台風7号【被害まとめ 16日】鳥取 佐治町の孤立ほぼ解消

台風7号は日本海を北上しています。

中国地方や近畿、東海の各地で記録的な大雨となり被害が出ています。

各地の被害状況についてまとめました。

目次

《鳥取の被害状況》

鳥取県内 78世帯139人が孤立状態に(16日午後10時)

鳥取県は、県内で最も多くの世帯が孤立した状態となっていた鳥取市佐治町で県道の通行止めを解除したことに伴い、これまで孤立していた735世帯1597人のうち673世帯、1485人の孤立が解消されたと発表しました。

一方で、各自治体によりますと、県内で16日午後10時現在、孤立した状態となっているのは、鳥取市の▽佐治町尾際、▽佐治町中、▽佐治町栃原、▽河内安蔵、▽河原町北村、▽河原町小河内、それに八頭町姫路の合わせて78世帯139人となっています。

鳥取 八頭町 私都川増水で県道崩落 通行止めも

鳥取県八頭町福地では、私都川が増水して川沿いの県道の一部が崩落し、通行止めとなっています。

県道が崩れた部分からは褐色の土があらわになっていました。

また、県道が崩れた現場近くにある住宅では家のそばの用水路の水があふれ出て、母屋の隣にある、タンスなどを保管していた蔵に土砂が流れ込んだり、池で飼っていたこいが流されたりしたということです。

このほか、1人暮らしの90代の女性の住宅では、勝手口のドアの下から泥水がしみ出してきたということで、けさから近所に住む数人が集まって、庭にたまっている泥水を取り除いていました。

鳥取港に大量の流木漂着 17日から撤去作業へ

台風7号が通過した影響で、鳥取市の鳥取港には川から流れてきたとみられる大量の流木が漂着していて、港湾事務所では17日から撤去作業を始めることにしています。

鳥取港湾事務所によりますと、けさ、プレジャーボートや遊漁船が係留されている鳥取港内の「ボートパーク」と呼ばれるエリアに、大量の流木が漂着しているのが確認されました。

また近くの賀露地区にある遊漁船が係留されたエリアでも、船の間に大量の木の枝などが漂着していたほか、根こそぎ倒れた5メートルを超える木が流れてきていました。

鳥取港湾事務所によりますと大雨によって倒れた木が増水した千代川に流され、河口から漁港に漂着したとみられるということです。

遊漁船の70代の船長は、「船の冷却装置のなかにゴミが入ってしまうとエンジンがオーバーヒートしてしまう。台風であれほどの波や風があったらどんな対応をしてもこのような状況になると思うので諦めるしかない」と話していました。

鳥取港湾事務所は17日から、ショベルカーを使って流木を撤去する作業を始めるということです。

鳥取県 八頭町に災害救助法を適用

鳥取県は、台風7号による災害で多くの住民に被害が出ているおそれがあるとして、八頭町に災害救助法を適用することを決めました。

このほか、すでに鳥取市と三朝町への適用を決めています。

これにより、避難所の設置費用などを国や県が負担することになります。

鳥取 湯梨浜町 出荷直前の二十世紀梨 落ちる被害

二十世紀梨の生産が盛んな鳥取県湯梨浜町では、台風による強風の影響で出荷を直前に控えた梨が落ちる被害が相次いでいます。

このうち、湯梨浜町の「三ツ田農園」では二十世紀梨や新甘泉などあわせて6種類の梨を生産しています。

台風に備えて、この農園では実が落ちないようにおよそ4000玉を事前に収穫しましたが、二十世紀梨や「あきずき」など、農園で生産する梨の1割近くにあたるおよそ600玉が落ちてしまったということです。

農園では先週の台風6号でも梨が落ちる被害があり、今回とあわせておよそ1000玉が出荷できなくなったということです。

16日は農園の担当者が落ちた梨を回収する作業に追われていました。

「JA全農とっとり」によりますと、県東部と中部を中心に梨の実が落ちたという報告が複数、寄せられているということです。

三ツ田農園の三ツ田達彦さんは「朝、見に来て『あー、やっぱり落ちてるな』となりました。1年間作ってきた実が落ちてしまいショックで、梨を届けられないお客さんがでてしまうのが申し訳ない気持ちです」と話していました。

