柿沢未途前法務副大臣の議員会館事務所を捜索 東京地検特捜部

ことし4月に行われた東京・江東区の区長選挙をめぐる公職選挙法違反事件で、東京地検特捜部は、東京・千代田区の衆議院第二議員会館にある柿沢未途前法務副大臣の事務所などを捜索しました。

特捜部は、捜索で押収した資料を分析するなどして、柿沢前副大臣側が選挙の前後に区議会議員などに提供していた資金の趣旨などの実態解明を進めるものとみられます。

捜索を受けたのは、東京・千代田区の衆議院第二議員会館にある前法務副大臣で自民党を離党した柿沢未途衆議院議員(52)の事務所や東京都内の自宅です。

柿沢議員は14日、自民党を離党しました。

柿沢議員は、保守分裂の構図となったことし4月の江東区長選挙で、自民党推薦の候補ではなく木村弥生前区長を支援し、選挙の前後に秘書を通じて区議会議員の一部に現金を渡していたことがわかっていて、特捜部は11月、柿沢議員の地元事務所や秘書の自宅などを柿沢議員本人による公職選挙法違反の買収の疑いで捜索していました。

関係者によりますと、柿沢議員は、選挙の2か月ほど前に、自民党の区議会議員十数人に現金を渡すよう秘書に指示し、このうち10人前後に秘書が現金の提供を持ちかけていたということです。

柿沢議員は、後援会の関係者に送った文書の中で、現金提供の事実を認めたうえで、「区議会議員選挙の陣中見舞いとして領収書も頂いており、買収の意図はなかったことは明らかだと思います」などと説明していました。

柿沢議員側は、前区長の陣営のスタッフ十数人にもあわせておよそ90万円の報酬を支払っていたということで、特捜部は、今回の捜索で押収した資料を分析するなどして、選挙の前後に区議会議員などに提供された資金の趣旨などの実態解明を進めるものとみられます。

維新 藤田幹事長「カネでモノを言わせる政治は一掃を」

日本維新の会の藤田幹事長は記者会見で「自民党の派閥の問題もそうだが、カネでモノを言わせる政治は一掃した方がいい。区長選挙で現金を配っていたことが事実だとしたら、そういう発想をする人は政界からいなくなってもらいたい」と述べました。

共産党 小池書記局長「党が議員辞職させるべき 自浄能力ない」

共産党の小池書記局長は記者会見で「公職選挙法という政治家にとって非常に重い法律に違反している疑いがあり、極めて重大だ。離党で済む話ではなく、議員辞職すべきだ。自民党は不祥事や法違反の疑いが出たときに、離党という形でトカゲの尻尾切りのような対応をしてきたが、党として責任を持って議員辞職をさせないかぎり、自浄能力はないと言われても仕方がない」と述べました。