台風6号【影響】山陽新幹線 午後10時半から一部で運転取りやめ

台風6号の影響が各地に及んでいます。

各地の被害や交通への影響をまとめ、随時更新していきます。

《交通影響》

【新幹線】
JR西日本によりますと、山陽新幹線は、9日午後10時半以降に広島駅を出発する下り線の運転を取りやめるということです。

10日も始発から午前8時ごろにかけて広島駅と小倉駅の間で運休し、小倉駅と博多駅の間は本数を減らして運転します。

上りは博多駅を午前7時45分に出発する臨時列車から、下りも広島駅を午前7時45分に出発する臨時列車から運転する予定です。

JR九州によりますと、九州新幹線は9日、博多駅と熊本駅の間は通常どおり運転しますが、熊本駅と鹿児島中央駅の間は始発から終日運休しています。

10日は熊本駅と鹿児島中央駅の間は午前6時台に始発駅を出る一部の列車を除いて運転し、博多駅と熊本駅の間は通常どおり運転します。

西九州新幹線は武雄温泉駅と長崎駅の間で終日運休しています。

10日は一部の列車を除いて、上りは午前11時45分に長崎駅を出る列車から、下りは午前11時58分に武雄温泉駅を出る列車から運転します。

【特急列車】
9日の終日運休を決めたのは博多駅と直方駅を結ぶ「かいおう」、大分駅と宮崎駅、宮崎空港駅を結ぶ「にちりん」、延岡駅と宮崎空港駅を結ぶ「ひゅうが」、宮崎駅と鹿児島中央駅を結ぶ「きりしま」、博多駅と門司港駅を結ぶ「きらめき」です。

そのほか「九州横断特急」などの観光列車は9日すべての運休を決めています。

10日は始発から終日運休を決めているのは、博多駅と直方駅を結ぶ「かいおう」、宮崎駅と鹿児島中央駅を結ぶ「きりしま」です。

このほか「九州横断特急」などの観光列車も始発から終日運休を決めています。

【在来線】
JR九州によりますと、始発から運転を見合わせるのは大村線、三角線、宮崎空港線、日南線、吉都線、指宿枕崎線と、肥薩線の吉松駅と隼人駅の間、鹿児島本線の川内駅と鹿児島駅の間、長崎本線の肥前浜駅と長崎駅の間、久大本線の日田駅と向之原駅の間、豊肥本線の肥後大津駅と中判田駅の間、日豊本線の幸崎駅と鹿児島駅の間の上下線です。

また、佐世保線は武雄温泉駅と佐世保駅の間で終日運転を見合わせます。

このほかの路線も多くが9日夜8時ごろから終日運転を見合わせる予定です。

10日も各地で始発から運転を見合わせますが、多くの列車は昼ごろから本数を減らして運転を再開する予定です。

【空の便】
九州などの空港を発着する空の便に欠航が出ています。

九州や山口県、高知県などの空港を発着する便で、すでに欠航したり今後の欠航が決まったりしているのは、午後7時現在、
▽日本航空が9日の252便、10日の33便。
▽全日空は9日の151便と、10日の42便です。
このほかの航空各社も九州の空港を発着する便を中心に欠航が出ています。

大分空港では9日に発着する空の便は午前11時10分に成田空港へ向かう便を最後に午後は全便が欠航となりました。これに伴い空港ビルも午後1時から閉館され、ビルの中では職員が閉館の準備を行っていました。