平井知事 八頭町を視察「生活再建へ速やかに対策」

鳥取県の平井知事は大雨の影響で集落が孤立している鳥取市佐治町や、川の水が田んぼにあふれ出た八頭町を視察しました。

このうち八頭町では、町内の被害の状況について説明を受け、川沿いの県道が長さおよそ110メートルにわたって崩れた現場を視察しました。

視察を終えた平井知事は記者団に対し「生活の再建や、ライフラインを確保をしながら道路を通行可能にすることが第1の目標だ。さらに農業被害も調査し住民が上を向いて日常を取り戻せるよう速やかに補正予算を組んで総合的な復旧対策を進めていきたい」と述べました。

佐治町 自主避難の80代女性死亡 救急車行けず搬送に3時間以上

15日夜、台風の影響で集落が孤立していた鳥取市佐治町で集会所に自主避難していた80代の女性が心肺停止となり、搬送先の病院で死亡が確認されました。

市や消防によりますと、土砂崩れで道路が通行できなくなり、救急車が現場にかけつけることができず、救急要請から病院への搬送までに3時間以上を要したということです。

鳥取市と消防によりますと、15日午後7時半すぎ、台風で集落が孤立していた鳥取市佐治町で集会所に自主避難をしていた80代の女性が心肺停止になっていると消防に救急要請がありました。

道路が土砂崩れで通行できず救急車は集会所にかけつけることができなかったため県東部消防局は鳥取市の佐治町総合支所に対し途中まで女性を搬送してほしいと依頼したということです。

しかし、総合支所の前を流れる佐治川が増水し橋を渡って集会所に向かうことができなかったため、総合支所はいったん依頼を断ったということです。

その後、午後9時前に再度、消防局から搬送の依頼があり川の水位が下がって橋を渡れる状態になっていたため、総合支所から地元の消防団4人が集会所に向かい、女性を土砂崩れで通行止めになっているところまで搬送したということです。

その後、消防局の救急隊員が女性をストレッチャーに乗せて土砂の上を歩きながら救急車まで移動させ、鳥取市内の病院に搬送したということです。

搬送が完了したのは午後10時45分で、通報から3時間以上が経過していて、女性は、搬送先の病院で死亡が確認されました。

鳥取市が女性の家族に確認したところ、女性は集会所で食事をとった際に食べ物をのどにつまらせたということで、市は、当時の状況や災害との関連があるかどうか調べています。

鳥取 三朝町 家の風呂に泥水が流れ込む

鳥取県三朝町を流れる三徳川近くの飲食店の従業員、御舩政子さんは、店舗の裏にある家の風呂に泥水が流れ込み浸水したということです。

この家では川沿いの河原でわく温泉を引いているということですが、雨の影響で増水した川の水が排水溝を通じて風呂にたまったとみられるということです。

御舩さんは「用心していましたが10分から15分ほど目を離したうちに、泥水がたまっていました。夕べは汗を流そうと思いましたがシャワーも使えませんでした。平成3年ごろに三朝に来ましたが、こんなことは経験したことがなく、大変でした」と話していました。

鳥取県と鳥取市 災害対策本部会議で孤立復旧など確認

台風7号の影響で鳥取県内の各地で被害が出ていることを受け、県と鳥取市は16日県庁で災害対策本部会議を開き、孤立集落の復旧を早急に進めることなどを確認しました。

会議には鳥取県の平井知事と鳥取市の深澤市長、それに気象台の担当者などが出席しました。

このなかで鳥取地方気象台の担当者が台風7号の大雨で地盤が緩んでいる中、16日、17日と雨が予想されていて、引き続き、土砂災害に厳重な警戒が必要だと説明しました。

このあと県の担当者が16日午前8時の段階での住宅の被害について床上浸水が倉吉市と三朝町でそれぞれ2軒、床下浸水が倉吉市で14軒、三朝町で2軒、それぞれ発生していると明らかにしました。

