【6日】輪島 珠洲など18地区が孤立状態 他にも支援必要な集落

石川県によりますと、6日午後2時現在、能登地方の4つの市と町の少なくとも18の地区が、依然として孤立状態になっているということです。

孤立状態の地区(6日午後2時現在)

道路が通れなくなるなどして孤立状態になっているのは以下の地域です。

輪島市】14の地区
▼大屋地区、▼河原田地区、▼鵠巣地区、▼町野地区、▼南志見地区、▼三井地区、▼西保地区、▼仁岸地区、▼小山地区、▼諸岡地区、▼小石地区、▼本郷地区、▼浦上地区、▼七浦地区など

珠洲市】2つの地区
▼真浦町▼高屋町など

穴水町
▼麦ケ浦地区など

【能登町】
▼水滝地区など

支援が必要な「要支援集落」(6日午後2時現在)

このほかに、孤立状態は解消されたものの、道路の状態などが不安定だとし、引き続き、支援が必要な「要支援集落」があるということです。

珠洲市】12の地区
▼蛸島旧保育所、▼大谷町▼馬緤町▼折戸町▼仁江町、▼折戸木ノ浦▼川浦町▼狼煙町横山▼宝立町大町泥木、▼三崎町寺家、▼三崎町杉山▼三崎町雲津など

穴水町】5つの地区
▼北七海地区▼丸山地区▼上唐川地区▼鹿波地区▼中居地区など

【能登町】2つの地区
▼北河内地区▼桐畑地区など

七尾市
▼中島町河内地区などが

志賀町
一部の自主避難所など

NHKに寄せられた孤立状態の地域の情報(6日午後5時まで)

NHKの情報提供窓口「ニュースポスト」と「スクープBOX」には、石川県の輪島市や珠洲市、それに能登町などで孤立状態になっているという情報が複数寄せられています。

●6日午後5時までにNHKが新たに確認した情報は以下の通りです。

【輪島市】
▽大沢町
大沢町で家族が孤立しているという30代の女性は「両親と兄の一家が取り残されて、連絡がほとんど取れなくなり、SNSなどでつながった人と大沢町の状況を確認しあっていました。兄の一家は6日朝にヘリコプターで救助され、LINEで連絡が取れたのでほっとしました。しかし、兄が出たあとに悪天候でヘリが飛べなくなったと言っていて、まだ、両親が救助されたという連絡がないので心配です。どこも大変だと思いますが、雪が降る前になんとか助け出されてほしいです」と話していました。

●5日午後8時までにNHKが確認した情報は以下の通りです。
※その後、孤立が解消している地域が含まれている可能性があります。

【輪島市】
▽西二又町、▽上山町、▽空熊町飛垣地、▽赤崎町、▽鵜入町

●4日午後7時までにNHKが確認した情報は以下の通りです。
※その後、孤立が解消している地域が含まれている可能性があります。

【輪島市】
▽町野町広江、▽町野町寺山、▽長井町、▽深見町一乗地区、▽門前町七浦地区、▽門前町皆月地区、▽白米町、▽空熊町前田、▽空熊町別所、▽滝又町、▽別所谷町、▽稲屋町、▽小池町

【珠洲市】
▽川浦町、▽笹波町

【能登町】
▽小間生地区、▽十郎原地区

孤立状態の輪島市町野地区の状況は…

輪島市の「町野地区」は市街地などから向かう道ががけ崩れによって寸断され、車での行き来が出来なくなっています。

町野地区に80歳の母親が1人で暮らしている鳥毛崇さん(51)は、地震のあと連絡が取れなくなったことから、地震発生の翌日の2日、徒歩で地区に向かいました。

輪島市役所の支所などがある町野地区中心部の集落、「粟蔵」では倒壊した建物や道路の陥没などがいたるところで見られました。

さらに、山あいの「寺山」の集落に向かう途中にも道路の寸断やがけ崩れ、倒木などがあり、集落の公民館には鳥毛さんの母親を含む40人ほどの人が避難していましたが、支援物資が届かず、水や食料も不足した状態だったということです。

鳥毛さんは「もともと雪深い地域なので、これから何十センチも雪が降ると陸路で向かうことは厳しいので不安です。私が訪れたときは避難している人たちが自宅から灯油を持ち寄ってストーブで暖を取っていましたが、そろそろ燃料も尽きると思うので心配しています」と話していました。

輪島市 孤立把握しきれず

石川県輪島市によりますと、孤立地域は道路をふさいでいる土砂などが取り除かれて、一部では解消されているということですが、市内全体では小さな集落を含めて、どの程度が孤立状態にあるか把握しきれていないということです。

輪島市 自衛隊のヘリで救助続く

輪島市大沢町では今月1日の地震で道路が寸断されるなどして孤立した状態が続いていて、自衛隊がヘリコプターを使って住民の救助活動を行っています。

6日午前中、輪島市のマリンタウンにあるグラウンドにはヘリコプターで救助された住民が次々に降り立ちました。

家族6人で帰省していたという白山市に住む東謙太郎さん(40)は「電気は使えませんでしたが、食料は確保されていました。日がたつにつれて精神的にも追い詰められ、歩いて移動しようとも考えていました。救助されてほっとしています」と話していました。

また、娘2人と一緒に帰省していた60代の男性は「体調は大丈夫ですが精神的にきつかったです」と話していました。

珠洲市 孤立解消に向かうも 物資不足

珠洲市によりますと、これまでに孤立状態が続いていた地区の多くと、市の中心部などを結ぶ道路が通行できるようになったということです。

自衛隊によりますと、このうち、高屋町地区と馬緤町地区と市の中心部とを結ぶ農道は道をふさいでいた倒木や土砂の撤去作業が5日終わり、5日夜から自衛隊が物資を届け始めました。

ただ、この農道の途中には亀裂が入るなどしていて、一般の車両の通行は依然、厳しい状況が続いています。

高屋町地区から、地震が起きてから初めて農道を通ってきたという50代の男性は、「勤務先に電話しなければならず、道を通ってきた。ただ、通れる車は限られていて、地区では物資も不足していてまだ孤立状態だ」と話していました。

また、高屋町地区の30代の男性は「道路はかろうじて通ることができたが、別の道も開通してほしい。地区は今も孤立していて、ガソリンと灯油が全然足りていない」と話していました。