能登半島地震 外国人の被災者 今後の生活に不安訴える人も

今回の能登半島地震では、石川県内に住む多くの外国人も被災しています。避難生活を続けている人の中には支援へ感謝を示す一方、職場も被災する中で今後の生活に不安を訴える人もいます。

石川労働局によりますと、県内で働く外国人労働者は、おととし10月末の時点で1万1450人と、多くの外国人が製造業や慢性的な人手不足が続く介護・福祉の分野を支えています。

国籍別では、ベトナムが最も多く4321人と全体の3分の1以上を占めています。

今回の地震で被災し、石川県穴水町で避難生活を続けているベトナム人のルオン・ドク・チンさん(35)が7日、オンラインのインタビューに応じました。

チンさんは4年前に来日し、卵の仕分けなどを行う工場で働いていて、地震が起きた直後、共同生活を送るほかのベトナム人とあわてて自宅から外に出たところ、近所の人たちから津波が来るから逃げるよう言われ、一緒に高台に避難したということです。

その後、近所の人たちと一緒に避難所に移り、夜を明かしたということです。

チンさんは避難生活について「外国人に対しても皆、日本人と同じように接してくれ、差別もなく、とても親切だ」と話し、支援に感謝を示しました。

一方で、職場も被災したため今後、仕事がなくなったり解雇されたりするのではないかと心配しているということで、「ここで働いている人たちや、留学している学生たちが一日も早く仕事に戻り、学べるように手助けしてほしい」と述べ、支援を訴えました。