八頭町 帰省中の親戚が土砂撤去手伝う

八頭町福地では、お盆休みで帰省していた親戚が土砂の撤去作業を手伝っています。

近くの山の土砂が家の前まで流れ込んできたという安部公子さん(68)の住宅では、鳥取市内の別の家に帰省していたほかの親戚も撤去作業を手伝うためにけさから訪れていて、10人ほどで作業にあたっているということです。

安部さんは、「お盆休みを楽しみにしていたのにこんなことになってしまったが別の親戚の家に帰省していた人たちも力仕事を手伝いたいと来てくれ本当にうれしい。水路や側溝にたまった泥を出してくれていて、若い力にとても助けられています」と話していました。

鳥取市用瀬町別府 国道482号線 道路が崩落し通行止め

鳥取市南部の佐治町と、鳥取市の中心部方面とを結ぶ鳥取市用瀬町別府の国道482号線では、佐治川に沿った道路が崩落し通行止めとなっています。

国道は片側1車線の車道とともに、川沿いにある歩道も崩落しています。

鳥取市用瀬町別府にある国道482号線が崩落する様子を家の中から見ていたという岸田輝男さん(78)は、「家で寝ようとしたら大きな音が鳴ったので窓を見るとドミノのように少しずつ道路が崩れているのが見えた。すごい被害であれだけえぐられるのかと驚いた。みなが使っている国道なので1日でも早く復旧してほしいです」と話していました。

鳥取市 佐治川沿いの道路が一部崩れ落ちる

16日午前5時すぎ、鳥取市佐治町総合支所の近くから地元の消防団の男性が撮影した佐治川の映像です。

川が濁流となって激しく流れている様子や、川沿いの道路の一部が崩れ落ち、ガードレールが大きく曲がっている様子がわかります。

撮影した消防団の男性は「過去にない雨や川の増水で、道路が崩落したり陥没したりしているという情報が複数寄せられています。これから出勤などで車を利用する人も増えることが予想されますが、道路の状況に気をつけて自分の命を守ってほしいです」と話していました。

《兵庫の被害状況》

香美町村岡区和田 住宅3棟に土砂流入

台風7号の影響で、香美町では住宅の裏山が崩れ、土砂が流れ込む被害が出ました。16日朝から県の担当者などが状況を確認しています。

香美町村岡区和田では、15日、住宅の裏山が崩れ、住宅3棟に土砂が流れ込みました。
近くの住民によりますと、15日午後2時ごろ、大きな音とともに裏山が崩れたということです。土砂が流れ込んだ住宅には住人がいましたが、避難してけが人はいませんでした。

現場では、裏山がコンクリートの擁壁とともに崩れ土砂が住宅の中に流れ込んでいます。住宅の骨組みが一部、むき出しになり、屋根には木が倒れかかっていて、土砂の威力をうかがうことができます。

16日は朝から、地域の人たちや県の土木事務所の担当者などが集まって、被害状況を確認したり、安全を確かめながら家財道具を運び出したりしていました。

被害に遭った住宅に住む消防署員の中村駿佑さん(23)は、15日は仕事で家を空けていて、16日朝戻って状況を確認したということです。中村さんは「けが人がいなくて一安心ですが、これほどの被害は経験したことがありません。自然災害でしかたがないですが、とても残念です」と話していました。

