台風6号【影響まとめ】各地で備える動き 8日

台風6号の影響が各地に及んでいます。

各地の様子についてまとめます。

JR 新幹線や特急列車、在来線で影響

台風6号の接近に伴う九州地方のJRの9日の運転計画です。

▽新幹線

JR九州によりますと、九州新幹線は熊本駅と鹿児島中央駅の間で始発から運休を決めました。博多駅と熊本駅の間は通常通り運転します。

西九州新幹線は、上り線は午前9時14分に長崎駅を出発する「かもめ14号」、下り線は午前9時23分に武雄温泉駅を出る「かもめ9号」を最後に運休となります。

また、JR西日本によりますと、山陽新幹線は新大阪駅を、午後9時14分に出発する「のぞみ197号」と、午後9時23分に出発する「のぞみ59号」がいずれも広島駅と博多駅の間で運転を取りやめます。一方、10日も午前中、広島駅と博多駅の間で運転を取りやめる可能性があるということです。

▽特急列車

特急列車は博多駅と大分駅を結ぶソニックと博多駅と肥前鹿島駅を結ぶ「かささぎ」がいずれも午後8時ごろから運休する予定のほか、博多駅と武雄温泉の間の「リレーかもめ」が上り線は午前9時51分に武雄温泉駅を出発する14号、下り線は午前8時12分に博多駅を出る便を最後に運休となります。

博多駅と佐世保・ハウステンボスを結ぶ列車は、いずれも佐世保発で午前6時8分の「みどり2号」午前7時18分の「みどり6号」、午前8時6分の「みどり10号」の合わせて3便のみ運行します。

このほかの特急列車は、すべて始発から全区間で運休です。


▽在来線

始発から全線で運転を見合わせるのは、鹿児島本線、大村線、三角線、宮崎空港線、日南線、吉都線、肥薩線、指宿枕崎線です。

このほか、いずれも上下線で長崎本線の肥前浜駅と長崎駅の間、久大本線は日田駅と向之原駅の間、豊肥本線は肥後大津駅と中判田駅の間、日豊本線の幸崎駅と鹿児島駅の間、佐世保線の武雄温泉駅と佐世保駅の間で始発から運転を見合わせます。

このほかの路線は、午後8時ごろから運転を見合わせる予定です。

JR九州は、気象状況や線路設備などの状況によってはこのほかの列車や区間でも運休や遅れが発生するとして、ホームページなどで最新の運行情報を確認するよう呼びかけています。

山陽新幹線 9日夜に一部で計画運休へ

JR西日本によりますと、山陽新幹線は9日夜、台風6号の接近に伴い一部で計画運休し、9日午後10時半以降に広島駅を出発する下り線について運転を取りやめるということです。

また、10日の始発から午前中にかけても広島駅と博多駅の間で運転を取りやめる可能性があるということです。

一方、新大阪駅と広島駅の間では通常どおり運転する見込みです。

JR西日本は、最新の情報に注意するよう呼びかけています。

鹿児島県内の被害まとめ

台風6号の影響で、鹿児島県内では鹿児島市で1人がけがをしたほか、与論町で住宅の一部損壊などの被害が出ています。

【鹿児島市】
鹿児島市によりますと、午後3時ごろ、鹿児島市小川町で70代の女性が風にあおられて転倒し、肩を強く打つけがをしたということです。

【与論町】
与論町によりますと、町内の古里・麦屋・立長の3つの地区で住宅の一部が壊れる被害が出たということです。

このほか、茶花地区では空き家1棟が倒壊したということです。

【瀬戸内町】
県によりますと、瀬戸内町瀬武の県道614号線で道路脇の斜面が高さおよそ12メートル、幅およそ20メートルにわたって崩れたということです。

この場所は、ことし6月末の大雨でも崩れていて、県が大型の土のうを設置する対策をしていましたが、今回、土砂が土のうを押し流して道路まで達したということです。

けが人はいませんでした。

特産の海ぶどうの養殖に被害 沖縄 恩納村

沖縄県の恩納村では、4つの漁港で行われている特産の海ぶどうの養殖にも台風の被害が出ています。

このうち前兼久漁港にある養殖施設では、屋根に開いた穴から雨水が水槽に入りこんだり停電で海水をくみ取るポンプが動かせなくなったりしたため、水質が悪化して海ぶどうの品質が低下し、すべて出荷できなくなったということです。

4つの漁港での被害額は2200万円程度に上り、出荷再開までに2か月はかかるということです。

恩納村漁協の仲村英樹参事は「漁港に来たときはショックを受けた。漁港で海ぶどうを生産する70人の2か月間の生活が心配で、なんとか支援をお願いしたい」と話していました。

関門海峡の連絡船など 台風接近に備える 福岡 北九州

台風6号が接近する中、北九州市では、関門海峡の連絡船などを運行する会社が岸壁に船を固定したロープの状況を確認するなど、強風や高波などへの備えを進めています。

北九州市門司区の「関門汽船」は、関門海峡の連絡船やクルーズなどに使う観光船などを運航しています。

このうち観光船3隻は、台風の接近に備えて7日、門司港内の風や波の影響を受けにくい場所に移動させていて、8日は従業員たちが岸壁や船どうしをつなぐロープに緩みがないか確認作業を行いました。

