【会見詳細】大谷翔平 ドジャース入団「勝つことが一番大事」

大リーグ、ドジャースと10年契約を結んだ大谷翔平選手がドジャースタジアムで入団の記者会見に臨み、背番号「17」の真新しいユニフォーム姿を披露しました。

会見で大谷選手は「勝つことが今の僕にとっていちばん大事なこと」と話し、悲願のワールドシリーズ優勝に向けた強い決意を示しました。

ドジャースと10年契約を結んだ大谷選手は現地時間の14日午後3時、日本時間の15日午前8時から本拠地のドジャースタジアムで行われた入団会見に臨みました。

スタジアムのセンター後方にある広場に設置された会見場には、テレビカメラが50台以上、400人を超える報道陣や球団関係者が集まり、気温20度を超えるカリフォルニアらしい青空のもと、紺色のスーツにブルーのネクタイ姿の大谷選手が姿を見せました。

大谷選手ははじめに「ドジャーブルー」と呼ばれる鮮やかな青色で背番号「17」が入った真新しいユニフォームに袖を通し、「選手としての自分を信じてくれたドジャースのみなさんに感謝します。明確な勝利を目指すビジョン、豊富な歴史を持つドジャースの一員になることを心からうれしく思うと同時に興奮しています」と今の思いを話しました。

そしてフリードマン編成本部長やロバーツ監督、それに通訳の水原一平さんなどと笑顔で記念撮影し、質疑応答に臨みました。

およそ20分行われた質疑応答では、優勝への思いについて「優先順位は、いちばん上。勝つことが今の僕にとっていちばん大事なことだと思うし、優勝に欠かせなかったと言われる存在になれるよう全力で頑張りたい」と話し、悲願のワールドシリーズ優勝に向けた強い決意を示しました。

各球団の激しい争奪戦の末にドジャースを選んだ理由については「発表した前の日の夜に決断した。理由はこれが1つというわけではないが、ここでプレーしたいという気持ちに素直に従った」と率直な思いを明かしました。

また、9月に受けた右ひじの手術からのリハビリについてはすでに素振りを始めているとして「キャンプで試合に入れる準備ができていれば開幕に十分間に合うんじゃないか」と話し、来年3月に韓国で行われるパドレスとの開幕戦出場に意欲を示しました。

このほか、MVP=最優秀選手を受賞した際に話題となった愛犬の名前について質問が及ぶと「デコピンです。こちらの人は発音が難しいので、こちらではディコイで紹介しています」と笑顔で話す場面も見られました。

代理人 ネズ・バレロ氏「我々のやり方」

大谷選手の代理人を務めるネズ・バレロ氏は、会見のあと報道陣の取材に応じ、契約が決まるまで交渉の状況を一切、明かさなかったことについて「最高の結果を得るために必要なことだった。やるべきことをやらせてくれたことに感謝している」とした上で、「沈黙を貫くことを楽しんでいたわけではなくて、それが、われわれのやり方だった。大谷選手はそういったプロセスを理解していたと思う」と話していました。

その上で、古巣のエンジェルスとの交渉について言及し、「エンジェルスは翔平にとって6年間いた愛する特別な場所で、彼らにも機会を与えたかった。最後まで話をしたし、彼らにも私たちにもチャンスはあったと思う。ただ、うまくいかなった」として、詳細は伏せたものの残留の可能性を探りつつも契約に至らなかった内情を明かしました。

また、ことし9月に行った右ひじの手術については「彼がした手術には名前がないようなもので、前回とはまったく違うものだ。前回よりも早いペースで回復していて、来週にはティーバッティングもできると思う」と話し、順調に回復していることを明かしました。

さらに、2012年のプロ野球・日本ハムの入団会見、2017年のエンジェルスの入団会見、そして今回の契約の発表がいずれも12月9日だったことについて聞かれると、「すべて計画していたと言いたいところだけど、偶然だと思う。たまたまその日が12月9日だった」と笑顔で答えていました。

ロバーツ監督「ずっと夢に見ていた」

ドジャースのロバーツ監督は会見後に報道陣の取材に応じ、大谷選手をチームに迎えたことについて「ずっと夢に見ていた。最高の期待感の中にいる。ドジャースの歴史にとってすばらしい日になった。ここが世界のスポーツの中心だ。とても興奮している」と喜びを語りました。

そして、「最高の才能を持った選手がドジャースのユニフォームを着るということが、自分の顔をつねるくらい今でも信じられない。時間をかけて信頼関係を築いていきたい」と話していました。

また、来シーズンの打順については主力のフリーマン選手と一緒に大谷選手とやり取りしたことを明かし「トレーニングルームにいるとき、フリーマンに『誰が2番で、誰が3番なんだ?』って直撃された。これからみんなで作り上げていくけれど、すばらしい選択肢がある」と大谷選手の加入でさらに厚みを増した打線をイメージしながら笑顔で話していました。