香美町の漁港に漂着物 漁船出すの難しい状況

台風7号の影響で、兵庫県北部の香美町の漁港には大量の流木が流れ込み、漁船を出すのが難しい状況になっています。

香美町香住区下浜にある漁港は、台風の影響で増水した矢田川の河口に近く、大量の流木が流れ着き、一面を覆っていました。中には長さ数メートルの大きな木もありました。

兵庫県の但馬水産事務所によりますと、台風で倒れた木や落ちた枝などが増水した川に流され、河口に漂着したとみられるということです。

港では、ワカメやサザエをとる漁業者が小型の漁船を係留していますが、船を出すのが難しい状況になっています。

地元の70代の男性は「台風や大雨で流木がたまることは時折ありますが、今回は量が多いです。いかにたくさんの雨が降ったかが分かります」と話していました。

県は近く、漂着した木などの撤去作業を進めるということです。

香美町で矢田川あふれる 住宅や倉庫など浸水

兵庫県北部の香美町を流れる矢田川は川の水があふれ、周辺の住宅や倉庫などおよそ20棟が床上や床下の浸水の被害が出ました。

このうち、町の中心部から西に1キロほどの場所にある油良地区では、住宅や農作物を保管していた倉庫などが腰の高さまで水につかったということです。

16日は午前6時ごろから住民や消防の人たちがホースなどを使って泥をかき出す作業を行っていました。

この地区に50年以上住むという80歳の女性によりますと、自宅の倉庫に入っていた地元特産のさんしょうを入れるための木の箱、300個ほどが水につかったということです。

女性は、「きのうの午後4時ごろ、一気に水が入り込み、倉庫の中のものがかき回されて動き回っていました。ここまでひどい被害は初めてです」と話していました。

兵庫県が香美町に災害救助法適用を決定

香美町では、およそ30棟の住宅が浸水したほか、崩れた土砂が住宅の敷地に入り込む被害が出ています。

香美町によりますと、15日町内を流れる矢田川から水があふれ、香住区の油良や間室のあわせて27棟の住宅が床上まで水につかる被害が出たということです。また、香住区七日市では複数の住宅で床下浸水の被害があったということです。

このほかの地域では、土砂崩れが起き、村岡区では崩れた土砂が住宅の敷地に入るなどの被害が出たということで、町が16日朝から被害状況の確認を進めています。

町内では午前11時現在、村岡区和田の3世帯、5人に避難指示が出されています。

兵庫県は、多くの住民に被害が出ているおそれがあるとして、香美町に災害救助法を適用することを決めました。

これにより、避難所の設置費用や、被害を受けた住宅の応急的な修理などにかかる費用は、町に代わって国や県が負担することになります。

《京都の被害状況》

京都 福知山 土砂流入で墓石なぎ倒される

京都府福知山市の寺では、台風による大雨の影響で、裏山が崩れて境内に土砂が流れ込み、墓石が30基余り、なぎ倒される被害が出ました。

福知山市大江町河守の浄仙寺では、15日未明、裏山が崩れて境内に土砂や木が流れ込んだということです。

この結果、境内にあったおよそ100基の墓石のうち30基余りがなぎ倒されました。

寺の住職は、夜の間、濁流が音を立てて境内を流れていくのを見たということで、朝になって確認したところ墓石が散乱し、土砂に埋まっていたということです。

16日は地域の住民が集まり、協力して土砂や木の撤去作業にあたっていました。

浄仙寺の古寺忠夫住職は、「墓の状態を見た時は大変なショックを受けました。今のところ、まずは墓石を見つけ出すのが一番で、そのあとのことは皆さんと相談してよりよい方向で進めたい」と話していました。

京都 福知山 大江町河守 重機も使って土砂撤去

京都府福知山市の大江町河守では、台風の大雨で山から流れてくる川があふれ、大量の土砂が地区内に流れ込んだため、撤去作業が続けられています。

この地区では、台風7号の大雨の影響で、14日の夜に山から流れてくる川があふれて地区内に大量の土砂が流れ込み、道路や住宅の敷地など一帯が泥で覆われています。

このため16日、地元の消防団や住民が総出で土砂の撤去作業にあたり、ブルドーザーやショベルカーなども使って泥を運び出したり、掃除したりしていました。

住民によりますと、水があふれ出した14日深夜は、一時、車のタイヤが半分ほどつかるまで浸水したということです。

この地区に住む谷口優紀さん(38)は、当時の状況について、「気づいたら車が水につかり始めていたので、慌てて高台に移動させました。その後は自宅で過ごしましたがさらに水かさが上がってくるのではないかと怖くて眠れませんでした」と話していました。