航空各社によりますと、10日も九州の空港を発着する便で欠航が相次ぐ見通しです。

航空各社は、今後運航状況が変更になる可能性があるとしてホームページなどで最新の情報を確認するよう呼びかけています。

【海の便】
海の便も9日、九州各地を発着する多くの便で欠航となっています。

10日は九州各地を発着する多くの便で午前中を中心に欠航します。

各社は、気象状況などによってはほかにも運休や欠航、それに遅れなどが生じる可能性もあるとして、ホームページなどで最新の情報を確認するよう呼びかけています。

《停電や断水》

【鹿児島県】
九州電力によりますと台風6号の影響で鹿児島県内では9日午後11時の時点でおよそ5930戸が停電しています。

自治体で多いところでは、南大隅町で1360戸、南九州市で1050戸などとなっています。

また、屋久島町によりますと、およそ300世帯が暮らす一湊地区の一部で断水が発生しているということです。

9日午後5時の時点で復旧のめどはたっていないということで、町が給水車を出して対応にあたっています。

【宮崎県】
九州電力によりますと9日午後1時現在、県内の9つの市町村であわせておよそ890戸が停電しています。

最も多いのは日南市でおよそ390戸、次いで串間市でおよそ220戸、小林市でおよそ150戸などとなっています。

【長崎県】
九州電力によりますと、台風6号の影響で9日午後7時現在、長崎県内の2つの市であわせておよそ2300戸が停電しています。

佐世保市でおよそ2220戸、五島市でおよそ100戸となっています。

《人的被害》

NHKが九州各地の自治体や消防などに取材したところ、9日午後11時現在、台風6号の接近に伴い、鹿児島県と福岡県、熊本県、佐賀県であわせて10人がけがをしました。

【鹿児島県】

鹿児島県の姶良市東餅田では8日夕方、歩行中の70代の男性が風にあおられて転倒し、手首の骨を折る大けがをしました。

また、鹿児島市では9日午前、松原町で20代の男性が強風で飛んできたトタン板で右ひざを打撲するけがをしたほか、8日、大竜町と小川町でいずれも70代の男女2人がそれぞれ風にあおられて転倒し、軽いけがをしたということです。

鹿児島県内では今月1日から5日にかけても3人がけがをしていて、台風6号の影響でけがをした人はあわせて7人となっています。

【福岡県】
福岡県苅田町では9日午後、70代の男性が強風にあおられて転倒し、頭に軽いけがをしたということです。

【熊本県】
熊本県天草市では9日午前、50代の男性が自宅2階の屋根の上で作業していたところ転落し、病院に搬送されました。消防によりますと、搬送時、右ひじを切るけがをしていたということです。

【佐賀県】
佐賀市では9日昼過ぎ、60代の女性が自転車を運転中に風にあおられ、転倒しました。女性は救急車で搬送されすねにすり傷を負うけがをしたということです。

《建物などの被害》

【鹿児島県】

屋久島町によりますと、町内の永田地区で建物5棟が床下浸水したということで、町が、詳しい状況を調べています。

このほか、与論町によりますと8日までに窓ガラスが割れたり、トタンの屋根がはがれたりするなど、4棟の住宅の一部が壊れる被害が出たほか、空き家2棟が全壊したということです。

鹿児島県によりますと、瀬戸内町瀬武の県道614号線で道路脇の斜面が高さおよそ12メートル、幅およそ20メートルにわたって崩れたということです。

この場所は、ことし6月末の大雨でも崩れていて、県が、大型の土のうを設置する対策をしていましたが、今回、土砂が土のうを押し流して道路まで達したということです。

けが人はいませんでした。

また、鹿児島県枕崎市によりますと台風6号による強風のため、9日午前、市内の平田町にある道路で信号機が根元近くから折れたということです。

現場は、国道270号線と225号線が交わる道路で、けが人はいないということです。

警察によりますと、現場周辺では一時、警察が誘導を行っていましたが、午後5時現在、折れた信号機は撤去され、新しい信号機が設置されたということです。

【宮崎県】
宮崎県串間土木事務所によりますと、台風6号の影響で、串間市内の県道2か所がけさから通行止めになっています。

このうち、県道439号市木南郷線では、電柱が倒れて道路をふさぎ、午前7時から通行止めとなっていて、九州電力が撤去作業にあたるということです。

また、県道112号今別府串間線では、道路脇の崖が崩れ落石があったほか、近くの川の増水により道路の一部が壊れたため、同じく午前7時から通行止めとなり、今後、県が復旧作業などを行う予定だということです。

《トヨタの工場 夜間の稼働停止へ》

台風6号の接近の影響で九州や中国地方にある自動車メーカーの工場では、操業に影響が出ています。

トヨタ自動車は、福岡県宮若市にある「トヨタ自動車九州」の工場で9日の夜間の稼働を停止するということです。

10日は通常稼働の予定だとしています。

日産自動車は福岡県苅田町にある「日産自動車九州」と「日産車体九州」の2つの工場で9日の夜間の稼働を取りやめました。

10日は通常の稼働を予定しています。

またマツダは、9日と10日の2日間、広島県にある本社工場と山口県防府市の工場で操業を停止します。

《重要文化財の被害》

【沖縄県】
これまでに国の重要文化財2件と天然記念物1件の被害が確認されています。

このうち、国の重要文化財に指定されている名護市の「津嘉山酒造所」では麹屋の外壁が数か所はがれたほか、国の天然記念物に指定されている大宜味村の「田港御願の植物群落」では木の枝が折れる被害が確認されているということです。