【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(19日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる19日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ国防次官「8つの集落 奪還」SNSで発表

ウクライナ国防省のマリャル次官は「この2週間、南部ザポリージャ州のベルジャンシク方面やメリトポリ方面で攻撃が行われ、8つの集落を奪還した」と19日、SNSで発表しました。

これまでに奪還を公表していた7つの集落に加え、ザポリージャ州のピャチハトキを新たに奪還したということです。

また「この1週間で、ウクライナ軍は敵の兵士80人以上を捕虜にした」と反転攻勢の成果を強調しました。

マリャル国防次官は東部ドネツク州のアウディーイウカ方面などでもロシア側との戦闘が続いているとした上で「ウクライナの兵士のプロ意識と勇気のおかげで、われわれは1メートルも領土を失わなかった」と述べています。

また現地の親ロシア派の幹部はピャチハトキがウクライナ側に奪還されたとしているほか、ロシア国防省も「最も激しい戦闘が続いているのはザポリージャ州だ」と認め、激しい攻防が行われている模様です。

イギリス国防省“ロシア側 数千人規模の兵士を転戦か”

イギリス国防省は19日の分析で「過去10日間、ロシアはザポリージャ州と東部ドネツク州のバフムトを強化するため、ドニプロ川の東岸地域から部隊の移転を開始した可能性が高い」としてロシア側が、南部ヘルソン州に展開していた精鋭の空てい部隊など、数千人規模の兵士を転戦させている可能性があると指摘しました。

ヘルソン州では今月、ダムが決壊し洪水の被害が拡大したことから、ロシア側は、この地域でウクライナ軍が大規模な反転攻勢にのりだす可能性は低いと判断し、反転攻勢の激戦地となったザポリージャ州などに部隊を移しているという見方をイギリス国防省は示しています。

米シンクタンク分析“ウクライナ軍 限定的な領土奪還果たした”

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ウクライナ軍がドネツク州やザポリージャ州の少なくとも4つの地域で反撃を続け、限定的な領土奪還を果たしたという分析を、18日示しました。

一方で「ウクライナ軍は今後の作戦に向けた戦術を見直すため、反撃作戦を一時的に停止している可能性がある」として、ウクライナ側が、今後の主要な作戦の展開をにらみ、一時的に部隊の進軍を抑制している可能性を指摘しています。

渡辺復興相 ウクライナ副首相と復興の覚書締結

渡辺復興大臣は19日午前、日本を訪れているウクライナのクブラコフ副首相兼インフラ相と復興庁で会談し、ウクライナの復興に向けた計画の策定や両国間の連絡窓口の設置などを盛り込んだ覚書を交わしました。

覚書では、東日本大震災の経験を生かしながら持続可能な復興に向けた政策や知見を共有し、官民双方の協力を拡大することを目的に掲げています。具体的には▽復興計画の策定に向けた情報交換を行いセミナーやシンポジウムなどを共同で開催することや▽進行状況を確認するための両国間の連絡窓口を設置することなどが盛り込まれました。

クブラコフ副首相は「戦争はいつまでも続くわけでなく、破壊されたすべてのインフラや住宅、経済を復旧・復興していかなければならない。日本が持っているノウハウは非常に重要で、世界でもユニークな知識だ」と述べました。

渡辺大臣は「復興にあたっては、インフラの整備はもとより住民の帰還やコミュニティの再建が欠かせない。覚書の締結を契機に両国の対話が実り多きものになるよう期待する」と述べました。

ゼレンスキー大統領「一歩ずつ前に進んでいる」成果を強調

ウクライナのゼレンスキー大統領は18日に公開した動画の中で「今週はわれわれの防衛、前進、攻勢に向けた非常に重要な1週間だった」と述べ、東部や南部での反転攻勢に参加している部隊の名前を一つ一つ挙げ、兵士たちをねぎらいました。

また、南部を中心に激しい攻防が続いているとする一方、東部ドネツク州のアウディーイウカ方面ではロシア側を撃退しているとしています。

そのうえで「われわれの軍は前進している。一歩ずつ前に進んでいる」と述べ、各地で反転攻勢が着実に成果を上げていると強調しました。

イギリス国防省「ウクライナ側に小さな前進」

戦況を分析するイギリス国防省は18日、戦闘が激化し双方に多くの死傷者が出ているとして「最も激しい戦闘はザポリージャ州、ドネツク州の西部、ドネツク州のバフムト周辺に集中している。これらすべての地域でウクライナ側に小さな前進がみられる」と指摘し、厳しい状況の中でもウクライナ軍が徐々に前進しているとの見方を示しています。

ウクライナ軍 “バフムト ザポリージャ州 へルソン州で戦闘”

ウクライナ軍の参謀本部は18日、東部ドネツク州のバフムトや南部のザポリージャ州、ヘルソン州で激しい戦闘が続いているとともに、ドネツク州の一部ではロシア側の攻撃は失敗したと発表しました。

また複数のウクライナのメディアは18日、ウクライナ空軍がヘルソン州のロシア側の弾薬庫を破壊したと伝え、現地の様子とされる動画には、複数の爆発音とともに煙が上がっている様子が写っています。

ロシア “ザポリージャで激しい戦闘 空爆や砲撃で敵を撃退”

ロシア国防省は18日、ウクライナ軍がドネツク州やザポリージャ州の方面で攻勢をかけ、最も激しい戦闘が続いているのはザポリージャ州側で、空爆と砲撃などで敵を撃退したと主張しています。