一方、4隻の連絡船についても8日の日没前には運航を取りやめて安全な場所に移動させ、9日は終日運休するということです。

「関門汽船」の岡野竜輔運航部長は「利用者には迷惑をかけるが、事故が起きないように対応している。船を壊さないようにするとともに、風で飛ばされるものがないか見回りも続けたい」と話していました。

漁船を陸に引き上げて固定 愛媛 愛南町の漁港

台風の接近に備えて、愛媛県愛南町の福浦漁港では、地元の漁業者が漁船が流されないように4人がかりで陸に引き上げ船をロープで岸壁にくくりつけて固定する作業にあたっていました。

養殖漁業者の男性は「台風の進路が西にそれてはいるけれど、動きが遅くて勢力が強いので心配です」と話していました。

九州を発着する空の便に欠航

台風の影響で、九州を発着する空の便に欠航が出ています。

宮崎県や鹿児島県など九州の空港を発着する便で、すでに欠航したり、今後の欠航が決まったりしているのは、午後4時現在、日本航空が8日の132便と、9日の246便。

全日空は8日の32便に加え、9日の36便、さらに10日も宮崎空港から伊丹空港と羽田空港へ向かう始発の欠航を決めたということです。

このほかの航空各社も宮崎県や鹿児島県を発着する便を中心に欠航が出ています。

航空各社は、今後、運航状況が変更になる可能性があるとしてホームページなどで最新の情報を確認するよう呼びかけています。

ガソリン在庫が不足 休業や給油量制限の店舗も 鹿児島

台風6号の接近に伴いガソリンを輸送するタンカーの運航が滞っている影響で、鹿児島県内のガソリンスタンドでは、在庫が不足して休業したり給油量を制限したりする店舗が相次いでいます。

鹿児島県内で16店舗のガソリンスタンドを経営する会社によりますと、台風でタンカーの運航が滞っている影響でガソリンの在庫が不足しているということです。

7日からは店舗ごとに給油量の制限を始めましたが、それでも在庫が底を尽き、臨時休業を余儀なくされている店も出ているということです。

このうち鹿児島市武にある店舗では、給油量を1台当たり10リットルに制限して営業を続けていて、8日も日中、絶え間なく客が訪れていました。

50代の男性は「足りないけど、何とかきょうの分は入れることができた。通常に戻ることをいちばんに望みます」と話していました。

また、介護の仕事をしている女性は「通常は満タンに入れて1週間の業務が円滑に行くのですが、10リットル制限というのは初めてでどうなるかわからない」と話していました。

「Misumi鹿児島支店」は「救急車や消防車など緊急車両には制限していないが、一般のお客様にはご迷惑をおかけしています。台風が去ったあともしばらくは影響が続くのではと懸念しています」とコメントしています。

7月の大雨で被害の農家 台風対策に追われる 福岡 久留米

7月の記録的な大雨で農業用ハウスに雨水が流れ込む被害を受けた福岡県久留米市の農家は、台風6号の影響で大荒れの天気が予想される中、対策に追われています。

久留米市太郎原町の野村勝浩さんのハウスでは、先月10日の記録的な大雨で、小松菜を栽培していた広さ40アールの畑のおよそ半分が丸一日にわたって20センチほど浸水する被害を受けました。

大雨から10日後に新たに小松菜の種をまき、現在、長さ5、6センチほどに育っています。

台風の接近を前に野村さんは、ハウス全体を覆っている遮光ネットが暴風で吹き飛ばされないよう、固定用の金具を外してネットを撤去していました。

また、ハウスの屋根や壁のシートを固定しているバンドに緩みがないかや、大雨に備えてハウスの周りに設置された高さ30センチほどの防水板にすき間がないかなどを確認していました。

野村さんは「大雨からおよそ1か月でまた新たな心配が出てきた。農業は自然相手で何が起きるかわからないので万全の対策は取りたい」と話していました。

国道に土砂流入 一部で通行止め 高知 津野町

高知県道路課によりますと、雨の影響で土砂が道路に流れ込んだため、津野町新土居の国道197号の一部で8日午前1時ごろから通行止めになっています。

う回路はあるということです。

県須崎土木事務所が午前2時ごろに現場で撮影した写真には、土砂に突っ込んでいる車が写されています。

車のドライバーにけがはなかったということです。

新幹線の運休前に駅に多くの人 JR博多駅

台風6号の接近に伴って、九州新幹線の一部区間が午後から運休するのを前に、JR博多駅の新幹線の改札口では、午前中に移動しようという人の姿が多く見られました。

台風6号の接近に伴って、九州新幹線は熊本駅と鹿児島中央駅の間で
▽上り線が午後1時45分に鹿児島中央駅を出発する列車、
▽下り線が午後0時40分に熊本駅を出発する列車の後から運休となります。