京都 福知山 1地区で孤立解消

京都府福知山市では、市道に土砂が流れ込んだため、2つの地区の一部で孤立した状態になっていましたが、このうち1つの地区で孤立が解消されました。

福知山市によりますと、大江町小原田では地区に通じる市道に土砂が流れ込んで車が通れなくなり、24世帯、46人が孤立していましたが、道路の復旧作業が進み、孤立が解消されたということです。

けが人はいませんでした。

土砂が流れ込んだ市道では、緊急措置として土砂が道の両端に寄せられていて、業者が重機を使って土砂をトラックに乗せ、次々と撤去していました。

ただ、道路は土砂を避けながら歩くことができるということで、市の職員が食料などの支援物資を歩いて届けているということです。

京都 福知山 3世帯5人で孤立状態続く

一方、福知山市の大江町蓼原では、台風7号の大雨の影響で地区の入り口付近の市道脇で山が崩れ、土砂や流木が流れ込んで車が通れなくなり、3世帯5人が孤立状態となっています。

地区に住む桐村和憲さん(54)は、雨が降り出した14日は大阪に出かけていて、15日午後、帰宅しようとした際、この市道脇が崩れていました。

近くの土手を歩いてなんとか帰宅したところ、自宅の横にある山も崩れていたということです。

自宅の前にも土砂が流れ込んでいて、道路は大きな流木で覆われています。

地区の入り口付近の市道では、市が土砂を取り除く作業を始めていますが、復旧の見通しは立っていないということです。

桐村さんは「過去にも土砂が道路に流れ出すことは何回かあったが、大木が一緒に流れてくるほどの被害は初めてで、びっくりしています。早く土砂を撤去してほしいです」と話していました。

京都市 世界遺産の二条城でも被害

台風7号の影響で、京都市中京区にある世界遺産、二条城でも、桜の木が倒れたり、塀のしっくいがはがれたりする被害が出ています。

二条城は、15日は台風のため臨時で閉められていましたが、巡回していた職員が被害を確認したということです。

このうち、二の丸御殿の北側にあった桜の木は、高さおよそ5メートルありましたが根元から倒れていたということです。

また、唐門と南門の間にある土塀では、縦横50センチ余りにわたってしっくいがはがれたということです。

二条城を管理する元離宮二条城事務所では、塀について、専門の業者に修復を依頼することにしています。

京都 綾部 土砂崩れで建物倒壊や浸水被害

京都府綾部市の山あいの集落では、台風の大雨による土砂崩れで複数の建物が壊れたり、床上まで水につかったりする被害が出ています。

綾部市篠田町の山間部に広がる集落では、台風7号の大雨の影響で土砂崩れが起き、複数の建物が倒壊したり押し流されたりしていて、住宅にも土砂や流木が流れ込んでいます。

集落に住む相根謹一さん(73)は、14日の夜に近所の人からの知らせで自宅近くで土砂崩れが起きていることに気づきました。当時は雷や雨の音が激しく、自分では気づかなかったということで、夜のうちに家族全員で避難したということです。

相根さんは「夜は何が起きているかわからないまま避難しましたが朝になって見ると近くの木造の小屋が遠くまで流されていて、驚きました。ここまで崩れたのは初めてです」と話していました。

綾部市や地元の人によりますと倒壊したり、押し流されたりした建物はいずれも倉庫や作業場で人は住んでおらず、けが人はいないということです。また、この集落では、複数の住宅で床上や床下まで水につかる被害が出ていて、地元の人たちがチェーンソーで流木を切って撤去したり、土砂を運び出したりする作業に追われていました。

京都 綾部 5世帯6人が孤立状態

綾部市では土砂崩れの影響で府道が通行止めとなり、内久井地区の5世帯6人が孤立状態となっています。

府や市によりますと、いずれも連絡が取れてけが人はなく、電気や水道も使えるということです。

府が道路の復旧作業を進めるとともに、市の職員が16日に歩いて現地に入り、被害状況の確認を行うことにしています。

このほか、舞鶴市桑飼上地区も、土の崩落などで一時孤立しましたが、市によりますと15日、すべての住民が歩いて避難したということです。

午前9時30分すぎ京都府福知山市でNHKのヘリコプターが撮影した映像では住宅が建ち並ぶ地域にも土砂が流れ込み、道路の隅には流されてきたとみられる木々や土砂がみられました。

