【被害状況 10日】石川県で206人死亡 安否不明者52人(14時)

石川県によりますと、10日午後2時の時点で、県内であわせて206人の死亡が確認されたということです。

また、県は安否が分かっていない人として、52人の氏名や年齢などを公表し広く情報の提供を求めています。


各地の被害について、随時更新でお伝えしています。

《石川県》

石川県 206人死亡「災害関連死」の疑い8人(午後2時)

石川県によりますと、10日午後2時の時点で、県内であわせて206人の死亡が確認されたということです。

珠洲市で91人、輪島市で83人、穴水町で20人、七尾市で5人、能登町で4人、志賀町で2人、羽咋市で1人となっています。

このうち、新たに能登町の1人について、石川県は「災害関連死」の疑いがあると発表しました。これで「災害関連死」の疑いは、▼珠洲市の6人、▼能登町の2人のあわせて8人となりました。

内閣府によりますと、「災害関連死」は地震の揺れや津波などによる直接的な被害で亡くなるのではなく、その後の避難生活などで病気などが悪化したり、体調を崩したりして命が失われるケースを言います。

また、重軽傷者は県内全体で少なくとも567人にのぼっています。

安否不明者52人(午後2時)

県は10日午後2時の時点で、安否が分かっていない人として、52人の氏名や年齢などを公表し、広く情報の提供を求めています。

今回の地震では救助や捜索活動が続く一方、石川県内でどれだけの人が被害にあったのかは依然、分かっておらず、県は被害を受けた地域にいたとみられる人の所在の確認を進めています。

県は10日午後2時の時点で、家族や親族などからの情報をもとに、自治体を通じてまとめた、安否が分かっていない人、あわせて52人の名前、住所、性別、年齢、または年代を公表しました。

それによりますと、自治体ごとの内訳は、輪島市が41人、珠洲市が7人、七尾市が2人、能登町と金沢市がそれぞれ1人です。年齢は、わかっている人で20歳から97歳となっています。

県は、この中には転居などで連絡が取れないものの、無事だった人が含まれている可能性があるとして、広く情報の提供を求めています。連絡先は石川県危機対策課、076-225-1306です。

孤立状態 少なくとも22地区3100人余り(午後2時)

石川県によりますと、10日午後2時現在、輪島市、珠洲市、能登町の少なくとも22地区の3100人余りが道路が通れなくなるなどして依然として孤立状態になっているということです。

【孤立状態】
(輪島市)
▼大屋地区の149人、
▼河原田地区の25人、
▼鵠巣地区の698人、
▼町野地区の104人、
▼南志見地区の219人、
▼西保地区の814人、
▼仁岸地区の7人、
▼小山地区の26人、
▼諸岡地区の61人、
▼上河内地区の7人、
▼小石地区の8人、
▼本郷地区の3人、
▼浦上地区の303人、
▼七浦地区の351人。

(珠洲市)
▼真浦町の4人、
▼清水町の8人、
▼仁江町の3人、
▼片岩町の37人、
▼長橋町の50人、
▼大谷町の234人。

(能登町)
▼水滝地区の5人、
▼柳田信部地区の8人。

孤立状態になっているのは県内であわせて、少なくとも22地区、3124人にのぼります。

このほか、孤立状態は解消されたものの、道路の状態などが不安定だとして引き続き支援が必要な「要支援集落」が多くあるということです。

避難所に避難 2万5770人(午後2時時点)

石川県によりますと、県内の市や町が設ける避難所に避難している人は、398か所で2万5770人となっています。

自治体別にみると、
▼金沢市が2か所で25人、
▼七尾市が31か所で2189人、
▼輪島市が166か所で1万2040人、
▼珠洲市が67か所で5379人、
▼羽咋市が1か所で100人、
▼かほく市が2か所で44人、
▼津幡町が1か所で34人、
▼内灘町が4か所で130人、
▼志賀町が14か所で850人、
▼宝達志水町が1か所で36人、
▼中能登町が4か所で81人、
▼穴水町が43か所で2225人、
▼能登町が62か所で2637人となっています。