これを前に、福岡市のJR博多駅の新幹線の改札口付近では、午前中に移動してしまおうと、多くの人たちが切符の購入や変更を求めて列を作っていました。

また、駅員に運行状況を尋ねたり、電光掲示版などの情報を確認したりする人もいました。

鹿児島県の川内駅まで向かうという岐阜県の60代の女性は「初盆で実家に向かうところですが、飛行機が台風で遅れたので、ここまで走ってきた。ギリギリ間に合ってよかった」と話していました。

仕事で鹿児島中央駅まで向かうという福岡市の20代の男性は「夜の時点で情報を確認していた。チケットを無事に買えてよかった。いつも以上に駅に人が多くて驚いた」と話していました。

JR九州は、台風の進路によっては運休する区間を変更する可能性もあるとして、最新の運行情報を確認するよう呼びかけています。

影響長期化で病院では血液足りず 鹿児島 奄美大島

影響が長期化している鹿児島県の奄美大島の病院では、手術や治療のために使う血液が足りなくなっていて、急を要しない貧血患者への輸血を見合わせる対応をとっています。

鹿児島県の奄美大島にある県立大島病院では、毎日、「血液製剤」と呼ばれる輸血用の血液を鹿児島市の赤十字血液センターから航空便で確保していますが、台風6号の影響で今月3日から飛行機の欠航が続き入手できない日が続いています。

現在、A型用の血液製剤が通常の半分以下の量になっていて病院では、緊急の手術に備える必要があることなどから、急を要しない貧血患者への輸血を今月5日から見合わせているということです。

今後、さらに血液製剤が足りなくなった場合には、事前に登録している島内のおよそ500人に献血を呼びかける可能性もあるとしています。

また、病院には、島内のほかの医療機関からも血液製剤を分けてほしいという依頼が来ているということです。

県立大島病院麻酔科の大木浩医師は「患者に理解してもらい今は何とかしのいでいますが、かなり厳しい状態です。航空便の再開を待ちながら、できるかぎり対応していきます」と話していました。

ホームセンターに防災用品の特設コーナー 福岡

台風6号の接近に備えて、福岡市西区のホームセンターには防災用品を集めた特設コーナーが設けられ、買い求める人たちの姿が見られました。

特設コーナーでは水で膨らむタイプの土のうや、懐中電灯などが並べられていて、さっそく客が訪れて商品を選んでいました。

家族で店を訪れ、懐中電灯に使用する電池を買った20代の女性は「子どももいるので台風に備えるために電池を買いました。建物の高層階に住んでいて停電したら何もできなくなるので心配です」と話していました。

店によりますと、簡易トイレや窓ガラスが飛び散るのを防ぐためのシートなど、一部の防災用品は品薄になっているということです。

ホームセンターの井上満里奈さんは「今回は停電や断水に備えたい人が多く来店しています。災害には早めの備えをおすすめしています」と話していました。

漁船を岸壁に固定 愛媛 八幡浜

漁業が盛んな愛媛県八幡浜市の漁港では8日、漁船を岸壁に固定する作業が行われていました。

台風6号は9日、愛媛県に最も接近する見込みで、8日朝、八幡浜港では地元の漁業者が台風の接近に伴う波や風に備えようと作業を進めていました。

このうち、底引き網漁を営む浦中洋一さんは、強風で機械や道具が飛ばされないように船の中に片付けていたほか、船が岸壁にぶつかったり沖に流されたりしないようにとロープで岸壁にくくりつけて固定していました。

浦中さんによりますと、台風6号の接近による影響で、10日までの3日間、漁に出られない見込みだということです。

浦中さんは「台風によって海の中がかき回され、漁への影響は出てしまう。お盆期間の前という稼ぎ時に休まないといけないのは悔いが残ります」と話していました。

公園内の施設を点検 高松

高松市にある国の特別名勝「栗林公園」では、園内の施設に雨漏りしそうな場所がないか点検作業が行われました。

点検作業を行ったのは、瓦の設置工事などを行う業者でつくる香川県瓦施工組合の職人あわせて16人です。

職人たちは、公園内の施設を見て回り台風で被害が出そうなところがないか確認しました。

このうち、過去に台風による大雨などで雨漏りが発生したことがあるという1899年に建てられた商工奨励館では、職人たちが屋根の上にのぼり、割れたり外れたりしている瓦がないか念入りに点検していました。

また、雨どいから水があふれて屋根の部分に広がることを防ぐため、雨どいにたまった落ち葉を取り除くなどしていました。

組合では、8月8日の「屋根の日」にあわせて毎年、栗林公園で屋根の瓦の清掃や修繕をボランティアで行っていて、8日の点検もその一環で行われました。

香川県瓦施工組合の請川和英理事長は「瓦はきちんと点検すれば100年、200年もつものなので、台風や豪雨から守って栗林公園の景観を大切にしていきたい」と話していました。