8:36ごろ

入団会見終わる

大谷選手のドジャース入団会見は、日本時間の午前8時36分ごろ、終了しました。

「ファンの熱を感じる」

ドジャースのファンの印象について聞かれると、「入団してから知ることが多いと思うが、毎回、青いユニフォームを着た方々がたくさん球場にいるのでファンの熱があるのは感じている」と答えました。

「メインのお二人方と契約」

球団のフリードマン編成本部長やウォルターオーナーが退団した場合に契約を見直すことや破棄することができる条件がどれくらい大事かと問われ「同じ方向を向いているというのが大事だと思っているので、ドジャースに入団すると同時にメインのお二方と契約するという形だ。そこがもし崩れるのであれば、この契約自体も崩れることになる、そういう契約かなと思う」と話しました。

「常に挑戦したい」

エンジェルスに入団した時と今、ドジャースに入るにあたっての心境の違いについて問われると、「全体的な気持ちは変わってない。常に挑戦したいと思っている。ここにお世話になると決めたあとも、そこに対してのチャレンジだと思っている。ただ来るということは去るチームもありますし、日本でいえば(日本ハム)ファイターズだった。今回はエンジェルスでそこの寂しさというのが心の中にあるのは事実だ」と話しました。

「十分開幕に間に合うと思う」

バッターに専念する来シーズンに向けて「バッティングは今もう素振りを始めているのでおおむね予定どおりに来ていて、若干早いぐらいの感じで来ているので十分開幕に間に合うと思う。スプリングトレーニングでしっかりゲームに入れる準備ができていれば十分間に合うと感じている」と話していました。

「飼い犬の名は『デコピン』」

今シーズンのMVPに選ばれた際に、アメリカの番組の中継に出演しましたが、その際にソファーに一緒に座っていた犬を右手でなでる姿が話題となりました。その飼っている犬の名前について聞かれると、「『デコピン』というが、こちらの人には発音的には難しいので、『ディコイ』と紹介しています」と柔らかな表情で答えました。

「優勝目指し欠かせなかったと言われる存在に」

勝つために必要なことについて「一番大事なのは全員が同じ方向を向いていること。チームメートやファンなどみんながそこに向かっていることだ」と話していました。

また、世界一の選手になるためのビジョンについては、「優勝をすることを目指しそこで欠かせなかったと言われる存在にまずはなりたい。そういう期待を込められた契約だと思うのでその期待に応えていけるように今後も全力で頑張っていきたい」と意気込んでいました。

「勝つことが一番大事なことだ」

ワールドシリーズでの優勝を目指すことがドジャースを決めた理由の1つかと聞かれると、「僕自身、一番上のところにあるので、野球選手としてあとどれくらいできるか誰もわからない。勝つことが一番大事なことだ」と話しました。

そして、何球団からドジャースを選んだかを問われると、「何球団というのはここで言っていいのか、差し控えるが、ドジャースがこれをもっているからというよりはオーナーも含めてこの10年間を全く成功だと思っていないと言っていたので、それだけ勝ちたいというのが心に残った」と話しました。

「年俸 後払いでいいです」

年俸のほとんどを契約終了後の後払いにした理由について、「後払いはどの選手も大型契約になるとある。そのパーセンテージに関しては選手に一任するということで、そこを含めて自分が今受け取れる金額を我慢して、柔軟性を持たせるのであれば『後払いでいいです』というのが始まりです」と述べました。

「手術をどう表現するかは専門外」

2回目のひじの手術についてトミー・ジョン手術ではなかったのかを聞かれると、「最初の段階でどういう手術になるか、決まっていなかった」とした上で、トミー・ジョン手術だったのかをさらに問われると「前回とはまた違うので、手術をどう表現するか専門外、ドクターがどう表現するかだ」と話しました。

「ここでプレーしたい気持ちに素直に従った」

ドジャース入団を決めた時期について「入団を発表したのは次の日のお昼なのでその前の晩です」と述べ、決断の理由については「決断理由はこれが1つというわけではなく交渉をさせていただいたすべての球団の皆さんと話をして本当にどの球団もすばらしかった。自分が最終的にここでプレーしたいなという気持ちに素直に従った結果だ」と述べました。

「心からうれしく思い、すごく興奮しています」

大谷選手は「明確な勝利を目指すビジョンと、歴史を持つドジャースの一員になれることを心からうれしく思い、すごく興奮しています」とドジャースに入団した喜びを話しました。

「自分を信じてくれて感謝しています」

日本時間の午前8時10分ごろ、大谷選手は冒頭のあいさつで「選手としての自分を信じてくれて感謝しています」と話しました。

また、古巣のエンジェルスについて「メジャーリーガーとしての最初のチャンスを与えてくれたエンジェルスの皆さん、今振り返っても忘れられない。6年間、思い出をありがとうございました」と感謝を述べました。

8:10ごろ

大谷選手 ユニフォーム姿を披露

日本時間の午前8時10分ごろ、大谷選手は記者会見場で背番号「17」のドジャースのユニフォームに袖を通し、帽子もかぶりました。

編成本部長「史上最高の選手です」

会見の冒頭、ドジャースのフリードマン編成本部長が「私たちは非常に興奮しています。史上最高の選手です」などと大谷選手を歓迎しました。

記者会見始まる

大谷選手の入団会見が日本時間の午前8時ごろから始まりました。大谷選手はスーツ姿で記者会見場の壇上に上がり、球団のフリードマン編成本部長からドジャースの一員になったことが紹介されました。

8:00前

大谷選手 青色のネクタイとスーツ姿で登場

日本時間の午前8時前、大谷選手がドジャースのチームカラーの青色のネクタイを締めたスーツ姿でこのあと会見が行われるドジャースタジアムに姿を見せました。

エンジェルス時代からの通訳の水原一平さんや球団関係者とリラックスした様子で話をしていました。

まもなく会見 会場の様子は?