一方、小松市と加賀市では9日までに避難所は閉鎖されました。
このほか、県は高齢者や妊婦など配慮が必要な被災者とその家族を優先して、旅館やホテルなど「2次避難所」への受け入れを進めています。

▼加賀市と小松市にある旅館やホテルなど、あわせて7か所の2次避難所には182人が避難しているほか、▼被災者を一時的に受け入れる「1.5次避難所」である金沢市の「いしかわ総合スポーツセンター」には84人が避難しています。

少なくとも1825棟の住宅被害確認

石川県によりますと、10日午後2時時点で、県内では穴水町などで、少なくとも1825棟の住宅被害が確認されたということです。

輪島市や珠洲市などでも多数の住宅に被害が出ていますが、依然として全体状況は把握できていないとしています。

自治体別にみると
▽金沢市では全壊が4棟、
▽七尾市では全壊が225棟、
▽加賀市では全壊が5棟、半壊が10棟、一部破損が89棟、
▽羽咋市では全壊が15棟、
▽白山市では一部破損が27棟、
▽川北町では一部破損が1棟、
▽志賀町では全壊が8棟、半壊が15棟、一部破損が16棟、床上浸水が6棟、床下浸水が5棟、
▽中能登町では全壊が20棟、半壊が11棟、一部破損が16棟、
▽能登町では全壊が352棟で、半壊または一部破損が多数、
▽穴水町では全壊または半壊、一部破損が1000棟となっています。

一方、▽輪島市と▽珠洲市、▽かほく市、▽内灘町では、多数の住宅に被害が出ていますが、現在も全体状況は把握できていないとしています。

建物被害 5000近くか 民間会社が衛星画像で分析

民間の測量会社「パスコ」はフランスの人工衛星が2日、輪島市の中心部や珠洲市など、能登半島の8つの地域を撮影した画像を地震前の画像と比較し、住宅やビル、倉庫なども含む建物被害の状況を詳しく分析しました。

その結果、輪島市中心部や珠洲市の沿岸部などを中心に、倒壊していたり建物の一部が道路上にはみ出たりするなどの被害が出ている可能性のある建物は少なくとも4865に上ることが分かりました。

詳しい内訳は▽市役所周辺など輪島市中心部で1227、▽輪島市門前町で714、▽珠洲市と能登町で1136、▽穴水町で265、▽七尾市や志賀町、中能登町で1523となっています。

このうち、「全壊」と判別された建物は1765に上っています。

全壊の建物が最も多かった輪島市の中心部では、大規模な火災があった「朝市通り」周辺のほか、広い範囲で建物の倒壊が起きていることが分かりました。

また、珠洲市では宝立町の海岸沿いで多くの建物の流出が確認できますが、浸水エリアの外でも多くの建物が倒壊していて、宝立町金峰寺では複数の住宅が崩れていました。

石川県は全容を把握できていないしたうえで、午後2時点での住宅被害は少なくとも1825棟、調査結果はそれを大きく上回っている可能性を示しています。

ただ、分析範囲は能登半島の一部にとどまるほか、衛星画像上で被害がないように見えても、実際には被害が出ている可能性もあり、被害を受けた建物はさらに多いとみられます。

《富山県》

41人けが

今回の地震では、富山市に住む中学1年の男子生徒が石川県輪島市に、同じく富山市の30代の女性が石川県珠洲市に帰省中に、住宅の倒壊に巻き込まれて亡くなりました。

また、富山県によりますと、県内では10日時点で、41人がけがをして、このうち3人が重傷です。

市町村別では、▼富山市で16人、▼氷見市で9人、▼黒部市で5人、▼高岡市と射水市でそれぞれ3人、▼魚津市と小矢部市でそれぞれ2人、▼砺波市が1人です。

104人が避難

自主避難所を含めて、あわせて6か所で104人が避難生活を余儀なくされています。市町村別では▼氷見市が自主避難所にいる10人を含めるとあわせて69人、▼高岡市が35人となっています。

1873棟で住宅被害確認(午後1時半)

