阪神 日本一 バースさん「やっと2回目」吉田義男さん「見事」

プロ野球・阪神の38年ぶりの日本一に、OBから祝福の声が届いています。

前回、38年前に三冠王に輝き、球団初の日本一に貢献したランディ・バースさん(69)は「やっと2回目の日本一になってとてもうれしい。ファンも38年間、ずっと待っていたと思う」と喜びを語りました。また前回、日本一になった当時、監督を務めていた吉田義男さんは「1年の集大成の見事な勝利だった」とたたえました。
38年前の4番・掛布雅之さんは「長かった。岡田監督と選手、ファンにありがとうと伝えたい」と心境を話しました。

史上最高の助っ人 バースさん「やっと2回目 うれしい」

胴上げされるバースさん(1985年 リーグ優勝時)

バースさんは1985年(昭和60年)から2年連続で三冠王を獲得し、1985年には日本シリーズで3試合連続でホームランを打つなどの活躍で日本一にも大きく貢献し、“阪神史上最高の助っ人”と呼ばれるなど、多くのファンに親しまれた強打者でした。

バースさんは阪神が38年ぶりに日本一を決めたことを受けて、アメリカ・オクラホマ州で現地時間の5日、NHKのオンライン取材に応じ「阪神がやっと2回目の日本一になってとてもうれしい。ファンも38年間、ずっと待っていたと思う。次に阪神が日本一になった時に取材を受けるのは、僕や岡田さん、真弓さんではなく、今の選手たちだね」と笑顔で話しました。

1985年4月 ホームランを打ちバース選手に迎えられる岡田監督

岡田監督に対しては「2005年にあと一歩で果たせなかった日本一を達成してすばらしい監督だと改めて感じた。正しい決断で本当にいいチーム作りをしてすごい仕事をやってくれた。来年、また日本一になってください」とねぎらいのことばを贈っていました。

そして阪神ファンに向けて「本当におめでとうございます。勝っても負けても球場に足を運んだ阪神ファンは世界一だと思う。若い人たちにとって阪神の日本一は初めてだったと思うが、これからも応援を続けてほしい」と話していました。

吉田義男さん「集大成の見事な勝利」

1985年 阪神 日本一で胴上げされる吉田監督(当時)

吉田義男さんは、1985年に阪神の監督としてチームを指揮し、今の監督で当時の岡田彰布選手などを擁する強力打線を持ち味に球団初の日本一に導きました。

また59年前の“関西対決”の日本シリーズには阪神の選手として出場しました。

吉田さんは阪神が38年ぶりの日本一になったことを受けて「ペナントレース、クライマックスシリーズ、それに日本シリーズの集大成の見事な勝利だった。岡田監督の采配がひときわ光っていて、選手全員の力を引き出した」とたたえました。

59年ぶりの関西対決については「第7戦まで両チームともよく頑張り、関西を盛り上げてくれて本当にありがとう。これからも関西のオリックスと阪神が頑張ることで、プロ野球を盛り上げていってほしいと思う」と話しました。

岡田監督に向けては「監督と選手という関係でしたが、苦楽をともにした仲間が脚光を浴びてくれて非常にうれしい。これから阪神がプロ野球をリードしていくチームになってほしいし、それをできるのが岡田監督だと思う。とにかく健康に気を付けてもらいたい」と話していました。

掛布雅之さん「長かった 岡田監督 選手 ファンにありがとう」

阪神の元4番バッターで“ミスタータイガース”と呼ばれた掛布雅之さん(68)は、現役時代に経験して以来となる38年ぶりの日本一について「長かった。岡田監督と選手、ファンにありがとうと伝えたい」と心境を話しました。

1985年4月 バックスクリーン3連続HRの掛布さん

掛布さんは現役時代に阪神一筋でプレーし、通算349本のホームランを打ち、38年前の1985年には、ランディ・バースさんと岡田彰布監督とともに甲子園球場のセンターへ3者連続ホームランを記録するなど4番として活躍し、チーム初の日本一に貢献しました。

この時以来となる2回目の日本一を受けて「長かった。38年は長いなと感じた。岡田監督が日本一になったことは素晴らしいことだ。これまでの監督から受け継いできたものがあり、それを結実させたことだと思う」と笑顔を見せていました。

一方、38年前の日本一については「それはもう過去のこと。いまの選手がすごかった。いまの話をしよう」と話題を切り替えました。

岡田監督の日本シリーズでの指揮については「ゲームを読む力と決断力があり、勝負のために非情になれるところが優れていたと思う。例えばバッティングが不調だった佐藤輝明選手の打順を第3戦までの5番から7番に下げるなど、短期決戦での非情とも思える起用にすごさを感じた」と褒めていました。

最後に岡田監督や選手たちへのメッセージとして「今シーズンは岡田監督と選手、そしてファンが一緒に戦っていた。すべての人たちへ同様にお疲れ様とおめでとう、そして、ありがとうと伝えたい」と話していました。

“バースの再来” ノイジーの活躍がSNSで話題

ノイジー選手 先制のスリーラン

日本シリーズ、第7戦で阪神のノイジー選手が先制のスリーランホームランを打つなど、ここまで4打点の活躍を見せました。SNS上では、阪神で1985年に三冠王に輝き、初めての日本一に大きく貢献したランディ・バースさんにちなんで“バースの再来”という投稿が相次ぎ、話題となりました。

5番・レフトで先発出場したノイジー選手は、4回の2打席で宮城大弥投手から先制のスリーランホームランを打ちました。ノイジー選手は第6戦でもオリックスのエース・山本由伸投手から先制のソロホームランを打っています。

さらに5回の第3打席では、センターへタイムリーヒットを打って、チームのリードを6点に広げました。

SNS上では「ノイジーありがとう」「ノイジーすごすぎる」といったノイジー選手の活躍をたたえる声があがったほか、1985年に三冠王に輝き、日本一に大きく貢献したランディ・バースさんにちなんで“バースの再来”という投稿が相次ぎ、トレンドワードに入るなど話題となっています。

ノイジー選手は、加入1年目の今シーズン、レギュラーシーズンでは133試合に出場し、打率は2割4分、ホームラン9本の成績でした。

阪神の外国選手が日本シリーズでホームランを打ったのは1985年に3試合連続のバースさん以来となる2人目で、ノイジー選手の活躍を受けて阪神ファンなどが盛り上がりを見せています。

これについてバースさんは、NHKの取材に対して…

バースさん
「日本のファンがいつまでも僕の活躍を覚えてくれていていつも驚かされているよ。第7戦という特別な試合で活躍したのはすばらしい」