大谷翔平選手はドジャースの本拠地、ドジャースタジアムのセンターフィールドプラザと呼ばれる屋外の会場でこのあと日本時間の午前8時から入団会見に臨む予定です。

今回の会見は日本やアメリカをはじめ世界中のメディアから注目が集まっていることから会場には300余りの席が用意されていて、カメラは50台以上、集まっています。

大谷選手がメディアからの質問に応じるのは今シーズン10勝目をあげた8月9日以来、およそ4か月ぶりで、移籍を決めた思いなど、何を語るのか注目されます。

《会見のポイントは》

記者会見には大谷選手のほか、ドジャースのフリードマン編成本部長も出席する予定だということです。注目の入団会見でポイントとなるのは、主に3つです。

1.ドジャース入団の理由と決め手

2.プロスポーツ史上最高額の契約と異例の後払い方式について

3.来シーズンに向けた現在のリハビリの状況

1.ドジャース入団の理由と決め手は

大谷選手はドジャース入団を決めた際に発表したコメントの中で「目標はいくつものワールドシリーズの優勝パレードをロサンゼルスの街にもたらすことだ」として優勝に向けた強い決意を示しています。会見では改めて、この優勝に向けた思いが大谷選手のことばで語られると見られますが、多くの球団で争奪戦が繰り広げられた中で入団の決め手となったのは何だったのかも注目されます。

ドジャースは、大谷選手が高校生の時から熱心にスカウティングを続けていました。大谷選手自身も当初は高校卒業とともにアメリカに行くと発表していましたが、この時は日本ハムがドラフト1位で指名し、投打二刀流での育成プランを提示したことで、最終的に日本でプロのキャリアをスタートさせました。

大谷選手が2017年にポスティングシステムを使って大リーグ移籍を目指した際にも、ドジャースは面談までは行ったものの、大谷選手が最終的に選んだのは同じ西海岸のエンジェルスでした。この当時はまだドジャースが所属するナショナルリーグに指名打者制が導入されていなかったため、日本ハムのような二刀流の出場スタイルを続けることが難しいという判断もあったと見られます。

しかし、昨シーズンからナショナルリーグにも指名打者制が導入されてこうした障壁もなくなり、ドジャースとしては今回「三度目の正直」でようやく大谷選手の獲得に至ったという形です。

2.プロスポーツ史上最高額の契約と異例の後払い方式について

2プロスポーツ史上最高額の契約と異例の後払い方式について今回の大谷選手の10年契約、総額7億ドル(およそ1015億円)という金額そのものも大きな話題となりましたが、アメリカのメディアが伝えた「97%を契約終了後の後払いで支払う」という異例の支払い方法も注目されました。

チームの年俸総額を下げ、補強をしやすくするために大谷選手からの提案で実現したとされていますが、この決断に至った経緯や思いについても大谷選手や会見に出席するフリードマン編成本部長から説明があるものと見られます。

また、大谷選手はこれまで発表したコメントの中で「現役生活最後の日までドジャースのためだけでなく野球界全体のためにまい進したい」とも記していて、39歳まで続く今回の10年契約を「現役最後の契約」として捉えているのかにも注目です。

3.来シーズンに向けた現在のリハビリの状況は

大谷選手はことし8月23日の試合で右ひじを痛めてマウンドを降り、これが今シーズンピッチャーとして最後の登板になりました。その後、9月19日に右ひじのじん帯を修復する手術を受けていて、現在は復帰に向けたリハビリを進めています。

その際、バッターとしては来シーズンの開幕から復帰できる見通しだとしていましたが、実際に現在どの程度までリハビリが進んでいるのかなど、復帰に向けた見通しも気になるところです。

大谷選手の手術を執刀したニール・エルアトラッシュ医師はドジャースのチームドクターも務めていて、大谷選手がエンジェルス時代の2018年に右ひじを手術した際も担当しました。この時は10月に手術してバッターとして復帰したのは翌年(2019年)の5月でした。

ドジャースは来年、初めて韓国で行われるパドレスとの開幕シリーズに臨むため例年より早い3月20日に開幕します。大谷選手がこの開幕戦に間に合うのかどうかはまだ見通しづらいところではありますが、現在どのようなリハビリを進めているのかや、そもそもどういった内容の手術が行われたのかなど、今回の会見で明かされるか注目です。