富山県内の住宅への被害は10日午後1時半の時点で、氷見市で38棟が全半壊、高岡市で6棟が半壊となるなど、あわせて1873棟で被害が確認され、9日まで確認された件数の1.9倍に増えました。

市町村別では
▽射水市で560棟、
▽小矢部市で363棟、
▽高岡市で317棟、
▽富山市で264棟、
▽氷見市で205棟、
▽朝日町で50棟、
▽滑川市と上市町でそれぞれ23棟、
▽入善町で18棟、
▽砺波市で16棟、
▽魚津市で15棟、
▽黒部市で7棟、
▽立山町と南砺市でそれぞれ6棟の被害が確認されています。

4250戸で断水(午前11時)

10日午前11時時点で、▼小矢部市で水道が復旧しましたが、▼氷見市の3590戸で断水し、660戸で生活用水として利用できるものの飲めない状態となっていて、あわせて4250戸で水道が復旧していません。

氷見市で融雪装置の破損相次ぐ

地面に埋めたパイプから放水し、道路の雪をとかす融雪装置の破損が相次いでいます。

雪に備えた対策として、氷見市は総延長29キロの融雪装置を道路に設置し、32の区域に分けて管理しています。担当する市の道路課が地震後に点検したところ、10日時点で、全区域のうちおよそ半分にあたる17の区域で破損が確認されたということです。

このうち、氷見市北大町の市道では地震の影響で地面に亀裂が入り、亀裂の間からは融雪装置のパイプが割れている様子が確認できます。

市によりますと、現在は断水の復旧を優先して作業にあたっているため、修復のめどはたっていないということで、今後、雪が降った場合は業者に依頼して、融雪装置が使用できない道路も除雪することを検討しています。

道路の状況によっては除雪車が入れない場所も多くあり、今後、除雪ができるのかが課題となっています。

氷見市道路課の堂田正仁課長は「雪が降った場合、除雪が十分行き届かないことが予想されますので、通行に注意してもらい、降雪時には不要不急の外出を控えてもらいたいと思います」と話しています。

《新潟県》

新潟市内の89の公立の小中学校・高校などで建物被害

今回の地震で新潟市内にある学校なども大きく影響を受けました。

新潟市には公立の小中学校や高校、それに特別支援学校や幼稚園が174ありますが、新潟市教育委員会によりますと、今回の地震で9日までに、半数以上にあたる89で被害が確認されました。

敷地内で地面の陥没や液状化現象が確認されたり、建物にひび割れが起きたりしているということです。

最も影響が大きかった地区は新潟市西区で、23の学校などが被害を受けました。

このうち、坂井輪中学校では地震の揺れで校舎に亀裂が入って一部が砕けているほか、壁に隙間が空く被害も確認され、9日予定していた授業の再開が11日に延期されました。

再開後、受験が近い3年生については近隣の小学校の教室を借り、1年生と2年生についてはオンラインで授業を行う予定となっています。

一方、新潟市教育委員会によりますと、坂井輪中学校以外の公立の小中学校は10日までに授業が再開されたということです。

《学校施設・文化財など》

学校施設・文化財などで1222件の被害確認(10日正午時点)

文部科学省が都道府県を通じて10日正午時点でまとめた被害状況によりますと、▼小中学校や高校、それに大学などの学校施設は、▽新潟県で261校、▽富山県で259校、▽石川県で232校など1府8県の763校で被害が確認されています。

また、▼体育館や図書館などの施設の被害は5県で316件、▼国宝や国の重要文化財などは4県で143件の被害が確認され、学校施設などと文化財をあわせると1222件の被害が確認されています。

一方、10日時点の休校は▼石川県で▽小学校が44校、▽中学校が20校▽高校が21校、▽特別支援学校が3校などあわせて91校、そのほか新潟県で中学校1校が休校になっています。

石川県では再開のめどがたっていない学校もあります。

文部科学省は被災した学校施設の危険性と当面の使用ができるかを判定するため、「応急危険度判定士」の資格を持つ職員9人を石川県内に派遣することにしています。