全仏OPテニス 加藤未唯「優勝は今の私にとってすごく大きい」

テニスの全仏オープンの混合ダブルスで四大大会初優勝を果たした加藤未唯選手。試合後の会見で、女子ダブルスの失格を乗りこえての快挙、そして、波乱の大会を振り返りました。

失格を乗り越え、全仏オープン混合ダブルスで優勝を果たした加藤選手。抜群の相性を見せたペアのドイツのティム・プッツ選手とは実は大会直前に結成された急造ペア。結成は大会へのエントリー締め切りの2分前でした。
2人が決勝のあと会見に臨み、大会を振り返りました。

8日行われた全仏オープン、混合ダブルスの決勝。加藤選手のペアは、第1セットを4-6で落としますが、第2セットを6ー4で奪い返すと、最後は10ポイント先取のマッチタイブレークを10ー6で取って、四大大会初優勝を果たしました。
会見でプッツ選手は第1セットを落とした後、どう立て直したかを聞かれ、こう答えました。

「第1セットを落としたのは厳しかった。第2セットもおおむね劣勢で、取り返すのは難しかったですが、自分を信じてあきらめず、いいプレーをして最後のタイブレークでもいいプレーができました。我々2人とも、グランドスラムのチャンピオンと呼ばれることをうれしく思います」
息の合った抜群のプレーと粘り強さを見せて優勝を手にした加藤選手とプッツ選手。

そのときの気持ちを聞かれた加藤選手は…。

「すごくうれしい。1回戦から彼にはすごく助けられたし、感謝しています。センターコートだからといって特別な思いはなく、いつもどおり強気でプレーできればという感じでプレーしていただけです」

そして、最後に喜べる瞬間がくると思っていたか、たずねられると、こう話しました。

「全くしていないですね。していなかったです。いい形で終われて、そこだけはすごくうれしい」
失格の判定からその判断をめぐって大きな議論にもなった今大会。こうした経験を今後のキャリアにどういかしたいか質問されると、加藤選手は次のように答えました。

「一生涯、失格にならないことを心がけるしかない。この優勝は、今の私にとってはすごく大きいので、女子ダブルスにも生かしたいし、ほかのグランドスラムの混合ダブルスでもチャンスがあるのではないかと思っているので、またどこかでこのトロフィーを手にしたいです」。

さらに、今後もペアを続けるかという質問には。
加藤選手が「ウィンブルドン選手権に出ないかと聞いたんですけど、ウィンブルドンには出ないと言われたので」と話すと、プッツ選手が「ウィンブルドンは出ません。ごめんなさい。未唯」と答え、会場は笑いに包まれました。

このあと加藤選手が次は「全米オープンかもね」とプッツ選手にたずねると「全米オープンは出てもいいかな」と笑顔で答えていました。