がけがをしました。

被害を受けた住宅 3863棟

新潟県内で能登半島地震による被害を受けた住宅は14日から450棟増え、3863棟となりました。

新潟県などによりますと今回の地震で県内では49人がけがをし、新潟市内の小学校に通う児童1人が帰省先の石川県内で被災し、亡くなりました。

15日までに県内で被害が確認された住宅は新潟市を中心にきのうから450棟増えて3863棟となっています。

内訳は全壊が23棟、半壊が591棟、一部破損が3234棟、津波による被害は床上浸水が1棟、床下浸水が14棟です。

一方、新潟市に提出された「り災証明書」の交付のための調査の申請は、きょうまでに7600件に上っています。

また、新潟市や上越市の公立の学校の28校で新たに地震による被害が確認されました。

《福井県》(15日時点)

福井県で6人がけがをしました。

《岐阜県》(15日時点)

岐阜県で1人がけがをしました。