また、住民たちが土砂をかき出すなどして後片づけを行っている様子も確認できました。

伊佐津川にかかる橋の一部流される 京都 舞鶴

16日午前9時ごろ、京都府舞鶴市を流れる伊佐津川の様子をNHKのヘリコプターから撮影した映像には、川にかかっている橋の一部が流されている様子が映っていました。

複数の山の斜面が崩れる 京都 綾部

16日午前8時45分ごろ京都府綾部市でNHKのヘリコプターが撮影した映像からは、複数の箇所で山の斜面の土砂が崩れている状況が確認できました。

また山のふもとにある建物のそばには、土砂とともに流れ込んできたとみられる大量の樹木が横倒しになって積み重なっていました。

建物は瓦ぶきの屋根が落ちつぶれている様子がうかがえます。

京都府内 床上・床下浸水相次ぐ

京都府のまとめによりますと、16日午前6時までに、京都府内では9棟の住宅が床上まで水につかる被害が出ています。

内訳は、福知山市で7棟、舞鶴市で1棟、綾部市で1棟となっています。

また、床下が水につかった住宅が福知山市で39棟、舞鶴市で1棟、綾部市で2棟、宮津市で3棟、与謝野町で4棟となっています。

京都府によりますと、福知山市では現在も調査中の住宅が12棟あり、今後、被害が増えるおそれがあるということです。

一方、けがをした人は京都市で2人、城陽市で1人、向日市で1人、精華町で1人の合わせて5人となっています。

いずれも風にあおられて転ぶなどしたもので、けがの程度は軽いということです。

《静岡の被害状況》

静岡 富士 茶色く濁った水が住宅街に

16日午前10時前に静岡県富士市の住宅の前で撮影された映像では、線路沿いの水路から水があふれて付近の道路が冠水し、茶色く濁った水が住宅街にも流れ込んでいます。

そして1時間後の午前11時すぎに撮影された映像では、激しい雨が降り続きさらに増水して道路が冠水している様子が写っています。

撮影した60代の女性は、「外出しようとしたら家の前の道路が冠水していて驚きました。台風が過ぎたあとも雨が降り続き、雨であふれて水路がどこにあるのか分からない状態です。危ないので心配です」と話していました。

静岡 富士 床下浸水1軒 車一台が立往生

静岡県富士市によりますと、大雨の影響でこれまでに市内の住宅1棟が床下浸水したということです。

また、香西地区の冠水した道路で車1台が立往生しました。乗っていた80代の男性にけがはないということです。

このほかにも市民から浸水の情報が寄せられているということで市は、被害の状況を確認することにしています。

《埼玉の被害状況》

埼玉 寄居町 突風で屋根瓦や窓ガラスなどの被害相次ぐ

台風7号の影響で15日午前3時半ごろ、埼玉県寄居町で突風が吹き、住宅の屋根瓦や窓ガラスが壊れるなどの被害が相次いでいたことがわかりました。

気象台によりますと、竜巻とは特定できなかったものの、風速およそ40メートルの猛烈な風が吹いたとみられるということです。

寄居町によりますと、15日午前3時半ごろから30分ほどの間に突風が吹き、赤浜地区、富田地区、牟礼地区の住宅で、屋根瓦が落ちたり窓ガラスが割れたりする被害があわせて18件確認されたということです。

けが人などはいませんでした。

このほかにも車や道路脇のカーブミラーが倒れたり、木が倒れたりする被害が確認されているということです。

熊谷地方気象台によりますと、当時、寄居町には雷注意報が出されていて大気の状態が非常に不安定になり活発な積乱雲が近くを通過していたということです。

気象台が現地を調査した結果、被害の状況から風速およそ40メートルの猛烈な風が吹いたと推定され、竜巻の可能性があるものの特定はできなかったということです。

寄居町では被害を受けた人に、り災証明書などを交付する手続きを行っています。